辻邦生電子全集

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辻 邦生(つじ くにお)
Kunio Tsuji

 1925(大正14)年9月24日〜1999(平成11)年7月29日。小説家。東京生まれ。旧制松本高等学校、東京大学文学部仏文科、同大学院を経て、フランスに留学。のち学習院大学においてフランス文学を講じた。初めての長編小説「廻廊にて」により第4回近代文学賞を受賞し、文壇に登場。1968年か1971年にかけて歴史を材にした「安土往還記」「天草の雅歌」「嵯峨野明月記」などを執筆。「安土往還記」により第19回芸術選奨新人賞を受賞。1969年7月からは、古代ローマを舞台にした「背教者ユリアヌス」を、文芸雑誌「海」創刊号から連載、のちに第14回毎日芸術賞を受賞した。

 その後も、ルネサンス期フィレンツェの隆盛と没落を描いた「春の戴冠」、フランス革命を描いた「フーシェ革命暦」など、ヨーロッパを舞台とする長編を次々と発表。生涯にわたり、緻密な構成と巧みな語りにより古今東西の歴史に材をとった物語を執筆し、殊に時代の転換期を生きる主人公を生き生きと描き出した。晩年、西行の生涯を描いた歴史小説「西行花伝」で第31回谷崎潤一郎賞を受賞した。

「辻邦生電子全集」とは

 歴史、恋愛、思想など様々なモチーフを巧みに組み合わせ、古今東西の題材で、美と理想を小説に表現することを追求した作家、辻邦生。その文学の全貌を正しくアーカイブするために、各巻ごとにテーマを設定し、全20巻で電子全集化。その記念すべき第1巻は、生誕100年にあたる2025年9月26日より配信開始。

 監修者には、フランス文学者・中条省平氏(元学習院大学教授)を迎え、辻邦生が長く教鞭をとり、数多くの貴重な関連資料を所蔵している学習院大学史料館の全面協力のもと、第1巻から13巻までは主に小説作品、14巻から20巻まではエッセイ、評論、日記等テーマ別に構成して収録する。

■全20巻を、2025年9月26日より毎月1巻ずつ、約2年にわたり配信いたします。
■価格は、1巻本体3,000円(予定)+税
■各巻に、生原稿や、関連文章、写真等が付録として付きます。
■対象端末/電子書籍専用端末、スマートフォン、タブレット端末、PC。
■販売サイト/主要な電子書店

辻邦生電子全集1 初期長篇小説ロマン 『背教者ユリアヌス』ほか(2025年9月26日配信)

辻邦生電子全集1 初期長篇小説(ロマン)

■小説
背教者ユリアヌス

■作品登場人物相関図
一目でわかる『背教者ユリアヌス』

■エッセイ
ユリアヌスの浴場跡
夢想のための書庫
歴史の顔から
ユリアヌスの廃墟から
『背教者ユリアヌス』歴史紀行-自作解題風に 1
『背教者ユリアヌス」歴史紀行-自作解題風に 2
『背教者ユリアヌス』歴史紀行-自作解題風に 3
濃縮された生命の躍動-辻邦生氏に聞く
炎の形『背教者ユリアヌス』の装幀について
季節と時刻トキのなかの素顔
地中海遺跡を巡る旅
悲劇の皇帝を通して転換期の現代を象徴 自作再見-『背教者ユリアヌス』
海峡の霧
長篇小説の時間の不思議

■解説
辻邦生とユリアヌス 佐藤賢一

■付録
辻邦生 資料館1

■解題
冨田ゆり、塩川恵梨香

辻邦生電子全集2 中期大長篇小説ロマン 『春の戴冠』ほか(2025年10月31日配信)

辻邦生電子全集2 中期大長篇小説(ロマン)

■小説
春の戴冠

■作品登場人物相関図
一目でわかる『春の戴冠』

■エッセイ
『春の戴冠』歴史紀行-自作解題風に 1
『春の戴冠』歴史紀行-自作解題風に 2
『春の戴冠』歴史紀行-自作解題風に 3
『春の戴冠』歴史紀行-自作解題風に 4
『春の戴冠』をめぐって
われらの中のルネサンス
絵画修復の前とあと
イタリアの時 至福の時
永遠の春
ペイターへのささやかな私見

■解説
ボッティチェリと活人画 京谷啓徳

■付録
辻邦生 資料館2

■解題
冨田ゆり、塩川恵梨香