石田衣良
思い出の味というと圧倒的に安価なたべものが勝利するのは、なぜだろう。一人前五万円もする鉄板焼きとか、冬のふぐ尽くしのコースとか、その手のご馳走はまず頭に浮かんでこない。まして、海外でたべたごにょごにょと長い名前のなんとか風のひと皿なんて、記憶のかなたに消えてしまっている。
シリーズ開始から20周年を迎えてなお、圧倒的な人気を誇る『池袋ウエストゲートパーク』。不確かな現代社会の闇を描きだす、作者の視点に迫ります。【ポスト・ブック・レビュー 著者に訊け!】
デビュー作にして
『池袋ウエストゲートパーク』など爆発的な人気作品で有名な石田衣良。若者たちの生きる姿を描いた作品が多く、小説の中で若者独特の複雑な心情や葛藤が巧みに表現されています。女性が書いているのかと思ったという