最所篤子

最所篤子『小さなことばたちの辞書』
万人に与えられた復活の道具 はじまりはとても静かだった。幼いエズメの目に映った魔神のランプのような写字室/スクリプトリウムは、もう今はない祖父の書斎や長野の恩師の図書室を私に思い起こさせた。記憶と重なるその空間で、生き物のようなことばが救われたり捨てられたりしていた。ことばたちは儚く、すぐに失われてしまうのに、同時に世
週末は書店へ行こう! 目利き書店員のブックガイド 今回の目利きさん 丸善 お茶の水店 沢田史郎さん
 都会でもなく田舎でもない、どこにでもありそうな地方都市。その街でほんの一瞬袖振り合うのは、一見フツーの老若男女。6つの短編の6人の主人公たちを善人か悪人かで分ければ、悪人は一人もいないだろう。けれど皆々不器用で、自分の気持ちを上手く相手に伝えられない。だから、不満や反論をつい飲み込んでしまう。自然、我慢したり譲歩した
saisyosan
 一昨年、日本で公開された映画『世界一キライなあなたに』。世界八百万部超の原作『ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日』に続き、同著者の最新作『ワン・プラス・ワン』の翻訳を手がけた最所篤子さんは、『ク