鴻巣友季子
評者=鴻巣友季子(翻訳家・文芸評論家) 日本、シンガポール、中国、タイ、香港、チベット、ヴェトナム、台湾、韓国からの九人の作家による豪華なコラボレーションだ。本来、「アンソロジー」というのは、すでに出版された短編を選んできて(そう、anthologyとは語源的にはギリシャ語で「花を摘む」という意味だ)、いい具合に活ける
一九三六年の刊行以来、世界中で読み継がれているM・ミッチェル『風と共に去りぬ』(以下GWTW)。四年前に新訳を発表し新たな命を吹き込んだ鴻巣友季子さんは、翻訳に取り組む前後でこれだけ印象が変わった作