ハクマン 部屋と締切(デッドエンド)と私 第21回
とはいえ、「10年間ツイッターをやっていた」
と言った方が正しいかもしれない。
実際この10年間「ツイッターで言ってみるもんだな」という仕事が結構あった。
しゃらくさい言い方をすれば「小5男子が好き」と発信し続けることで「小5男子の人」という、自己プロデュースができるのである。
よって「ツイッターやる暇があったら原稿描いてください」などという編集者は、立派な営業妨害である。
この「ケータきゅんprprprprpr」というつぶやきが、明日への仕事につながるのだ。
こちとら生活がかかっているのである。邪魔しないで欲しい。
それに、何も言わなかったら言わなかったで「ツイッターで宣伝してください」と言い出すではないか、それはお前らがやれ。
ツイッターのようなSNSは最も金がかからない宣伝ツールなので「○○公式ツイッター」のように、担当編集が作品アカウントを作ることも珍しくない。
しかし「金がかからない」「手軽に作れる」ことで何が起こるかというと「作るだけ作って全然つぶやかないアカウント」が爆誕してしまったりするのだ。
確かに、担当編集がやたら前に出ようとするのも嫌がられたりする。
しかし自分の作品アカウントが完全に沈黙の艦隊と化しているのを見るのもなかなか忍びないのだ。
また作品アカウントというのは「連載終了した時困る」というのがある。
連載終了したからアカウント消します、というちゃんと始末をつけてくれる奴は稀で、大体「放置」を決め込まれている。
もしかしたら作ったことすら忘れているのかもしれない。
よって、売れていて、つぶやくような情報がたくさんある作品の公式アカウント以外は大体「作者アカウントの方が詳しい情報が流れてくる」のである。
宣伝に躍起な作家が嫌、という人もいるが、私レベルの作家が黙ると「死んだ」と思われるだけなのだ。
死体に仕事を出す人間はそうそういない。
そうならないために「生きているし、まだ漫画家をやっている」ということを、発信し続けることが大事なのだ。