高橋和巳 ・高橋たか子  電子全集

高橋 和巳(たかはし かずみ)

1931(昭和6)年8月31日~1971(昭和46)年5月3日。享年39。大阪出身。京都大学文学部中国語中国文学科卒。小説家、中国文学者。妻は小説家の高橋たか子。立命館大学講師、明治大学文学部助教授、京都大学文学部助教授を歴任。学友に小松左京、若く石原慎太郎と新人文学賞を競い、埴谷雄高を敬愛し、晩年の文学仲間には小田実、開高健、柴田翔、真継伸彦らがいた。
『悲の器』(第1回文藝賞1962年)で作家デビュー。全共闘問題に加担し教授会の公開性をもって大学批判、「全共闘のアイドル作家」ともいわれたが身体を壊し、結腸ガンにより自らの解体を余儀なくされる。左翼的な思想とともに鬱勃たる日本的情念を基層にした旺盛な作家活動で、宗教、歴史、文明、人類、科学、現象学など、評論、講演、座談会など含め文学テーマは多岐にわたる。主な小説『邪宗門』『憂鬱なる党派』『我が心は石にあらず』、評論『孤立無援の思想』『わが解体』ほか。憂愁と絢爛の六朝文学を中心とした中国文学研究に造詣深い。

高橋たか子(たかはし たかこ)

1932(昭和7)年3月2日~2013(平成25)年7月12日、享年81。京都府出身。京都大学文学部フランス文学科卒。同大学文学部修士課程修了。
本名和子(たかこ)。夫は小説家の高橋和巳。
1960年、「婦人公論」女流新人賞に応募した縁で、担当編集者だった近藤信行が主宰する「白描」同人となり、「化身」「白夜」「骨の城」などシュールレアリズム作品を発表。これらはのちに単行本『骨の城』に収録されている。
1971年、和巳と死別したことをきっかけに、執筆活動が本格化。女子大学生の自殺をテーマにした『誘惑者』(泉鏡花文学賞)のほか、『空の果てまで』(田村俊子賞)、『ロンリー・ウーマン』(女流文学賞)などで女性の心理を見事に描出した。
1975年、カトリックの洗礼を受け、1980年からフランスで修道生活を送りつつ創作活動を継続。『天の湖』『荒野』と宗教的作品を発表し、読売文学賞を受賞した『怒りの子』に結実する。
1990年、母の介護のために京都の実家に戻るが、母の死後、茅ヶ崎市に転居、同地にて逝去。
その他の作品に、『この晩年という時』、『きれいな人』(毎日芸術賞)、『終りの日々』などがある。

「高橋和巳・高橋たか子電子全集」とは――

全共闘世代から熱い支持を受けた〝憂愁の作家〟高橋和巳と、不可解な心理の深層を描き続けた〝内面の作家〟高橋たか子という〝奇蹟の夫婦〟の全作品をテーマ別に構成して完全収録。生前の両氏に薫陶を受けた文学者をそれぞれ監修者に迎え、史上初の〝夫婦で紡ぐ電子全集〟として、和巳、たか子、それぞれが生誕90年を迎える2021年・2022年~2023年にかけて刊行。2021年8月27日より配信開始され、和巳12巻、たか子12巻の計全24巻で完結予定。

■各巻のテーマは、高橋和巳は小説、評論、中国文学、対話。高橋たか子は小説、伝記、エッセイ、対談その他等を、テーマ別に再構成して1巻にまとめ、月ごとに交互に配信。
■全24巻を毎月1巻ずつ、第4金曜日に配信。
■価格は、1巻本体2,000円+税
■各巻に、生原稿や、関連文章、写真等が付録として付きます。
■対象端末/電子書籍専用端末、スマートフォン、タブレット端末、PC。
■販売サイト/主要な電子書店

最新刊

高橋和巳・高橋たか子電子全集24  高橋たか子  エッセイ4 『終りの日々』ほか (2023年8月11日配信)

高橋和已・高橋たか子 電子全集24 書影
高橋たか子 

どこか或る家―――高橋たか子自選エッセイ集
根源志向をきわめること
日記から
埴谷氏についての寸言
言葉について
「虚」のむなしさ
続・言葉について
届かぬ言葉・届く言葉」
主人公の呟き

証言とは何か?
矢川澄子さん!
近藤信行「海」創刊編集長の眼力
消えて欲しいもの 自分
高橋たか子の日記
プロムナードのコラムでの連載エッセイ

私という者――著者から読者へ

(単行本未収録エッセイ)
遠藤周作論――罪の意識と、劇的なるもの
死に対する礼節
性と笑いと悪魔
子供・この不気味なる存在
こけしの木地山と泥湯温泉へ
中年男の絶対夢
神の問いとしての内面劇
子を持つ後家は強かった(東北に、戦争未亡人を訪ねて)
ルドンの『花瓶の花』
想像力の快楽
うつくしい年齢
晩秋の嵯峨野
黒川紀章の建築における文学性
パイプ・オルガンに聞く祈り
ソ聯旅行を終えて
人間をしつけるとは何か
夫婦の対話
もう一つの世を開示(近藤弘明について)
人間・三枝さん
一対一の危機
私は誰か?
生きる只中のメモ

(解説、書評)
『沈黙』『黄金の国』(遠藤周作)書評
喪われゆくものと喪われぬもの――『走る家族』(黒井千次)書評
生の根源としての官能――『虹時計』(田久保英夫)書評
ひたむきな女の命と業――『海を眺める女」(大原富枝)書評
拡がり出る意識――『水』(古井由吉)書評
重層する意識の全体像をとらえる――『乱反射』(三枝和子)書評
モノローグの彼方 ――『心優しき叛逆者たち』(井上光晴)書評
或る快楽主義――『雨の音』(宇野千代)書評
ただ一本の紫の絹糸 ――『吊橋のある橋』(瀬戸内晴美)書評
浮遊する魂の見るもの ――『春のかぎり』(折目博子)書評
底流する「家」のイメージ ――『此処すぎて』(森内俊雄)書評
『胸の木槌にしたがえ』(井上光晴)解説
若さの抽象性を構築――『四季』(中村真一郎)書評
文明化とは流行とは――「パリ フランス――個人的回想』(ガートルド・スタイン)書評
大自然と人間との劇――『サイロ物語』(米村晃多郎)書評
雪女とは何者だろう?――『雪女』(森万紀子)書評
『キリストの誕生』(遠藤周作)解説
どのように過ぎ越していくか――『神の住い――霊魂の城』(アビラの聖女テレサ)書評

