◎編集者コラム◎ 『70歳のたしなみ』坂東眞理子
◎編集者コラム◎
『70歳のたしなみ』坂東眞理子
『70歳のたしなみ』の刊行から4年が経ちました。その間にいろんなことがありました、社会にも、個人的にも。決して平坦ではなかったこの4年間を振り返りつつ、この先を考えたとき、以前にも増して、この本の中に綴られた32のたしなみが人生に必要になっていると感じます。
「もう」70歳だから、「今さら」何をしても遅すぎる、「どうせ」成果は上がらないと自分をおとしめるのは金輪際やめよう。失った若さや体力を数え上げるより、今持っている力を数えて感謝する、人に少しでも役に立つように行動する、それが私たち高齢者のたしなみである
(「はじめに」より)
この本は、坂東先生が70歳を過ぎて感じた自分と世間の年齢感覚のギャップをもとに、自分自身と、同世代の団塊世代の皆さんを励ます気持ちで書かれたものです。それが世代を超えて読まれ、21万部を超えるベストセラーとなった本書を文庫化するにあたり、「新章」を設けました。
一つは、坂東先生には「新しいたしなみ」の書き下ろし原稿をお願いしました。コロナ禍やウクライナ戦争をはじめ、いろんなことがあった4年間、何より70代をあれから4年過ごしてこられた中で新たに実感した「70歳のたしなみ」を書いてもらいたいと思ったからです。入学試験や卒業式などのお忙しい中を縫って書いてくださった原稿は5000字あまり。単行本を読んでくださった皆さんにもぜひ読んでいただきたい「最新のたしなみ」が詰まっています。
また、単行本時にたくさんのかたから届いた「愛読者はがき」を収録しました。この本を読んでボランティアを始めた、仕事を続けることにした、気持ちが軽くなった……はがきには、新しい決意や覚悟、共感の声がスペース一杯に綴られていました。私自身、「よーし、こんなことで落ち込んでいる場合か! 私への挑戦を始めるぞ!」と大いに勇気づけられたそれらを、紙数の都合上、ごくごく僅かではありますが収録し、新しい読者の皆さんにも私と同じような思いを感じてもらいたいと思いました。
そしてもう一つ、内館牧子さんとの対談も新たに収録しています。ほぼ同い年のおふたりが「70歳になって見えてきた人生で本当に大切なこと」を語り合った内容は必読です。大いに励まされ、生きるエネルギーが湧いてくること請け合いです。
文庫化にあたっても、単行本の時と同様、文字を大きくし、高齢者のかたにも読みやすいよう心がけました。大切なかたへのプレゼントにもオススメです。母の日や敬老の日、誕生日のお祝いに、お手紙とともに添えていただくと喜んでいただけるのではないでしょうか。
さぁ、一緒に人生を楽しみましょう!
──『70歳のたしなみ』担当者より
『70歳のたしなみ』
坂東眞理子