古谷田奈月

古谷田奈月『フィールダー』
救われるために 純文学とエンタメの垣根を越えて活動する古谷田奈月が、三年ぶりとなる長編『フィールダー』を発表し話題を呼んでいる。社会問題をこれでもかと盛り込み、文学の感性でひもといていく一方で、読めば指のうずきと脳にカーッとくる熱さを仮想体験させられるガチのゲーマー小説でもある。この奇跡的融合の背景には、「救う」という「ポスト伊藤計劃」への解 「自分は生まれてこないほうが良かったのではないか?」その思想は古代から存在が知られるものだったが、コロナ禍や地球温暖化の拡大などの不安により増幅され今や世界的なムーブメントとなっている。新潮ミステリー大賞出身の荻堂顕は、受賞後第一作となる『ループ・オブ・ザ・コード』で反出生主義に挑んだ。第七回
週末は書店へ行こう! 目利き書店員のブックガイド 今回の目利きさん 成田本店 みなと高台店 櫻井美怜さん
 音は光よりも遅い。頭ではわかっていても、花火が打ち上げられたドーンという音が背後から聞こえると、振り返らずにはいられない。そこにはもう、火花の気配すらないというのに。出版社で働く橘は、美麗なグラフィックの世界観の中でモンスター討伐をする“リンドグランド”というアプリゲームにはまっている。昼は社会人としてきちんと働き、
syeiku
 運転中、セブン-イレブンの看板が目に入ると、父は必ず「メロンシェイク飲むか?」と言った。私と兄が子どもの頃、セブン-イレブンがカウンターでシェイクを売っていた頃のことで、飲む、と私たちも必ずそう答え
古谷田奈月
  隣のおばさんはゴリラ!?    三月。十五歳になった小春は、〈若い人間として生きられる、これが最後の一年だ〉と憂える少女。色で占いをする〈色見〉の祖母の影響で、自分も絵の具を使