(その他)
31回「対談時評」
32回「対談時評」
「対外時評」――内面性の諸問題 
37回「創作合評」
39回「創作合評」
52回「創作合評」
53回「創作合評」
54回「創作合評」


高橋和巳の七回忌
受賞の言葉(『ロンリー・ウーマン』女流文学賞)
夫、高橋和巳の10回忌
仲良し二人 愛より性 追求した彼女――大庭みな子さんを悼む
大庭みな子さんと私 (追悼・大庭みな子)




高橋たか子の「日記」 
第一部  二〇〇二年十一月二十二日~二〇〇四年九月三十日
第二部  一九九九年七月五日~十二月
パリ日記


終りの日々
二〇〇六年
二〇〇七年
二〇〇八年
二〇〇九年
二〇一〇年 

(解説)

「幸いなる、私の人生最後の日々」――高橋たか子の生涯
山内由紀人



(年譜)
髙橋たか子 年譜
鈴木晶・作成

(付録)高橋たか子 特別付録12
付録1(資料)
「終りの日々」生原稿

付録2(写真)
第45回毎日芸術賞授賞式にて

付録3(資料)
初刊本表紙

(解題)
第二十四巻 解題
山内由紀人

(あとがき)
あとがき
鈴木晶

配信スケジュール

高橋和巳・高橋たか子電子全集1  高橋和巳 小説1 『邪宗門』ほか(2021年8月27日配信)


高橋和巳

邪宗門(上)

邪宗門(下)

邪宗門(初出版)全74回

古風

(解説)
二十一世紀の新たなる古典
橋本安央

(付録)高橋和巳 特別付録1

付録1(資料)
「邪宗門」生原稿
『邪宗門』初刊本 表紙(上下巻)
「邪宗門」初出版
「古風」生原稿(一部鉛筆)

付録2(高橋和巳写真館)

(解題・書誌)
第一巻 解題
太田代志朗

高橋和巳・高橋たか子電子全集2  高橋たか子 小説1 『誘惑者』ほか(2021年9月24日配信)


高橋たか子

失われた絵
失われた絵
白い光
夏の淵
「私」という人称ーーあとがき

没落風景

華やぐ日
華やぐ日
昔の街
疑惑
熱い日
晴間

誘惑者

ロンリー・ウーマン
ロンリー・ウーマン
お告げ
狐火
吊橋
不思議な縁

(解説)
神と渇き――高橋たか子の出発
山内由紀人
(付録)高橋たか子 特別付録1
付録1(ラジオドラマ・シナリオ)
ラジオドラマ『誘惑者』
脚色・板谷全子
付録2(高橋たか子写真館)
付録3(資料)
初刊本表紙
(解題)
第二巻 解題
山内由紀人

高橋和巳・高橋たか子電子全集3  高橋和巳 小説2 『悲の器』ほか(2021年10月22日配信)


高橋和巳

悲の器

飛翔

高橋和巳の思い出
高橋たか子

高橋和巳という人
高橋たか子

(解説)
壮大な「反青春小説」として
井口時男

(付録)高橋和巳 特別付録1

付録1(資料)
『悲の器』生原稿
『悲の器』生原稿 未定稿
「悲の器」初刊本表紙
「われらの文学21」 (「悲の器」所収)

(解題)
第三巻 解題
太田代志朗

高橋和巳・高橋たか子電子全集4 高橋たか子 小説2 『人形愛』ほか  (2021年11月26日配信)

高橋たか子
天の湖

人形愛 
 人形愛 
 秘儀
 見知らぬ山
 結晶体
 あとがき

鏡狂

荒野 

怪しみ 
 怪しみ 
 招き
 顕われ
 誘い
 あとがき

(解説)
絶対愛とは何かーーカトリック作家としての旅立ち

山内由紀人

(付録)高橋たか子 特別付録2

付録1(資料)
初刊本表紙

(解題)
第四巻 解題

高橋和巳・高橋たか子電子全集5 高橋和巳 小説3 『憂鬱なる党派』ほか(2021年12月24日配信)

高橋和巳

憂鬱なる党派(決定版)

憂鬱なる党派(初出「VIKING」版)

貧者の舞い

(解説)
「戦後」の総括、そして「暗黒への出発」――「焼跡」派の文学
黒古 一夫

(付録)高橋和巳 特別付録1

付録1(資料)

『憂鬱なる党派』定稿 生原稿

『憂鬱なる党派』第十六章で使わなかった箇所 生原稿 

『憂鬱なる党派』 書き込みゲラ

『憂鬱なる党派』 初刊本

『憂鬱なる党派』 初出版(「雑誌」VIKING)

付録2(高橋和巳写真館)

(解題・書誌)
第五巻 解題
太田代志朗

高橋和巳・高橋たか子電子全集6 高橋たか子 小説3 『空の果てまで』ほか(2022年1月28日配信

高橋たか子

彼方の水音 
 相似形
 囚われ
 渺茫(びょうぼう) 
 子供さま
 彼方の水音

骨の城 
 骨の城
 化身
 白夜
 眼
 きらめき
 半音階的幻想
 交わり
 神秘の湖
 リュミリア
 乗車錯誤
 
双面 
 同心円のなかで
 微笑
 双面 

空の果てまで 

共生空間 
 共生空間 
 西方の国
 秘
 遠くから来るもの
 魔の時
 螺旋階段

(解説)

シュールレアリスムと幻想世界――初期作品とその時代

山内由紀人

(付録)高橋たか子 特別付録3

付録1(資料)
初刊本表紙

(解題)
第六巻 解題
山内由紀人

高橋和巳・高橋たか子電子全集7 高橋和巳 小説4 『我が心は石にあらず』ほか (2022年2月25日配信)


高橋和巳

我が心は石にあらず

我が心は石にあらず(ラジオドラマ台本)

我れ関わり知らず

(解説)
「破滅」を凝視しつづける眼   
小林広一

(付録)高橋和巳 特別付録4

付録1(資料)

「我が心は石にあらず」(ラジオドラマ台本)

「我れ関わり知らず」初出掲載誌

VIKING例会 出席の手紙 

(解題・書誌)
第七巻 解題
太田代志朗

高橋和巳・高橋たか子電子全集8 高橋たか子 小説4 『怒りの子』ほか(2022年3月25日配信)


