ハクマン 部屋と締切(デッドエンド)と私 第77回
確定申告の季節がやってきた。
社会性のない我々に
やらせることではない。
むしろややこしい書類を作成し提出するという社会性がないから無職科に属していると言っても過言ではないのに、何故そいつらにややこしいことをさせようとするのか。まともに税金を取る気がないならやめてほしい。
特に作家はこういう事務作業がだめな場合が多く、原稿料が支払われないと言われても請求書を出さない慈善事業家や、税金未納による銀行口座差押えは逆に支払いに行く手間がなくて良いという裏技を使っている者すらいる。
国としては追徴課税も取れてラッキーまであるのかもしれないが、やはりちゃんと申告しないのも期限を守らないのも良くない。
よって漫画家の中には税理士に委託している人間も珍しくない。税理士を頼むほどの収入かと思われるかもしれないが、むしろ税理士を使った方が青色申告にしてもらったり税理士代も経費にできたりするので手間もかからない上に得だったりする。
だが、それを知らずに頑なに10年近く自ら白色申告をして、払わなくて良い税金を払い続けた、国強火担が私である。そろそろ岸田のうちわも作らなければいけない。
現在は流石に税理士に委託しているが、税理士とて何のヒントもなく「こいつは年収48万ぐらいだろう」と申告してくれるわけではない。
その読みは鋭いのだが、ちゃんと根拠となる書類を作成しないといけないのである。
そしてその書類を作るためには、まずこちらが税理士に明細や領収などの資料を提出しなければならず、それが滞ると結局税を脱することになってしまう。
よってこの時期から、確定申告に苦しんでいる作家がTwitterに散見されるようになると思うが、それは確定申告ではなく、確定申告のための資料を税理士に渡すだけ、というもっと低いところで苦しんでいる場合が多い。
税理士によってはレジ袋に領収書などを詰めて渡すだけでやってくれたりするのだろうが、私は何を間違ったのか、夫の仕事上付き合いのある税理士に依頼してしまったため、流石に半分腐った通知やパブロソがきなこのように塗されたレシートを渡すわけにはいかず、こちらである程度整理してから渡すようにしているため時間がかかる。