ハクマン 部屋と締切(デッドエンド)と私 第77回
確定申告の季節がやってきた。
社会性のない我々に
やらせることではない。
そろそろ確定申告の準備を始めなければいけない。
会社員の皆様におかれましては全く関係ない話なので、そのままココアにマシュマロを浮かべるか、自身が東京湾に浮かんでほしい。
日本は控えめに言ってもフリーランスより会社員の方が優遇されている国である。
確かに隙あらば経費、あわよくば節税、何よりカジュアルに「収入がないから税金も発生しない」という状態になりやがるフリーランスより、毎月社会保険料や税金で給料が2割ぐらい持っていかれても文句一つ言わない会社員の方が可愛いに決まっている。
それは姑のように「フリーランスとフリーターって何が違うのかしら」と嫌味の一つでも言ってやりたい気持ちはわかる。
だが誤解がないように言っておきたいが、フリーランスの仲間はフリーターではなく無職である。
フリーターは多くの場合企業に雇われており、ヘタをすると社会保険や雇用保険に加入しているのでどちらかというと会社員の仲間なのだ。
プレイリードッグがイヌ科ではなくリスなように、名前にフリーが入っているからといって混同するのは侮辱である。もちろんフリーターさんに対してのだ。
しかし我々無職科に属する者たちには、それらの不遇をチャラにする「定時に出社しなくていい」という優遇があった。
しかし、それすらコロナによるリモートワークの普及により無職科だけの特権でなくなってしまったのだから、やはりコロナは最悪のウィルスである。
稲中卓球部で言えば、陰毛が生えていないことだけが欠点だったイケメンの木之下についに生えてしまった瞬間に立ち会ってしまった前野と同じ立場だ。特に顔が似ている。
そんな良いところが何一つなくなった無職科に与えられた罰の一つが「確定申告」である。
会社に属していれば年末調整で済むのでややこしい書類を作成提出する必要はない。