高橋たか子
装いせよ、わが魂よ

遠く、苦痛の谷を歩いている時 
 甦りの家
 病身
 遠く、苦痛の谷を歩いている時 
  あとがき

恋う

終りなき出会い

怒りの子 

(解説)
神を恋う日々――小説家から修道者へ

山内由紀人

(付録)高橋たか子 特別付録4
付録1(資料)
『装いせよ、わが魂よ』生原稿

付録2(資料)
初刊本表紙

(解題)
第八巻 解題
山内由紀人

高橋和巳・高橋たか子電子全集9 高橋和巳  小説5『日本の悪霊』ほか(2022年4月22日配信)高橋和巳

日本の悪霊 (決定版)

日本の悪霊 (初出版)

堕落

散華

革命の化石

(解説)
生の根源としての《憤怒》と破滅について
 
立石伯

(付録)高橋和巳 特別付録5

付録1(資料)

『日本の悪霊』生原稿

映画「日本の悪霊」台本

「堕落」生原稿

「散華」生原稿

「散華」ラジオドラマ台本

「革命の化石」生原稿

(解題・書誌)
第九巻 解題
太田代志朗

高橋和巳・高橋たか子電子全集10 高橋たか子 小説5 『亡命者』ほか(2022年5月27日配信)


高橋たか子

土地の力 

始まりへ (小説ふう戯曲)

亡命者

君の中の見知らぬ女

(解説)
霊的著作、そして再び文学へーー髙橋たか子の帰郷
山内由紀人

(付録)高橋たか子 特別付録5

付録1(資料)
戯曲「人生の終りの時」(未完)生原稿

付録2(資料)
初刊本表紙

(解題)
第十巻 解題
山内由紀人

高橋和巳・高橋たか子電子全集11 高橋和巳  小説6『黄昏の橋』』ほか(2022年6月24日配信)


高橋和巳

黄昏の橋

白く塗りたる墓

もう一つの絆

(遺稿)
遥かなる美の国

(未発表作品)
清角の音
他者の古里

(解説)
未完の長編小説
 
高城修三

(付録)高橋和巳 特別付録6

付録1(資料)
『白く塗りたる墓』生原稿

『白く塗りたる墓』未定稿 生原稿

「人間として」創刊号表紙

「遥かなる美の国」(生原稿)

「文藝」高橋和巳追悼号 表紙

「清角の音」生原稿

「他者の古里」生原稿

『黄昏の橋』初刊本 表紙

『白く塗りたる墓』初刊本 表紙

(解題・書誌)
第十一巻 解題
太田代志朗

高橋和巳・高橋たか子電子全集12 高橋たか子 小説6 『きれいな人』ほか(2022年7月22日配信)


高橋たか子

きれいな人 

巡礼地に立つ フランスにて 

墓の話

過ぎ行く人たち 

単行本未収録作品(短篇)
假の家

遠い水、近い水
二つの、お話
この世の底にいて
終りの日
あこがれ
空(そら・くう)

未発表作品(生原稿より)

物の力。あるいは、独身者

メモ。あるいは思い出のごとく
あの頃
レミニッサンス
或る近くて遠い迷路

(解説)
人生の終り/始まり――高橋たか子の晩年と遺作
山内由紀人

(付録)高橋たか子 特別付録6

付録1(資料)
 未発表作品7編 自筆生原稿
筆者自筆未発表作品等の目録
「顏」
「物の力。あるいは、独身者」 
「庭」
「メモ。あるいは思い出のごとく」
「あの頃」
「レミニッサンス」
「或る近くて遠い迷路」
筆者直筆メモ

付録2(資料)
初刊本表紙

(解題)
第十二巻 解題
山内由紀人

高橋和巳・高橋たか子電子全集13 高橋和巳  小説7『捨子物語』ほか (2022年8月26日配信)

高橋和巳

捨子物語(決定版)
あとがき

捨子物語(初出「現代文学」版)

捨子物語(自費出版「足立書房」版)

片隅から (あの花この花)
月光
淋しい男
退屈に就いて―チエホフ小論
老牛
藪医者 (日々の葬祭)
生ける朦朧

森の王様
子供たちに与う倨傲の歌
コプラの歎き
奇妙な終宴
神よ、我れこの児を殺さむ
不可能な三幕   (戯曲:未完)
詠み人知らず  (ラジオドラマ)
国家ーーあるいは「幻の国」
三人の父

(解説)
根源的呪縛としての原体験
 
藤村耕治

(付録)高橋和巳 特別付録7
付録1(資料)

『捨子物語』(決定版)生原稿
「捨子物語」(初出版)
『捨子物語』(足立書房版)
「ARUKU」第7号(「藪医者」初出 所収)
「奇妙な終宴」(生原稿)
『神よ、我れこの児を殺さむ』(生原稿)
「国家ーーあるいは『幻の国』」(生原稿)

付録2(高橋和巳写真館)

(解題・書誌)
第十三巻 解題
太田代志朗

高橋和巳・高橋たか子電子全集14 高橋たか子 伝記 『神の海』ほか (2022年9月22日配信)


高橋たか子

(伝記)
神の海 マルグリット・マリ伝記 

ライサという名の妻 

(ラジオドラマ台本)
夜の客
遠いあなたへ
不思議な縁

(解説)
夜と海と光と――〈聖女〉たちの物語
山内由紀人

(付録)高橋たか子 特別付録6

付録1(資料)
「ライサという名の妻」メモ

付録2(資料)
初刊本表紙

(解題)
第十四巻 解題
山内由紀人

高橋和巳・高橋たか子電子全集15 高橋和巳 エッセイ・評論1 『孤立無援の思想』ほか(2022年10月28日配信)


高橋和巳

 『文学の責任』
非暴力の幻影と栄光
葛藤的人間の哲学
文学の責任
逸脱の論理―埴谷雄高論
自立の精神―竹内好における魯迅精神
表現者の態度I―司馬遷の発憤著書の説について
表現者の態度II―職業としての文学の誕生
中国の物語詩―おもに「秋胡行」について
文学研究の諸問題I
文学研究の諸問題Ⅱ
文学研究の諸問題Ⅲ
 あとがき

 『孤立無援の思想』
失明の階層
孤立無援の思想
順逆不二の論理―北一輝
戦争論
散華の世代
戦後民主主義の立脚点
焼身自殺論
見る悪魔

戦争文学序説
戦後文学私論
政治と文学
〈性〉的素材主義批判
忍耐の思想―武田泰淳
日常への回帰―椎名麟三
現代の地獄―野間宏
仮面の美学―三島由紀夫
苦しむ才能―井上光晴
無常の視線―深沢七郎
自己権力と自己無化―埴谷雄高

