村上しいこ『みけちゃん永遠物語 にゃん生〝はなまる〟にゃわ』
![村上しいこ『みけちゃん永遠物語』](https://shosetsu-maru.com/wp-content/uploads/2025/01/SE_mikechan.png)
愛おしいモフモフ
猫好き児童文学作家を自称する村上しいこです。
小学館からはYAと小説を刊行して頂いているのですが、今回は私の大切な娘(みけちゃん)と過ごした25年半をぎゅーーっと詰め込んだ、私からみけちゃんへのラブレターエッセイを書きました。
さて、猫好きの皆さん、または犬や鳥など小さな家族と住んでいる方にとって、その魅力とは何でしょうか?
抱っこする温かさであったり手の平や頭の上にちょこんと乗る愛らしい姿。そして甘える鳴き声。
存在全てにおいて愛おしいですよね。
25年前のある日、私が住んでいたアパート6階の部屋に「ただいま」というように入ってきてそのまま家族になった不思議な猫みけちゃん。
猫と暮らしたことがない私に、猫の魅力と暮らし方と可愛さを余すこと無く伝え、私が猫に魅了されるまでさほど時間は必要ありませんでした。
その後、保護した弟猫のピース、さらに翌年には縁あってボランティアさんから引き取ったパレオ。
みけちゃんは年の離れた弟の面倒を本当によく見てくれました。
25年という長い年月を共に過ごしたみけちゃんに愛情をめいっぱい注ぎ守ってきたつもりでいたのだけど、天国に行ってしまった今、改めて思うことは、私はみけちゃんを守っていたのではなく、みけちゃんに守られてきたんだなということです。
好奇心旺盛で社交的だったみけちゃん、「あたし、村上みけにゃわ」といいながら、広い空を自由に飛びまわり、友達をいっぱい作って時々は家に帰ってきてるのではないかと感じています。
村上しいこ(むらかみ・しいこ)
三重県生まれ。『かめきちのおまかせ自由研究』で日本児童文学者協会新人賞受賞。『れいぞうこのなつやすみ』でひろすけ童話賞受賞。『うたうとは小さないのちひろいあげ』で野間児童文芸賞受賞。『なりたいわたし』で産経児童文化出版賞ニッポン放送賞受賞。その他の著書に『25歳のみけちゃん』『死にたい、ですか』『あえてよかった』など多数。