谷口桂子
奇跡のような夫婦の軌跡 思いがけないきっかけから、一冊の本が生まれることがある。私が吉村昭さんに関する本を書くことになったのは、吉村さんの恩師である丹羽文雄の名前を冠した文学賞を、郷里の三重県四日市市に提案したことに端を発する。渡辺淳一さんに賛同人になっていただいたにもかかわらず、それは泥沼の紛争と化し、嘘はつかない
国民的作家・故吉村昭氏の命日に合わせて刊行された谷口桂子さんの書き下ろし文庫。吉村氏と夫人で作家の津村節子氏の随筆や小説から、食に関する印象的で美味しそうな場面を抜き出して、私たちが愛すべき日本の食と酒を活写します。吉村氏は執筆に際し、信じられないほどの徹底した取材をしたことで知られています。