◎編集者コラム◎

『付添い屋・六平太 妖狐の巻 願掛け女』金子成人


赤字入り原稿
著者赤字入り原稿。書き直しを重ね仕上げていきました。


「付添い屋・六平太」シリーズ第13巻が刊行されました!

 本作の担当となった時まず思ったのが〝付添い屋〟って? でした。

〝付添い屋〟とは、江戸時代、裕福な商家の娘が花見や、芝居見物に行く際に案内や警護をする侍の事。現代でいうならボディーガードの事ですが、江戸時代にもそのような仕事があったのかと関心したのを覚えています。

 

 主人公である秋月六平太は藩の権力抗争に巻き込まれ、お役御免となり浪人として付添い屋稼業を始めるわけですが、この男がトラブルメーカーと言わんばかりに面倒事に頭を突っ込み、行く先々で問題が勃発するのです。

 今作ではまったく心当たりのない男に寝床を襲われ、嫁に行かないと集う娘達をあしらい、湯屋での見張り番を頼まれるも居眠りをしてまんまと盗人を逃がし、しまいには盗賊団に身内を狙われてしまう……。

 著者の金子成人は、『鬼平犯科帳』や『水戸黄門』など数々の脚本を手掛け、1997年、第16回向田邦子賞を受賞したお方。ガチガチに緊張しながら新宿の喫茶店「らんぶる」で初めてお会いすると、金子さんは物腰柔らかく、ニコニコと成瀬巳喜男に弟子入りしにいった時の話や、取材先での出来事など色々お話して下さいました。六平太のちょっぴりダメだけど愛されるキャラクターが生まれたのも、金子さんのお人柄に触れるとすごく納得してしまいます。

 そして今作の装画も1作目から引き続き、漫画家の村上もとか先生に描いて頂きました。村上先生のご自宅にて装画の打ち合わせをしたのですが、こちらのイメージを伝えるとスルスルと鉛筆を滑らせ「こういう感じでしょうか?」とあっという間にラフを仕上げてくださり、その速さに胸中感嘆しっぱなしでした。

 実は、当初サブタイトルでもある〝願掛け女〟をカバーに登場させようと検討していたのですが、なかなかピッタリな〝願掛け女〟が浮かばず、頭をうんうん唸らせました。「願掛け、願掛け」と唱えながら考えつつも、ここはこれまでの巻に描かれてこなかった男女のペアはどうでしょうとこれまでの案を一掃し、今回の装画に至ったのです。

 今回カバー登場するはずだった、〝願掛け女〟は一体誰だったのか? カバーに描かれた男女は誰か? そして何より六平太を狙う敵、盗賊団の正体とは!?

 驚きの展開に手に汗握りながら読むこと間違いなし!!

 ぜひお手に取って頂けたら嬉しいです。

──『付添い屋・六平太 妖狐の巻 願掛け女』担当者より

 

『付添い屋・六平太 妖狐の巻 願掛け女』