◎編集者コラム◎ 『付添い屋・六平太 猫又の巻 祟られ女』金子成人
◎編集者コラム◎
『付添い屋・六平太 猫又の巻 祟られ女』金子成人
累計40万部を突破した金子成人さんの大人気シリーズ、「付添い屋・六平太」の第14弾が発売となりました!
今作は14巻目にして初めての夜空が背景!星雲輝く夜空に男女の着物が映えて素敵ですね~!
カバーの打ち合せは毎回『六三四の剣』や『JIN-仁』で知られる漫画家・村上もとか先生のお宅で行うのですが、原稿と見合わせ、実際にどういう色味でどういう柄なのかを確認していきます。
今回のカバーに登場した女性はというと、原稿には「鴇羽(ときは)色に紺で描かれた亀蔵小紋(かめぞうこもん)」とあり。トキハイロ……?カメゾウコモン……?みなさんこれだけでどんな着物か想像できますか?
資料を使って色味も柄もこれか!と分かると「ハイカラですな~」と村上先生と思わず声が漏れましたのを覚えています。
「亀蔵小紋」とはグルグルとした渦巻き模様のことをいうのですが、村上先生いわく、描きすぎると気持ち悪くなるし、この塩梅がとても難しかったとか。因みに鴇羽色とはトキの風切羽や尾羽のオレンジがかったピンク色のこと。ストーリーの他に、こんな部分に注目するのもひとつのお楽しみポイントかもしれません。
さてさて今作の内容はというと、森掛藩下屋敷に存在する立身流『練志館』と一刀流『興武館』、この二つの剣術流派が重要な鍵となります。
同じ藩内にありながら互いに競ったり張り合ったりすることのなかった二つの道場が初の立ち会いをすることに。この気まずい状況の中、審判を任されたのが主人公・秋月六平太なのです。立ち合いは『練志館』の田中祥吾郎が勝利するが、『興武館』の苛立ちを感じた六平太はなんだか嫌な胸騒ぎを覚えます。
六平太の付添い屋の仕事はというと、相変わらず面倒事が次々と舞い込み慌ただしい日々。生涯嫁に行かないと誓う娘たちの集いに振り回されるは、口入れ屋『もみじ庵』に新しく雇われた男を見習いとして付添いに同行させるが、お客の娘たちから嫌われてしまい手を焼くはで毎日慌ただしい。そんな六平太に、先の立ち会いで勝利した祥吾郎の惨殺死体が発見されたと報せが入る。
第一章のタイトル「剣友」は作品のタイトルこそならずとも、今作の大きなテーマ。友の無念を晴らすために、懸命に真相を探ろうとする六平太の姿に胸が打たれます。
剣術を懸けた男たちの戦いに息をのみ、ラストシーンであたなもきっと六平太に惚れてしまうはず!ぜひ書店で手に取ってみてください。
──『付添い屋・六平太 猫又の巻 祟られ女』担当者より