東西対抗史観の問題
アジア主義
ヘーゲルとの対決
思想家としての岡倉天心
夏目漱石における近代
詩と風土

みやびと野暮
キリスト教の投影
文学者にみる視野脱落
文人相軽
文学と友情
文学と季節
自然への讃歌と挽歌
孤独なる遊戯
小さな野心
私の小説作法
〈志〉ある文学
長篇の功罪
二つの「飛翔」
投稿について
京都の文学青年達
『近代文学』終刊号を読んで

書物と驢馬
読書のかたち
未だ形なき新しい読書
精神の網
イメージをはぐくむ
私の読書遍歴

中国古典の翻訳ブーム
詩と隠遁
陶淵明について
詞華集の意味
『紅楼夢』の背景
詩人魯迅
中国知識人と日本
新中国の長篇小説
協同研究について
詩人の逸話

他山の石
兎と亀
病中悲哀
酒と雪と病い
苦痛について
愚昧への道
災害の夕
睡りのかたち
質問の力について
教師失格
我が宗教観
少年期断片
私の中学時代
春のうた

ボヘミアン礼讃
女性の自立
女と蝴蝶
非暴力
バベルの塔
漬物の味
遊びの法則
悪の進化
醜い裸
勲章と千人針
鳥と遭難
お屠蘇考

『新しき長城』
文化大革命のなかの解放軍
上海の時計工場での見聞
激しくすすむ文化の奪権闘争
菩薩信心から毛沢東崇拝へ

暗殺の哲学

非暴力直接行動について
滅びざる民
〈反対の墓場〉から―竹内好
自己中心の悲劇
女の耐える思想
中国民衆史の断面―橘樸
自立と挫折の青春像
世代について
隔絶の時代
作家の行動について
現代への祈願と人間性
未来希求の視点

民族の悲哀―魯迅
滅びの使徒―太宰治
文学否定論について
想像の魔性について
妄想のたのしみ
論語
ウェーリー『白楽天』
日中文化の交点―武田泰淳
長篇の愉しみ―レオーノフ
文学存在の基盤―ソルジェニツィン
〈沈黙する神〉と転向

もう一つの劇
転向文学論
文学の中の人間関係
孤独なる邪宗
心に降る雪、積る雪
  あとがき

単行本未収録作品
ハンスト学生の手記
「対話」編集後記
テレビ時評
日本の中の中国人
「洞窟派」宣言序説
思想の動向
検事の不在
『死霊』―その理解のために
寡きを患えず、均しからざるを患う
矛盾律について
世界語を作る必要性
第1回末川賞小説の部選評 
ある日、ある時
同人誌の愉しさ〈学生時代〉
新しい思想をつくる人は正直
浅野先生の思い出
悪の進化について
近況
ディオニソスの時
実感的観光ニッポン(高橋和巳、高橋たか子)
われを忘れた時の女性
VIKING・JODAN・ENQUETE
あのころのこと
私のえらんだ本年度ベスト・ワン
今年の収穫
通院記
思想の動向
感銘をうけた本
日本人の精神構造
戦争と原罪
川野彰子さんを悼む
再び戦争とは何であるか
私はこう思う―あなたは中国をどう思うか
私の再刊きぼう
転居二ヵ月
漱石における政治
魯迅と私
ソ連邦の女性たち
学生と読書
「不可能な三幕」について
人間の無限の可能性
幻の蜂の巣城
はば広い学生運動を
国家百年の計
毛沢東の文章
楽園喪失
美のこころ
吉川幸次郎『中国詩史』解説
さわやかな朝がゆの味
日本読書新聞創刊30周年記念評論応募作選評
師走に思うこと

我がふるさと
私の語学
掘出した本、探している本

単行本未収録作品(書評等)
文芸時評・一九六三年十月号
文芸時評・一九六三年十一月号
文芸時評・一九六三年十二月号
文芸時評・一九六四年七月号
文芸時評・一九六四年八月号
文芸時評・一九六四年九月号
北川荘平『水の壁』
橘外男『ある小説家の思い出』
高見順『遠い窓』
堀田善衛『零から数えて』
鈴木虎雄注釈『李長吉歌詩集』
野間宏『わが塔はそこに立つ』
尾崎秀樹『魯迅との対話』
中村真一郎『戦後文学の回想』
花田清輝『シラノの晩餐』
辻邦生『廻廊にて』
竹内好編集・解説『アジア主義』
藤枝静男『ヤゴの分際』
堀田善衛『審判』
荒正人編著『ドストエーフスキイの世界』
奥野健男『文学的制覇』『文学は可能か』
海音寺潮五郎『孫子』
第9回松原賞小説選評 
第10回松原賞小説選評

あとがき等
『捨子物語』(足立書房版)あとがき
対話叢書刊行に当り
『悲の器』受賞のことば
『悲の器』あとがき
『悲の器』作者のことば
『憂鬱なる党派』作者のことば
『孤立無援の思想』著者のことば
『邪宗門』作者のことば
『邪宗門』作者あとがき
『邪宗門』あとがき
心の真実を求めて

(解説)
高橋和巳にみる批評精神の陶冶と視界――前期エッセイ・評論を中心に
 
田中寛

(付録)高橋和巳 特別付録8

付録1(資料)

『文学の責任』生原稿
『新しい長城』生原稿
『文学の責任』書影
『孤立無援の思想』書影
『新しき長城』書影

(解題・書誌)
第十五巻 解題
太田代志朗

高橋和巳・高橋たか子電子全集16 高橋たか子 エッセイ1『魂の犬』ほか(2022年11月25日配信)

高橋たか子

『魂の犬』

 小説と悦楽
 殺意の文学
 小説家と魔性の眼
 小説の舞台となる家
 女流作家の立場
 女性と感覚
 小説と妄想
 夢と小説
 夢という、この不思議なもの
 ドッペルゲンゲル考
 『砂男』の神秘
 幾何学的幻想
 アンチ・ロマンの世界
 霊魂不要説『グリーン・チャイルド』
 読書遍歴
 一冊の文庫本『悪の華』
 天上と地上の詩
 モーリヤック頌
 モーリヤックとの出会い
 モーリヤックと遠藤周作
 遠藤周作論
 井上光晴論
 虚構自殺と知能犯自殺
 外界反応百パーセントの紳士・中村真一郎
 想像力の出発点
 古井由吉さんの筆蹟
 美・殺・愛・死
 眼の変幻
 「背徳」覚書
 私の中の古典主義
 私の姿勢
 私の夢の形
 処女作への回帰
 私と「私」の関係


