【難問編】「ウミガメのスープ」問題集 あなたはこの不可解な謎を解ける?
一見、不可解に思える状況の真相を、質問を重ねることで解き明かしていくクイズゲーム「ウミガメのスープ」。今回はその中でも、解答にたどり着くまでに柔軟な思考力と発想力が試される難問を5問集めました。
ポール・スローンとデス・マクヘールによる本『ポール・スローンのウミガメのスープ』が人気の火付け役となり、日本でも近年じわじわと注目を集めている水平思考推理ゲーム・ウミガメのスープ。
このゲームは、一見不可解にも思える状況の理由や解説を問うクイズが出題され、出題者が「YES」「NO」「関係ありません」のいずれかで答えられる質問を、回答者が何回も重ねていくことで真相を導き出すというものです。
(「ウミガメのスープ」を初めて解く方はこちらから:【水平思考クイズ】「ウミガメのスープ」あなたはこの謎を解ける?)
2人以上集まれば、いつでもどこでも楽しむことができるクイズ「ウミガメのスープ」。今回は、「簡単な問題ではもう物足りない!」というウミガメ好きの方に向けて、解答にたどり着くまでに状況の補足や発想の転換が必要となる難問だけを5問用意しました。質問と回答の例も複数用意したので、ひとりで解く際には参考にしてみてください。
【第1問】不思議な旅行(難易度:★★★☆☆)
【問題】
ある男がアイルランドのダブリンからコークまで、街道に沿って歩いていたが、パブの前を1軒も通り過ぎなかった。アイルランドでは、パブは非常に多く見られるものだ。ではなぜ、彼の身にこのようなことが起きたのだろう?
回答1:NO
質問2:なんらかの理由でパブは休業、あるいは閉業していましたか?
回答2:NO。どのパブも通常通りに営業していました。
質問3:男は、パブがあることに気づいていませんか?
回答3:NO。男はちゃんと、パブが至るところにあることを認識しています。
【第2問】移動の多い仕事(難易度:★★★☆☆)
【問題】
バーサの仕事は、毎日、距離にして50キロ前後の移動をともなう。しかし、車や電車などは使わない。また、天候や交通渋滞などは仕事に影響しない。一体どんな職業だろうか?
回答1:NO
質問2:では、徒歩で移動していますか?
回答2:NO
質問3:その職業に就いている人は、現代日本にも多いですか?
回答3:YES/NO。近年では、その職業の人がいる場所は限られています。
質問4:バーサの性別は関係ありますか?
回答4:YES、ある時代までは関係ありました!
【第3問】救命演説(難易度:★★★★☆)
【問題】
ある政治家は、自分の演説のおかげで命拾いした。しかも、演説をおこなう以前に。一体どういうことだろう?
回答1:YES
質問2:その理由はなんらかの病気ですか?
回答2:NO
質問3:政治家は、暗殺されかけていましたか?
回答3:YES! いい質問です。
質問4:演説で話す予定だった内容が、政治家を身の危険から守ってくれましたか?
回答4:部分的にYES。「内容」そのものではありませんでした。
【第4問】7年目のぜいたく(難易度:★★★☆☆)
【問題】
ある女性が菜園の土を耕していると、現金や宝石がぎっしり詰まった箱が出てきた。女性は7年ものあいだ、その金に手をつけず、宝箱のことを誰にも話さなかった。しかし7年が過ぎたとき、彼女は突然、新しい車や家、毛皮のコートなどを買い始めた。きっかけは何?
回答1:NO
質問2:その宝箱は、女性自身が埋めたものでしたか?
回答2:NO。ほかの人間によって埋められたものでしたが、それが誰かは解答とは関係ありません。
質問3:女性は、本当はすぐに金を使いたかったにもかかわらず、それができない状況でしたか?
回答3:YES! いい質問です。
質問4:女性は、刑務所に入っていましたか?
回答4:NO
【第5問】無言の採用試験(難易度:★★★★★)
【問題】
ある会社の採用面接を受けた男。にぎやかなオフィスに到着すると、受付係から、書類に記入した上で呼び出しを待つように言われた。男は記入を済ませ、先に到着していた4人の受験者と一緒に待った。
数分後、男は立ち上がって奥のオフィスに入ると、採用を告げられた。男より先に来ていた受験者4人が人事担当者に詰め寄ると、担当者はなぜ男だけが選ばれたかを説明した。それはどんな理由だっただろうか?
回答1:NO
質問2:男は、正当な理由があって採用されましたか?
回答2:YES! 男だけが、その会社の採用のための審査基準を満たしていました。
質問3:記入した書類の内容は、採用の合否に関係していますか?
回答3:NO。その書類は、単なる事務的な手続きのためのものでした。
質問4:ほかの4人の受験者は気づかず、男だけが気づいたことがありましたか?
回答4:YES! とてもいい質問です。
おわりに
「ウミガメのスープ」難問編、みなさんは自分の力で真実にたどり着くことができましたか? 「無言の採用試験」のように、歴史や職業についての知識が必要になるものは、特に難解だったかもしれません。
2人以上で解く場合、回答に苦戦してしまったら、まずは手当たりしだいに質問を重ねてみることがこのゲームのミソ。回答者が答えの根幹に近づいてきたと感じたら、出題者は積極的に「いい質問です!」とアシストしてあげると、より白熱するでしょう。移動時間や仕事の休憩時間などに、今回ご紹介した問題を気軽に出し合い、コミュニケーションを楽しんでみてください!
初出:P+D MAGAZINE(2022/02/10)