◎編集者コラム◎ 『風の値段』堂場瞬一
◎編集者コラム◎
『風の値段』堂場瞬一

日本国内では行政機関や民間企業における情報漏洩が多発しており、2024年度の個人情報漏洩、紛失事故は過去最多の2万1007件に達しています。
今年1月に、海外通商代表部の元職員が、日本の工作機械メーカーの社員から企業秘密情報を不正に入手した事件は大きく報道されました。
警察小説の雄である堂場瞬一が描く『風の値段』はまさに、そんな緊迫した国際状況の中、あまりにリアルな情報漏洩危機をテーマにした作品です。
世界が注目する風力発電の機密情報が流出し、そして女性研究者の死亡事件が発覚します。事件の裏に見え隠れするのは国際企業の影……。
風力発電の最新データが密かにライバル社に流出していた事件を追う新橋署生活安全課の刑事・天木淳。内偵捜査を始めると、国内どころか海外への技術流出が目前であることが判明。そして捜査線上に浮かんできたのは大学時代の友人。
刑事と被疑者。実は二人は同じ大学で学んだ過去がありました。
そんな共に学んだ二人が取調室で対峙することになります。
本当にあいつは、機密情報を持ち出したのだろうか? そうだとして、良心の咎めを感じていないのか? それほど図太い人間になってしまったのだろうか……そんな男を、俺はちゃんと調べられるのか?
(本文より)
卒業から十八年。交わるはずのなかった二人の人生が結びつき、そして崩壊のドラマが始まります。
いまの日本の情報漏洩危機を予言するように描かれた傑作警察小説です。
時代性満載、緊迫感溢れる今作品をぜひご一読ください。
──『風の値段』担当者より