 魂の犬
 私の酒歴書
 ただ一人の食事
 昔の弁当
 柱の手垢
 住人の跡
 大きな家・広い庭
 「狂う」
 男の中の唯一人
 運命の分れ目
 数学的直観
 正午の倦怠
 往復時間の夢想
 時代錯誤者の弁
 女嫌い
 消えていく過去
 現代的荒廃
 装飾過剰の文化
 人間の商品化
 音楽公害
 政治嫌いの一言
 本当の仮面
 産む産まぬの自由
 美少年私見
 フランスの第一印象
 他者の国
 ヨーロッパ再訪の夢
 幻のノルウェー
 オットーボイレンという所
 形而上的な音
 音楽と宗教と場所
 私の聴きかた
 ルドン展

『記憶の冥さ』
 人と人の呼びあう声
 空間脱出の夢
 音のユートピア
 黄昏の驚異
 大変な秘密
 潜在世界への逆行
 「私」への内向
 伝記の意味
 家と私
 私の精神病院
 人の死後
 外界への恐れ
    *
 『猫町』の恍惚
 読者の想像力
 ニヒリズムと私
 幻想的なもの
 『道化の華』論
 潜在意識の光景
 性ーー女における魔性と母性
 『誘惑者』こぼれ話
 懺悔の文学
    *
 イヴとマリア
 教会の中のバッハ
 鎌倉の秋・京都の秋
 美と静寂
 美と旅
 妙心寺
 パリのホテルの一室で
 金沢の街
 私のヨーロッパ体験
 聖心会修道院
    *
 現代女性への悪口
 男女共学
 快楽と娯楽
 街の中の一番好きな場所
 虚の世界と実の世界
 私の鈍感さ
 カルメル会修道院
 モラルというもの
 失われた曲
 いい年であった今年
 記憶の冥さ
 純粋愛
 修道院の時間
 ドアにノック
 修道院について思い出すこと
 私がいきていることの周辺
 失われたモラル
    *
 最初にあった頃の遠藤さん
 私の中の京女
 渇いた女・サロメ
 危ない女
 気になる女
 森有正の『バビロンの流れのほとりにて』
 森有正との出会い
  あとがき

『驚いた花』

 ムンクにて
 カスパール・ダヴィッド・フリードリッヒ
 『セラフィーノ』の神秘
 『嫉妬』を読んで
 アポリネールの無意味さ
 小説を書く結果
 死都ブリュージュ
 不幸の哲学
 『愛の砂漠』と神
 ストリンドベリと私
 バッハのオルガン曲
 男を描いたリアルな女
 『ヴァルーナ』における神と悪魔
 『サド公爵夫人』を見て
 長篇の習作
 エレン・バースティンの演ずる女
 フランス文学と私
 無意識を掘る
 『荒野』を終えて

 パリのコンサート
 夏のシナイ山
 グレゴリアンの祈り
 亡びの地
 ミュンヘンの年末年始
 スペイン旅行
 驚いた花
 北欧二人旅
 ミノア文明の跡
 ジュリアン・グリーン氏訪問
 ロシア正教の味わい
 「地の果て」へ
 ドストエフスキーについての寸言

 なぜカトリックになったか
 神の根底
 十二月という月
 今日の日本人
 大原さんの受洗前後
 円地先生の仮面
 悪魔について
 イエス・キリストは何処から来るか
 男の目覚めを求めよう
 神の位置
 現代日本の診断書
 待つ女
 キャリア・ウーマンについて
 女は「内」に
 頽廃的会話
 メディテーションとは何か
 矢代さんの人柄
 遠藤さんの素描
わが町
   あとがき

(解説)
高橋たか子の愛した風景――ルドン、モーリヤック、三島由紀夫
山内由紀人

(付録)高橋たか子 特別付録7

付録1(資料)
「ヨーロッパ旅行滞在の記録」生原稿

「ヨーロッパ旅行滞在の記録」メモ

付録2(資料)
初刊本表紙

(解題)
第十六巻 解題

山内由紀人

高橋和巳・高橋たか子電子全集17 高橋和巳 エッセイ・評論2 『わが解体』ほか(2022年12月23日配信)

高橋和巳

 『孤立の憂愁の中で』
直接行動の季節
現代の青春
「義」に近い人間関係を
闘いの中の私
孤立の憂愁を甘受す

知識人と民衆

現代思想と文学
革命の中の死―ロープシンの『漆黒の馬』
戦後文学の思想
戦後派の方法的実験
なぜ長篇小説を書くか

実事求是の精神―島崎藤村
知識人の苦悩―夏目漱石
詩人との出会いと別れ―三好達治
認識と実践の人―桑原武夫

極限と日常
事実と創作
私の文章修業
〈邪読〉について
  あとがき

『わが解体』
わが解体
三度目の敗北
死者の視野にあるもの
内ゲバの論理はこえられるか

『自立の思想』
自殺の形而上学
「真空地帯」の背景
自立化への志向
言論の自由について

『人間にとって』
自己否定について
宗教・平和・革命
裁判について
差別について
経験について
死について
国家について
わが体験

『暗黒への出発』
暗黒への出発
七〇年代第一年目の状況

単行本未収録作品
未来と願望
吉川幸次郎
漫画について
中国とソ連を旅して
私はこう思う―流血の佐世保・エンタープライズ入港
人間の姿が浮彫りにされている
明哲保身―『深沢七郎選集』のために
「不朽の盛事」の背景
中島敦「山月記」について
“ソ連侵入”をこう考える
塑像との対話―福沢諭吉
中国漢代における知識人の党派
『一九六八年佐世保詩歌集』跋
武田泰淳『秋風秋雨人を愁殺す―秋瑾女士伝』
日本の軍隊と国家
二重の言語
文学の苦しみ
極限と日常
「阿Q正伝」について 
「義」を渇望する常民
「対話」第六号 編集後記
「文学的立場」同人の功績ー小田切秀雄『対決の思想』
詩と自由
私のドストエフスキー―『死の家の記録』
襟を正させる仕事
哲学との対話の魅力
歴史の生きた知識として
戦後精神の端的な表現史
漱石の反骨
無垢の日々
私の学生時代
山科のタケノコ
内的葛藤の原型
悲劇の先駆者
詩の絆―吉川幸次郎『随想集』のために
参政権
宗教学生への提言
日本の70年代・核武装
種は植えつけられた
試練の一端を分有しうることを喜ぶ
「対話」第七号 編集後記
松原新一『転向の論理』
第3回現代評論社賞選評 
竹内好(文学 反攻 革命)
中国革命の貴重な一証言
果敢な敵の死悲し
三島由紀夫の死(参考作品)
未来からの問責
陰画の履歴

