コスメの王様

「推してけ! 推してけ!」第17回 ◆『コスメの王様』(高殿 円・著)
評者=中江有里(俳優・作家) 二匹の「子狸」が大化けした物語 コスメティックスの語源はコスモス=宇宙であると著名な画家から聞いたことがある。人間はこの地球上で自分たちが異質の存在であると知り、化粧(コスメ)をすることで宇宙との同化を試みたという。日常的な化粧を壮大な宇宙と絡めて考えることはないが、化粧は単に身だしなみと
高殿 円『コスメの王様』
故郷・神戸を舞台にした、華やかな物語を書きたかった 故郷の神戸をがっつり舞台にした、華やかな物語を書きたいとずっと思っていた。前作『グランドシャトー』では、おかげさまで大阪のいいところをぎゅぎゅっと濃縮して書き切れたことにとても満足したし、夜の街というデリケートな題材ではあったので地名や地域をそのまま書くことに難しさは