HKT48田島芽瑠の「読メル幸せ」第36回
第36回
4月になりました?
桜が散り、新年度が始まり、あっという間に夏が来る。今年の春はなんだかすごくあっという間に感じました。皆さんにとってはどんな春でしたか?
4月になるといつも初めに思うのは、エイプリルフールで面白い嘘をつける人になりたかったな、ってことです。
これって結構難しくないですか?
嘘をつくっていうのがそもそも悪のイメージ強いのに、それを良いイメージにかつ面白くするって相当センスがないと無理じゃないですか!なのに毎回面白い人は面白いし、あぁこういうのが上手にできる人になりたなかったなって思うんです? 今年も、31日に必死に考えてみたけど面白いものが浮かばず結局諦めました?♀️
嘘にも種類があって、一概に悪いものとは言えないですよね。
ではそんな〝嘘〟が見破れる能力が自分にあったらどうしますか?
浅倉秋成さん作『教室が、ひとりになるまで』。
全員が仲のいい最高のクラスで起きた生徒の連続自殺。わざわざ学校で自殺した理由とは?
「自殺なんかじゃない。みんなあいつに殺されたの」
幼馴染の美月の言葉を信じていなかった主人公〝垣内友弘〟の元に1通の手紙が届く。
「この度、本能力の三十三代目の受け取り人にあなたが選ばれましたのでこの手紙を認めた次第です」
学校で代々受け継がれている能力を受け取った主人公。ここから謎解きが始まります!
いやーこれは面白い。ミステリのハラハラ感、謎解きも楽しめるし、ファンタジー要素もあれば、生々しさもあって共感できる部分も多く、一気読みしました。
今思えばちっぽけな世界だけど、あの頃は学校が全てでそこで生きてるんだよね。同じ年月生きてる者同士なのに何故かできる見えないカースト。自分の立ち位置を確認して発言したり、居場所を求めて頑張ったり…。一歩間違えたら取り返しのつかない事態になるから、常に気を張ってる。学校に限らず、見えない何かに縛られ息苦しさを感じた事のある全ての人に読んで欲しいと思った作品です。
どんなに頑張ってもどうせ一人になるんだったら、最初から一人でいればいい。一人なんじゃなくて好きだから一人になってるんだと言い聞かせて、本当は寂しいのにそう思ったら負けな気がしてずっと強がってる。そういう時期が私にもあったから、共感できたし、最後の美月の言葉にはジーンときました。きっとあの頃にこの作品に出合ってたらまた一つ考え方も変わってたかもしれないな。
新時代のミステリだという声も多いこの作品。
確かに普通のミステリではなかった。学園ミステリだと思って手に取ったら、驚きますよ。皆さんも是非体験してみてください!
犯人がわかってもそこからの展開も楽しめる!読み出したら止まらない一冊なので集中して読める時にグワっと一冊読んじゃうのをオススメします!
良い本の旅を。田島芽瑠でした。
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