◎編集者コラム◎ 『タスキメシ 五輪』額賀澪
◎編集者コラム◎
『タスキメシ 五輪』額賀澪

一冊目の『タスキメシ』単行本刊行から早10年。
駅伝小説として定着してきた、額賀澪さんの『タスキメシ』シリーズ第三弾が待望の文庫化となった。
この『タスキメシ』シリーズ、実際に駅伝や陸上に携わっている方々からすこぶる評判が良い。
『タスキメシ』文庫化で巻末解説を書いてくださった、箱根駅伝2代目山の神・柏原竜二さんから真顔で「この作家の方は、箱根駅伝の選手だったんですか」と訊ねられたことは忘れられない。
そのくらい、競技シーン、選手の想い、家族の心情、風景描写・・・・・・様々なものがリアルに描写されていて本当に引き込まれる、とのこと。
今回、本作品『タスキメシ五輪』の巻末解説原稿で登場してくださった、箱根駅伝初代山の神・今井正人さんからも「共感だらけで、思わず泣いてしまった」とのご感想をいただいた。そして、ご自身のリアルな体験とその時々の想いを丁寧に語ってくださった。この解説原稿も、まさに必読の一冊となった。
『タスキメシ五輪』は、競技者だけではなく、競技者の行く末もつぶさに描いた作品。そもそも、子どもの頃~学生時代、ずっと陸上に打ちこんできた者達は、その後、どのように生きていくのだろう。そのいくつかの選択を温かく、そしてリアルに描いている。
誰しもが、好きだからと言ってその競技だけを続けていけるわけではない。でも人生は、まだまだ続く。そして、人生は長距離競走よりもずっと長く、時にはずっと過酷だったりもする。
この小説は、スポーツ小説、青春小説であると同時に、とてもリアルな仕事小説でもある。
読む人それぞれの人生に寄り添い、「明日も頑張ろう!」という元気を与えてもらえる一冊。
心に活力が必要なときに、是非読んでいただきたい作品です。
どうぞよろしくお願い致します‼︎‼︎
──『タスキメシ 五輪』担当者より