◎編集者コラム◎ 『八丁堀強妻物語』岡本さとる

◎編集者コラム◎

『八丁堀強妻物語』岡本さとる


八丁堀イラスト

八丁堀強妻物語』の編集者コラムをご覧いただき、ありがとうございます。本作の編集業務を担当させていただきました、A田と申します。
 さてさて突然ですが皆様、時代小説はお好きですか?
 こうして時代小説の担当をしている私ですが、実は今の部署にくるまでは、あまり時代小説を読んだことがありませんでした。
 ですが、縁あって小学館時代小説文庫を担当することとなり、当初は「ほとんど読んだことがないジャンルの作品を担当することができるのか……」と不安にもなったのですが、その不安を一掃してくださったのが、この『八丁堀強妻物語』をご執筆された岡本さとる先生の作品の数々でした!

 岡本先生といえば、武家と町人のいざこざを知恵と腕力で見事解決する「取次屋栄三」シリーズ、口は悪いが情には熱い、居酒屋の女将による勧善懲悪物語「居酒屋お夏」シリーズなどを書かれた、大人気作家さんです。
 この岡本先生の作品の数々が、どれもこれも涙あり笑いあり、心躍るものばかりで、「面白いかどうかにジャンルの差なんてない。面白いものは面白いんだ!」ということを教えてくださり、新しい仕事に挑戦する勇気をいただきました。

 そうなると「岡本先生と一緒に仕事がしたい!」と思うのが編集者というもので、すぐに岡本先生にご執筆のお願いをさせていただきました。
 岡本先生はテレビドラマの脚本家としても活躍されていて、打合せではドラマや映画などの話が多く話題にのぼりました。
 その中でも特に『ドラゴン・タトゥーの女』や『キル・ビル』などの戦う女性たちを描いた映画の話が盛り上がり、そうしてご提案をいただいたのが本作『八丁堀強妻物語』でした。

 物語の主人公は、将軍家御用達の扇店・善喜堂の娘である千秋。千秋は方々の大店から「是非うちの嫁に……」と声がかかるほどの人気者。ただ、どんな良縁が持ち込まれても、どこか物足りなさを感じ、首を縦には振りません。
 そんなある日、千秋は八丁堀同心である芦川柳之助と出会い、その凛々しさに一目惚れ。
 こうして心の底から恋うる相手にようやく出会えた千秋でしたが、彼女には柳之助に絶対に言えない、ある秘密があって……。
 はたして、千秋の秘密とは何なのか。「強妻」の意味とは何なのか、その答えは……ぜひ、物語を読んでたしかめていただければ幸いです!
 以上、『八丁堀強妻物語』の編集者コラムでした!

──『八丁堀強妻物語』担当者より

八丁堀強妻物語

『八丁堀強妻物語』
岡本さとる

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