あとがき等
『文学のすすめ』あとがき
『堕落』あとがき
『変革の思想を問う』あとがき
『生涯にわたる阿修羅として』あとがき

(解説)
高橋和巳〈わが解体〉の意味するもの
長澤雅春

(付録)高橋和巳 特別付録8

付録1(資料)

「なぜ長篇小説を書くか」(使わなかった部分)自筆原稿
「わが解体」生原稿
「内ゲバの論理はこえられるか」生原稿
『孤立の憂愁の中で』表紙
『わが解体』表紙
『自立の思想』表紙
『人間にとって』表紙
「対話」第六号 表紙
「対話」第七号 表紙

(解題・書誌)
第十七巻 解題
太田代志朗

高橋和巳・高橋たか子電子全集18 高橋たか子 エッセイ2『霊的な出発』ほか(2023年1月27日配信)


高橋たか子

霊的な出発 
  霊的な出発    
 プロヴィダンス
 人間とは
 愛について
 『プスチニア』
 続・愛について
 心の中の一点
 人と人
 神は何処に在るか
 悪魔
 どこか或る家
 水上を歩く
 秘跡としての存在
 取り消すことのできな人格
 幸せな或る日
 「暗夜」と「無意識」
 続・「暗夜」と「無意識」
 続・人と人
 「あなた」を下さい
 言葉の力
 砂漠について
 神と悪魔
 マルタとマリア
 蘇り、すなわちイエス
 神の「いのち」の波打ち際

念禱について
 念禱について
 エルサレム修道会についての解説
   あとがき

神の飛び火 
  神の飛び火  三人の神父との霊的対話
 聖母マリアについての想い/マリアの働き
 マリアのイメージ/女性と人類の完成
 本当の話/捨身の行
 神の中と人の中/まことに生きることで
 アガペを生きる/謙遜なアガペ
 祈りーー罪の人と愛の人/祈りにおける罪と愛
 霊的分かち合い/分かち合いの祈り
 祈りーー食卓の分かち合い/修道院の食事
 待つ時/おほしさんが
 神体験/まことの体験
 修道者になる人/神の軌跡
 「現存」めぐって/現存による不在

パリからの手紙
 祈りの日々
 神話的女ーー大庭みな子さんへの手紙
 基督と準キリストーー埴谷雄高氏への手紙
 ヨーロッパの根ーー中村真一郎氏への手紙
 出口
 キリスト教における人間ーー遠藤周作氏への手紙
 霊魂の城
 オンフルールの一日
 人間的ということ
 続・人間的ということ
 
エロスとアガペ
 エロスとアガペ
 上昇線
 何処かに何かが
 試練の中の仕合わせ
 『雅歌』の愛

続・念禱について
 続・念禱について

   あとがき

水そして炎 
  Ⅰ 水そして炎 
 ふたたびパリから
 水そして炎
 神は火
 嘘・人間
 火のように
 教会とは
 目覚め
 霊的読書の時に
 微妙に似て非なるもの
 失われたパリ
 現在という時
 その「時」
 続・その「時」
 現在について
 無意識と神
 記憶と神
 アヴィラにて思ったこと
 カルメル会・讃
 人の、よい部分
 マリアの出現
 夢と神
 あたらしいカルメル会
 「書物」を開く
 エルサレムにてーー土地の力
 
  Ⅱ 念禱について
 海
 人間という植木鉢
 海の汚れ

 Ⅲ イスラエルにて
 ネゲブの砂漠にて
 ビサンチンの廃墟にて
 ユダの砂漠を歩く
 ガリラヤ湖にて
 「あの方」

   あとがき

『内なる城』について思うこと
 まえがき
 序
 第一章 ーー第四の住居・第五の住居
  一 超自然
  二 謙虚
  三 潜心
  四 一致

 第二章 ーー第六の住居
  一 苦しみ
  二 悪魔・想像力・神
  三 脱魂
  四 幻視
  五 観想と黙想
  六 謙虚(つづき)

 第三章 ーー第七の住居
  一 御自身の住居
  二 霊的婚姻
  三 マリアとマルタ

 あとがき ーー人間の奥義についての、寸言
 むすび

(解説)
パリ、京都、鎌倉――高橋たか子の霊的生活
山内由紀人

(付録)高橋たか子 特別付録7

付録1(資料)
「『内なる城』について思うこと」メモ

付録2(資料)
初刊本表紙

(解題)
第十八巻 解題

山内由紀人

高橋和巳・高橋たか子電子全集19 高橋和巳  中国文学1 評論 (2023年2月24日配信)


高橋和巳

六朝美文論
陸機の伝記とその文学
潘岳論
顔延之の文学
江淹の文学
劉勰 『文心雕龍』文学論の基礎概念の検討
顔延之と謝霊運

中国古典文学理論―その二つの側面
『文心雕龍』以前の中国古典文学理論
劉勰 『文心雕龍』の文学論
想像力の問題

中国詩史梗概
六朝詩選

詩人の運命 ――李商隠詩論

李商隠
  解説
 李商隠
 李商隠年譜
 跋
 李商隠略図

王士禛
 解説
 王士禛 年譜
 王士禛 略図

 高橋和巳作 中国文学関連 索引
司馬相如
張華
潘岳
文心雕龍
枚乗
庾肩吾
陸雲
陸機
李商隠
劉勰
劉孝綽

(解説)
詩人たちの運命 ― 六朝美文論から李商隠論まで
小南一郎

(付録)高橋和巳 特別付録10

付録1(資料)

「詩人の運命」 生原稿
「顔延之と謝霊運」生原稿
「陸機の伝記とその文学」 校正刷りゲラ
『李商隠』表紙
『王士禛』表紙

高橋和巳・高橋たか子電子全集20 高橋たか子 エッセイ3『私の通った路』ほか(2023年3月24日配信)


高橋たか子

境に居て
 まえがき
  
 受洗の頃
 この世の「荒野」
 潜在する海へ
 「暗夜」を通って

 境に居て
 犬と私
 私のノイローゼのこと
 社会的圧力云々のこと
 内なる人
 森万紀子さんについて思い出すこと
 たか子さん、がんばってください
 小説とジャンプ・スキー
 死んでしまった人たち
 小説と、生と死
 作家の方たちとの、外国での思い出
 フレッシュな言葉
 芸術と宗教の分かれ目 ――サロメと洗礼者ヨハネ
 書斎と修室
 浄化されたエロスについて
 キリスト教の或る限界
 「虚」がかり
 霊的著作とは?
 修道院を出た後に

