コロナ

『コロナ』第1話読み切り
一、 青空 まっすぐな農道を疾走していた救急車が、ふいに速度を落とし始めた。 後部座席に座っていた敷島寛治は、わずかに前のめりになりかけて、慌てて壁の手すりに手を伸ばした。ほとんど同時に、運転席から、歯切れの良い声が飛び込んでくる。