◎編集者コラム◎『BANANA FISH #1』小笠原みく 原作/吉田秋生 脚本/瀬古浩司 監修/Project BANANA FISH

 ◎編集者コラム◎

『BANANA FISH #1』小笠原みく 原作/吉田秋生 脚本/瀬古浩司 監修/Project BANANA FISH


BANANA FISH

 本作は、ノイタミナで放送中人気アニメ「BANANA FISH」の完全ノベライズです!

 帯にも大きく「完全」の文字が。ここまで言い切る理由はズバリ、全てのシナリオを忠実に小説で再現しているからです。

 ショートカットなどは一切ナシ。アニメを先に見てから読むと、頭の中に映像が浮かびます。また、先に読んでからアニメを見れば、ストーリーの複雑な部分が文字で頭に入ってきて、より楽しめるという仕組みです。

 1巻には第1話から第8話までを収録しており、以降8話ずつ、全3巻(予定)でアニメを完全網羅できるという優れモノ。11月発売の第1巻に続き、現在は1月刊として第2巻を鋭意制作中です。

 初めて見る人には新鮮でセンセーショナル、そして吉田秋生先生の原作コミックファンも放送を見て嬉しくも懐かしい気持ちになっている……ともっぱらの噂のアニメ版ですが、実はこの文庫の担当編集も、いわゆる「原作派」のひとり。ですから、キャラクターへの愛は尋常ではありません。アッシュはしなやかに強く美しく、英二は癒し系ケナゲな日本男子でなければらない。ショーターは飄々とした頼れる兄さんだし、マックスと伊部さんは可愛らしくも憎めないおっちゃんコンビであるべきです。ゴルツィネやオーサー、月龍の、アッシュへの(それぞれ違う意味での)なみなみならぬ執着心には、魂が震えてしまいます。

 そんな「自称・こだわりの強い原作ファン」も納得のアニメ版は、原作で忠実でありながら、要所要所でニューカマー(新参のお客さん)を拒まない仕掛けが張り巡らされています。たとえば原作では80年代アメリカを舞台としているのですが、アニメでは時代設定を現代にスライドさせいたり。それに伴って物語の発端となるベトナム戦争はイラク戦争となり、登場人物はごく自然にスマホなどの携帯端末を使用しているのです。

 そんなアニメ版をぎゅっと濃縮した文庫版は、コンパクトなページ数で各話をぐいぐい読ませていくスタイルですので、たった1冊に内容が詰まりまくっています。

 手軽に、かつ詳細まで正確に「BANANA FISH」の物語を理解するためには、ぜひこの文庫版『BANANA FISH』をお手元に置いてくださいね。

 このあざやかなカバー──原作コミックスでも、アニメ公式サイトでもおなじみの色合わせ、バナナイエローにブラックの文字が目印です!

──『BANANA FISH #1』担当者より

syoei

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