放射する思い
  Ⅰ
 空と夢・空の夢
 芸術は癒やしうるか?
 その時その時の「時」一、二、三
 作品の毒
 『ヴァルーナ』序文の、驚嘆!
 砂漠・砂漠・砂漠
 フランスでの、どん底
 大江健三郎「レイン・ツリー」メタファー
 アメリカでの日本文学論
 サブリミナル・パーセプション
 フランス語についてのメモ
 日本人カトリック・センター
 世紀末などない
 ボランティアについて
 人間を読む・小説を読む
 ことば・みことば
 作曲家と演奏家
 「曲芸」する小説家
 なぜコミュニズムに?
 男のナルシシスム

  Ⅱ
 人間の謎をめぐって ――埴谷雄高氏への手紙
 ふしぎな絆(遠藤周作・追悼)
 いのちの河へ(遠藤周作・追悼)
 精神的な父のような
 フランス、わが愛
 「魂の頂」へ向かって

  Ⅲ
 詩(数篇)
    あとがき

私の通った路 
 一 脱日本 (一九八〇年九月末~八一年五月)
 二 霊的幸福の日々 (一九八一年八月~八四年七月)
 三 ここへきてまで、この人間悪! 
                   (一九八五年十月~八八年六月・・・…)
 エピローグ
    あとがき

この晩年という時 
   Ⅰ
 紙片の群れ・思いの群れ
 私の家系
 音楽、いつまでも音楽
 清岡卓行氏の作品の周辺で
 影響を受けた芸術を思い出す
 最初のヨーロッパ旅行の回想
 よくみる夢
 日記文学とか伝記文学とか
 誰かが行き終ると見えてくる何か
 一人の人の、人生
 冬の整理のこと
 鏡について寸言
 素人でなくなっていく通路
 私のまわりにあった雰囲気 ――昭和三十年前後の頃
 トップ層のインテリたちの素描
 ヨーロッパ対日本の問題を闘った先輩たち
 人類が初めて世界を見た時の世界光景!
 私の中にあったプラトン的な男女
 いくつかのキリスト教用語
 この十年に目にとまったこと
 私って、変な人 一
 私って、変な人 二
 滑稽(ユーモア)感覚
 ふと思っていたこと
 二つの欲望に関して聞いたこと
 『私の通った路』補遺
 戦争、戦争、戦争
 誕生以前に通る段階とは?
 肉界と物質界の呼応のようなもの
 他者  l’autre
 神の望まれること


 ジュリアン・グリーンをめぐって

   Ⅲ
 無の果てへ
 夢みる人
 ジュリアン・グリーン氏追悼
 ニジンスキーの謎に迫る
 諸世紀を越えて見る人ひとりひとり
 祈りのしてのコラール
 アイデンティティとは何だろう?
 ずっと昔の、イスラエル巡礼
 ボルドー近辺の土地

   Ⅳ
 聖マリアとは、どんな人か
 「内なる城」に学ぶ祈り
 アヴィラの聖テレサの詩
    あとがき

 目覚め
 霊的読書の時に
 微妙に似て非なるもの
 失われたパリ
 現在という時
 その「時」
 続・ その「時」
 現在について
 無意識と神
 記憶と神

(特別寄稿)
愛し方を知りたい —— 高橋たか子の求道性 
関野美穂

(解説)
私という謎――高橋たか子の回想と自伝
山内由紀人

(付録)高橋たか子 特別付録10

付録1(資料)

「テレーズ・デスケイルー」改訳(未完成)生原稿

「ライサという名の妻」創作ノート

付録2(資料)
初刊本表紙

(解題)
第二十巻 解題

山内由紀人

高橋和巳・高橋たか子電子全集21  高橋和巳  中国文学2 翻訳  (2023428日配信)

高橋和已・高橋たか子 電子全集21 書影
高橋和巳

魯迅
  吶喊
吶喊自序
狂人日記
孔乙己

明日
小さな事件
髪の物語
風波
故郷
Q正伝
端午の節句
白光
兎と猫
家鴨の喜劇
宮芝居

  野草
題辞
秋夜
影の告別
乞食
わが失恋
復讐
復讐(その二) 
希望


よき物語
旅人
死火
犬の反駁
失われたよき地獄
墓碑銘
くずれた線の震え
立論
死後
このような戦士
賢者と愚者と奴隷
臘葉
あわい血痕の中に
まどろみ

  彷徨
祝福
酒楼にて
幸福な家庭
石鹸
常夜灯
みせしめ
高先生
孤独者
傷逝
兄弟
離婚

  朝花夕拾(抄)
藤野先生
范愛農

  故事新編(抄)
薇を采む
出関
非攻
起死

  文芸講演(抄)
ノラは家出してからどうしたか
革命時代の文学
魏晋の気風・文章と薬・酒との関係

解説

魯迅年譜


三国志(部分)



(解説)
魯迅と「三国志」――二つの翻訳
小南一郎


(付録)高橋和巳 特別付録11

付録1(資料)

三国志(生原稿)

「世界の文学47『魯迅』」表紙

高橋和巳・高橋たか子電子全集22  高橋たか子 対談、その他 (2023年5月26日配信)

高橋和已・高橋たか子 電子全集22 書影
高橋たか子

(対談集)
対談・性としての女

(座談・対談)
『新しいか』か『わからないか』―朦朧派とよばれる立場 
文学における〝悪意〟――書下ろし長編『空の果てまで』の問題性
澁澤龍彦の真髄
あらかじめ失われているものを見据える明晰な虚無の文学
『誘惑者』について
なぜクリスチャンになったか?
歴史を生きる遊女たち
ボッスの世界――転換期をつらぬく悪魔と神のまなざし
聖なるものと俗なるもの
ナチュラルな女
救いと文学と
死刑囚の愛と救い
テレーズはほんとうに悪魔的な女か
自立、結婚、出産、そして聖母マリア
音と言葉・創造の現場から
女性と悪魔と神秘主義と
生き続けるということ――存在・宗教・表現
カトリックの今後
平均的日本人からみたキリスト教への疑問・質問
祈りの中で書く――『装いせよ、わが魂』をめぐって
根源的な生命の不可思議
『怒りの子』について

(往復書簡)
パリ=東京往復書簡 全12
魂の渇望――往復書簡と対話


(インタビュー等)
君の脳波
「誘惑者」で第四回泉鏡花文学賞を受ける高橋たか子
第四回泉鏡花文学賞を受ける高橋たか子さん
創造力空間の純粋培養『誘惑者』
内なる空
12回川端康成文学賞 受賞の言葉
読売文学賞の人 高橋たか子さん
高橋たか子さん 自選集きっかけに創作再開
ペルソナと青い空
新しい扉の入口にて
生老病死の旅路――意識の深層 信仰で確認
毎日芸術賞の人々 高橋たか子さん


