◎編集者コラム◎ 『料理道具屋にようこそ』上野 歩

◎編集者コラム◎

『料理道具屋にようこそ』上野 歩


料理道具屋にようこそ色校

 料理に苦手意識がある私も一時期は自炊をしており、よく作っていたのがポトフです。野菜を切ってコンソメ入れて煮込むだけ。簡単に美味しく作れるポトフは私の救世主でしたが、野菜を切るときに引っかかりが結構あったので、怪我をしないか少し不安でした。セラミック包丁だから、切れ味が良くないのか……それとも、単に私の切り方が悪いだけ? 料理が好きな人は、包丁だけで何種類も持っていると聞くしなぁ……とぼんやり思いましたが、未だ包丁を買い換えてはいません……。どのような包丁が合うのかわからず、決めかねているからです。

 本書『料理道具屋にようこそ』に出てくる「タクミ屋」は、私のような料理がそんなに得意ではない人にこそ、必要な道具屋さんかもしれません。
 主人公は、WEBデザインの仕事が上手くいかず、実家の道具店「タクミ屋」に逃げ帰ってきた女性・ミチカ。売り上げが厳しい実家をなんとか立て直そうと奮闘します。はじめは上手くいかないこともある彼女ですが、諦めない心と、料理道具を買いに来てくれるお客さんに寄り添う姿勢が、様々な縁をつないでいきます。

 できる限りお客さんの要望をしっかり聞いて、一緒に考える──。商いをする人にとって、理想的な、でも現実には結構難しいことを、ミチカはやろうとしています。ミチカの努力は、どう実を結ぶのか……? ぜひ、本書でご確認ください!

 そして今回、オビコメントを料理家の和田明日香さんに、解説を飯田結太さんにご寄稿いただくことができました! 著者の上野さんも感動した、とても素敵なコメントと解説です。そちらも併せて、ぜひお楽しみください。

──『料理道具屋にようこそ』担当者より

料理道具屋にようこそ

『料理道具屋にようこそ』
上野 歩

葉真中 顕さん『ロング・アフタヌーン』
◇長編小説◇里見 蘭「漂白」連載第186回