湯浅政明監督最新作、映画「きみと、波にのれたら」がついに公開! 片寄涼太さんに小説丸が単独インタビュー!
Netflixで配信中の『DEVILMAN crybaby』(18年)やアヌシー国際アニメーション映画祭でグランプリにあたるクリスタル賞を受賞した『夜明け告げるルーのうた』(17年)などを手掛けた湯浅政明監督は、アニメーション界のトップランナーとして知られている。そんな湯浅監督のオリジナル新作『きみと、波にのれたら』で声優に初挑戦しているのが、人気ダンス&ボーカルグループ「GENERATIONS from EXILE TRIBE」のボーカリスト・片寄涼太さんだ。片寄さんに本作の見どころやアフレコ時のエピソードを語ってもらった。
──完成した『きみと、波にのれたら』をご覧になって、いかがでしたか?
アフレコのときは、まだ絵が完成していませんでしたし、シーンごとに声をあてていたので、初号試写を観たときは「こんな素晴らしい映画に参加できたんだ」という嬉しさと感動がありました。
見どころはいっぱいあるんですが、僕が好きなのは料理シーンです。オムレツを作るシーンが何度かあって、すっごく美味しそうなんです(笑)。実写映画でも、食べ物が美味しそうに撮られている映画は良い映画だといわれていますが、アニメーションでも同じなんだなぁと実感しました。
──映画の中ではサーフィンに挑戦しています。
サーフィンには興味があって、機会があればやってみたいと思っているんですが、実際にはまだやれていないんです。自分ができないことを体験できるのも、こういうお仕事ならではの面白さですね。
──片寄さんは実写映画『兄に愛されすぎて困ってます』(17年)やテレビドラマ『3年A組 –今から皆さんは、人質です-』(19年、日本テレビ系)などで俳優として出演されていますが、俳優と声優の違いをどう感じましたか?
今回初めてアフレコをさせていただいたのですが、声の使い方が全然違いました。お芝居するときとも、歌を歌うときとも違うんです。アフレコは自分の声をしっかり持っていないとダメで。お芝居だとボソボソしゃべることも表現のひとつになるけど、声だけだとそれが成立しないんだなと分かりました。自分の声にちゃんと芯があって、ある程度のボリュームがないと、感情の起伏や声のグラデーションを表現できないんだなぁと、勉強になりましたね。
努力して成長することが役づくり
──主人公である港のキャラクターをつかんだきっかけはありました?
アフレコに1週間の時間をいただいていたので、徐々に慣れていきました。
きっかけは……、そうですね、港は消防士で、普段は消火訓練などハードに過ごしているんですが、オフの日にひな子とドライブに出掛け、その帰りにコーヒーの美味しいカフェに寄るんです。そういった港のリラックスしたシーンから、僕もすんなりと役に入っていけた気がします。
──港というキャラクターの印象はどうでしたか。
港は何でもできちゃう、かっこいい男です。でも、最初から何でもできたわけじゃない。努力すれば何でも叶うんだという信念を持って、何事もすごく努力しているんです。僕も慣れるまでは時間のかかるタイプなので、港のそういうところはすごくかっこいいなと思いました。
港の面白いところは、普通にカフェでご飯を食べているときに、ひな子に向かって「僕はひな子のことを絶対守るよ」なんて急に言い出すところ。「あっ、そういうこと言っちゃうんだぁ」と思いました(笑)。でも、アフレコでは意外と違和感なく、その台詞が出てきましたね。
──ひな子をずっと見守り続ける、究極の王子さまキャラでもありますよね。
そこはあまり意識しませんでした。それよりは港の人柄だとか仕事への向き合い方について考える時間のほうが長かったように思います。確かに港はみんなから憧れられるキャラクターだとは思いますが、港も、港以外の人物もみんなが努力して成長していくドラマでもある。その成長ぶりが、映画を観るお客さんたちの背中を優しく押す作品になっていると思います。僕自身もアフレコに真剣に取り組めば、それがそのまま港らしさに繋がるだろうと思って頑張りました。
- 1
- 2