蘇部健一 ◈ 作家のおすすめどんでん返し 08

1話4ページ、2000字で世界が反転するショートストーリーのアンソロジー『超短編! 大どんでん返し』が売れています。執筆陣が、大ヒットを記念して、どんでん返しを楽しめる映画やアニメ、テレビドラマ、実話怪談など、さまざまな作品を紹介してくださいました! ぜひチェックしてみてください。


作家のおすすめどんでん返し 08
これを見ずして、ミステリーを語るなかれ

蘇部健一 

 どんでん返しといえば、やっぱりミステリー。しかも、腰を抜かすほど驚いたやつがいい。となれば、私の場合、まちがいなくこれ! 映画『プラスティック・ナイトメア/仮面の情事』。リチャード・ニーリーの原作は読んでいないけど、視覚的なトリックなので、映画で見たほうがいいと思います。

 この映画のラスト、真相が明かされるシーンで、私は「えーっ!?」と大声をあげてしまいました。知り合いに見せたときも、彼はやはり悲鳴をあげていました。

 簡単にストーリーを紹介すると、主人公のダン・メリックは大会社の社長。ある夜、妻のジュディスと乗った車が、崖下に転落する。妻は車から投げ出され、奇蹟的に無傷だったが、ダンは重傷を負ってしまう。なんとか一命はとりとめたものの、彼はそれまでの記憶をすべて失っていた……。

 その後、ダンは、妻がジャック・スタントンという男と浮気していたことを知る。もしかしたら、妻とスタントンが、遺産目当てにダンを殺そうとしたのかもしれない。

 探偵の調べで、日本にいるはずのスタントンに、出国の記録がないことがわかる。それなら、彼はいまもすぐ近くにいて、妻とふたりで、ダンをもう一度殺そうとしているのか。忍び寄る恐怖に、過去の記憶を持たないダンは、はたしてどう立ち向かうのか……。

 どうです? おもしろそうでしょう。

 でも、このあとラストには、心臓が止まるほどのとんでもない真相が待ち受けています。

 いちおうミステリー作家である私は、いくつかの作品で、まちがいなくこの映画の影響を受けています。

 主演のトム・ベレンジャーはめちゃめちゃかっこいいし、妻役のグレタ・スカッキは死ぬほど綺麗。

 せっかく生まれてきたんだから、この作品を見ないなんて、ぜったいにもったいない!!

 


蘇部健一(そぶ・けんいち)
1961年東京生まれ。早稲田大学教育学部英語英文学科卒業。97年『六枚のとんかつ』で第3回メフィスト賞を受賞しデビュー。ユーモラスな作風で〝バカミス〟というジャンルを誕生させた。著書に『木乃伊男』『届かぬ想い』『赤い糸』『まだ恋ははじまらない…』『運命しか信じない!』『あなたをずっと、さがしてた』などがある。

超短編!大どんでん返し

『超短編! 大どんでん返し』
編/小学館文庫編集部

◎編集者コラム◎ 『左京区桃栗坂上ル』瀧羽麻子
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