モーツァルトを聴く人

 自分はどのような死に方をするのだろう、とときおり考える。「わたしもいつか死ぬ」と気づいたときのことを覚えている。小学2年の夏、TVドラマで子どもの闘病シーンを観たとき、「あの子は自分かもしれない」ととつぜん思った。あれからずっと「死ぬ」ということがわかるようで、わからない。熊本で「橙書店」と併設の喫茶店「オレンジ」を
著者の窓 第14回 ◈ 谷川俊太郎『モーツァルトを聴く人』
 一九九五年に刊行された谷川俊太郎さんの詩集『モーツァルトを聴く人』が、装いも新たに文庫化されました。文庫には『モーツァルトを聴く人』全篇が収録されているほか、音楽とモーツァルトにちなんだ詩二十三篇に書き下ろし一篇を加えた選詩集「音楽ふたたび」、堀内誠一さんとの共作で未刊行の絵本「ピアノのすきなおうさま」をオールカラー
◎編集者コラム◎ 『モーツァルトを聴く人』詩/谷川俊太郎 絵/堀内誠一
『モーツァルトを聴く人』という詩集の親本が小学館から刊行されたのは1995年、谷川さん64歳の時の詩集でした。19篇の詩のほかにパウル・クレーのカットが6点収録されていて、造本はA5判ハードカバー64ページの瀟洒な詩集。この詩集には単行本の他に別のとんでもないヴァージョンもあったのです。