HKT48田島芽瑠の「読メル幸せ」第38回
第38回
6月になりました?
ジメジメしてる時期が終わったと思ったら…暑い!暑すぎる!6月に入って一気に夏になった感じ。梅雨短か!これが初夏なのだとしたら、真夏恐ろしくない?誰か溶けますね、絶対?
でも半袖と長袖が混合するこの時期、なんかすごい好きなんですよね。季節と季節の間感。わかる人いるかな?
私結構ひとりごと多いんですよ。1人でいるのに声に出しちゃう事もあるけど、自分と話す事が好きなんですよね。1人で電車乗ってても心の中で喋ってる。1人で部屋にいる時とか、ホテルにいる時はペラペラ喋ってる?
でもそれって誰にも聞かれないし見られないからできる事で、この自分の語りがもし小説になったらどんな感じになるんだろう。そんな事も思いながら読んだ作品を今回はご紹介します。
柳美里さん作 『まちあわせ』。
流れ込んでくる。主人公と心が繋がってるかのように、感情が、息遣いが全部自分に流れ込んでくるような感覚になった作品。
学校にも家にも居場所がない主人公市原百音。
そんな百音が自殺志願者の掲示板をのぞいてる所から物語は始まる。主人公の1人語りで、目線も主人公のみ。1人の少女の生き様がリアルに表現されていて、正直重ためな1冊です。死にたいと思う事への感情がだめだと否定するのではなく、生と死を同じ目線にする事で妙に生々しく、他人事ではないと感じさせられる。私は百音の気持ちがわからなくないと思う人間だった。
だからこそ苦しいというか、救いがないというか、ほんの少しのズレで生も死も近づいてくるのだと思いました。主人公の孤独感、不信感、疎外感そういう感情が血液のように私に流れてくるから、なんて言うのかな、見ちゃいけない覗いちゃいけないものを覗いちゃってる感じがする。日記を読んでるみたいな。普通なら隠す部分を読んでるから、凄くリアルに鮮明に情景が浮かんできて、とにかくめちゃくちゃリアルです。
女性だからこそわかる描写もあって、めっちゃ細かい!と思ったら作者さんが女性の方で納得しました。メイクが仕上がるまでの秒数とか、繊細さを感じる部分も多くて女性らしさを感じました。
AKB48が出てきた時はちょっとびっくりした笑
少女の生き様を見ながら、生と死について考えさせられる。多分理解できない人もいるだろうし、苦しいほどわかってしまう人もいるだろう。彼女と向き合いながら読者は何を思うのか…。
私は生の事を考えるのも、死の事を考えるのもどっちも辛いなと思いました。
気になる方は是非読んでみてください!
良い本の旅を。田島芽瑠でした。
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