桐野夏生

 小学生のとき、クラス全員が朝食になにを食べてきたのか順番に言わされたことがあった。模範的な朝食のメニューが次々と披露されるなかで、決して裕福な家庭で育ったわけではない私は自分が食べたものを正直に答えられずに前の席の子とまったく同じ味噌汁と魚というメニューを答えた。