井戸川射子

作家を作った言葉〔第10回〕井戸川射子
 文章を書くのは嫌いだった。読書感想文はあらすじと、気に入った部分を書き終えたら、あとの空白をどう埋めればいいか分からなかった。学校から次々と出される、講演会や何かの感想の用紙は提出期限に遅れないよう、悪目立ちしないよう、意見を薄めた目に優しい単語でマスを埋めるものだった。基礎だと思うものを守った。正しい文章を書く練習