◎編集者コラム◎ 『刑事特捜隊「お客さま」相談係 伊達政鷹』鳴神響一
◎編集者コラム◎
『刑事特捜隊「お客さま」相談係 伊達政鷹』鳴神響一
シリーズ累計17万部を突破した「脳科学捜査官 真田夏希」の人気作家、鳴神響一先生による警察小説の最新作が本書『刑事特捜隊「お客さま」相談係 伊達政鷹』です。
一口に警察小説とは言っても、これがなかなか、一味も二味も違います。
なにしろ、主人公のエース刑事・伊達政鷹がいきなり左遷、「苦情処理係」に配属されるところから物語が始まるのですから。
きっと、「なんで、『苦情処理係』が捜査に加われるの?」と思ってしまうでしょうけれど、それができてしまうのです。特四ならば。
特四とは、「あっちの特四」と掃き溜め扱いされ、「県警お客さま相談室」と皮肉をもって呼ばれる、神奈川県警刑事特捜隊第四班のこと。
なんともひどい言われようですが、特四が捜査が必要と判断した事案は、独自に捜査できるというフレキシブルさを備えている、考えようによっては非常にやりがいのある部署なのです。
そんな一風変わった部署に有能な主人公が配属させられてしまうなんて、これは面白くならないわけがありません。
ご想像通り、主人公が八面六臂の活躍をする前に、多くの艱難辛苦が襲いかかってきます。
異動初日、着任の挨拶を後回しにされ、業務内容すら教えてもらえないうちに、苦情申立人=クレーマーを押し付けられてしまいます。
訳も分からずうろたえている政鷹に、たらい回しにされた挙句、特四に追い払われた初老のクレーマーが、「うちの娘が自殺なんてするはずないんだっ」と喚き散らします。
なんでも、娘が八ヶ月ほど前、箱根の芦ノ湖に浮いた亡骸となって見つかったというのです――。
でも、自殺ではない決定的な証拠があるのでしょうか?
さすが捜査一課のエースだっただけあって、すぐに冷静さを取り戻した政鷹は、神保の話を聞き取るうちに何か違和感を覚えます。
さて、その違和感とは一体何なのでしょう?
ぜひ手に取ってみて、確かめてみてください。
一癖も二癖もある刑事五人が登場、力を合わせて真相を究明する本作をお楽しみいただけたら、とても嬉しく思います。
──『刑事特捜隊「お客さま」相談係 伊達政鷹』担当者より