ハクマン 部屋と締切(デッドエンド)と私 第67回
影響が少ない職種だ。
いつも通り売れないだけである
ようやくコロナウィルスのワクチンの予約が出来た。
ネット予約争奪戦に挑んでは惨敗してきたが、一足早く予約が取れ、打ちに行った家人から「今予約受付しているらしい」という情報があり、本当にそれで難なく予約できた。
「ググれば一発」とはよく言うが、過疎地のリアルタイム情報が逐一検索で出てくるはずがない。
ちなみに我が村の集団接種会場はイオソである。
前々から我が村民は生殺与奪をイオソに握られている、と言ってきたが、ついに例えでも何でもなくなってしまった。
他にも、ネットの予約はいっぱいでも、リアル知人や実家から「この病院の窓口に行けば予約できる」など「あの路地裏に腕を入れれば5000円で打ってくれる」と同じノリで現地情報が送られてくることもあった。
このように、ネットで調べれば何でもわかるように見えて、実際はリアルネットワークの情報の方が早くて正確ということは未だに多い。
むしろ何としてでもネットで調べようとした結果、道中で「ワクチンを打つと5Gに接続され『とある組織』に個人情報を抜かれ、組織の手先として遠隔操作されてしまう」という情報にぶち当たり、ワクチン接種自体を断念してしまう場合もある。
情弱でも死ぬが、情報を集めすぎても死ぬという厳しすぎる世の中なのだ。
ともかくワクチンの予約は出来たわけだが、私がそんなに急いで打つ必要があるのか、と言われたら確かにあまりない。
私だけではなく、漫画家はいろんな意味でコロナの影響が比較的少なかった職種と言われている。
外に出ないで出来る仕事なのはもちろん、デジタル作画ならアシスタントも在宅で使うことができる。
本も確かに紙の本は売れなくなったがその分電子が好調で、むしろ出版社はコロナで売上が上がったという話もある。
少なくとも「コロナが原因で売れなかった」ということはなく「いつも通り売れなかった」というだけである。