(その他)
意識と存在の謎――ある宗教者との対話


(解説)
対話が導くもの――高橋たか子の小説論と宗教哲学
山内由紀人


(付録)高橋たか子 特別付録11

付録1(編集本)
神の小羊についてゆく (高橋たかこ編)


付録2(資料)
2004年の手帳」より

付録3(資料)
初刊本表紙

(解題)
第二十二巻 解題

山内由紀人

高橋和巳・高橋たか子電子全集23  高橋和巳 対話、講演 (2023年7月7日配信)

高橋和已・高橋たか子 電子全集23 書影
高橋和巳


(対談・座談)
人間に政治をみる文学
文学放談
サラリーマン人生
第二回末川賞小説部門選評
第三回末川賞小説部門選評
第四回末川賞小説部門選評
第五回末川賞小説部門選評
第六回末川賞小説部門選評
第七回末川賞小説部門選評
「アジア主義」の評価
文学と職業
現代において文学は可能か
われらの戦後二十年
新しい日本の文学への期待
日本人の歴史観
現代学生の知的状況
先進後進
現代文学の起点
戦後二十年の思想と革新
戦後学生運動の原点
戦後思想の展望
流動する時代と人間
われらの創造とは何か
現代作家の思想責任
邪教の徒の文学
愛と死と文学
戦後教育をいかに受け止めたか
信仰の政治力学
唐代の詩人たち
日本人の国家意識
第一回現代評論社賞合評
第二回現代評論社賞合評
青春の特権と愛の哲学
現代知識人の役割
文明のかたち
現代の文学と思想
暴力考
人間とは何か
文学による救済は可能か
ふたたび人間を問う
人間にとって戦争とは何か
想像力の根源
想像力の解放と人間の解放
夢と想像力
文学 反抗 革命
ありうる戦後
存在変革への執拗な問い
変革の思想を問う
学生について
教祖的人間について
第十回京都大学新聞懸賞小説選評
激動期をリードする革新政党
エロティシズムと文学
季刊誌『人間として』を語る
なぜ書くか
高橋和巳『日本の悪霊』
混沌の中の創造
解体と創造
「新左翼」の退廃と知識人
情況と文学の展開
京都大学新聞1500号懸賞小説選評
国家・法・裁判
公害と人類の運命
新左翼の思想と行動
開高健著『輝ける闇』
生きつづけることと三島氏らの死
文学者の生きかたと死にかた
世界革命の現実性をどこに求めるか

(インタビュー)
憂鬱を語る世代
現代の文学
私の文学を語る
新時代の文学
わが悪魔論
高橋和巳対話集をめぐって


(テレビ大学講座)
現代小説の課題
現代小説の概観
転向者の文学と近代志向
戦争体験と文学
日常尊重と自己破壊
美と悪と性

文学思想史
文学と運命
文学と自然
文学と宗教
文学と愛
文学と社会
文学と心理
ユートピア文学
文学と政治
現代日本文学の問題

(講演)
文学のくるしみとよろこび
堕落の二重性
現代文学の課題
中国とソ連を旅して
人間の営みにとって文化とは何か
座標軸を動かす文学
これからの人間
直接行動の論理
生涯にわたる阿修羅として
自己否定の論理
全共闘運動と文学精神
大学・戦後民主主義・文学
文学の根本に忘れ去られたもの
現代における想像力の問題
生命について

(年譜)
髙橋和巳年譜
太田代志朗 作成


(付録)高橋和巳 特別付録12

付録1(資料)
初刊本表紙

『文学のすすめ』

「生涯にわたる阿修羅として : 高橋和巳対話集」

「人間として」創刊号

「人間として」6号(髙橋和巳追悼号)

付録2(写真)
髙橋和巳写真館


(解題)
第二十三巻解題
太田代志朗

高橋和巳・高橋たか子電子全集24  高橋たか子  エッセイ4 『終りの日々』ほか (2023年8月11日配信)

高橋和已・高橋たか子 電子全集24 書影
高橋たか子 

どこか或る家―――高橋たか子自選エッセイ集
根源志向をきわめること
日記から
埴谷氏についての寸言
言葉について
「虚」のむなしさ
続・言葉について
届かぬ言葉・届く言葉」
主人公の呟き

証言とは何か?
矢川澄子さん!
近藤信行「海」創刊編集長の眼力
消えて欲しいもの 自分
高橋たか子の日記
プロムナードのコラムでの連載エッセイ

私という者――著者から読者へ

(単行本未収録エッセイ)
遠藤周作論――罪の意識と、劇的なるもの
死に対する礼節
性と笑いと悪魔
子供・この不気味なる存在
こけしの木地山と泥湯温泉へ
中年男の絶対夢
神の問いとしての内面劇
子を持つ後家は強かった(東北に、戦争未亡人を訪ねて)
ルドンの『花瓶の花』
想像力の快楽
うつくしい年齢
晩秋の嵯峨野
黒川紀章の建築における文学性
パイプ・オルガンに聞く祈り
ソ聯旅行を終えて
人間をしつけるとは何か
夫婦の対話
もう一つの世を開示(近藤弘明について)
人間・三枝さん
一対一の危機
私は誰か?
生きる只中のメモ

(解説、書評)
『沈黙』『黄金の国』(遠藤周作)書評
喪われゆくものと喪われぬもの――『走る家族』(黒井千次)書評
生の根源としての官能――『虹時計』(田久保英夫)書評
ひたむきな女の命と業――『海を眺める女」(大原富枝)書評
拡がり出る意識――『水』(古井由吉)書評
重層する意識の全体像をとらえる――『乱反射』(三枝和子)書評
モノローグの彼方 ――『心優しき叛逆者たち』(井上光晴)書評
或る快楽主義――『雨の音』(宇野千代)書評
ただ一本の紫の絹糸 ――『吊橋のある橋』(瀬戸内晴美)書評
浮遊する魂の見るもの ――『春のかぎり』(折目博子)書評
底流する「家」のイメージ ――『此処すぎて』(森内俊雄)書評
『胸の木槌にしたがえ』(井上光晴)解説
若さの抽象性を構築――『四季』(中村真一郎)書評
文明化とは流行とは――「パリ フランス――個人的回想』(ガートルド・スタイン)書評
大自然と人間との劇――『サイロ物語』(米村晃多郎)書評
雪女とは何者だろう?――『雪女』(森万紀子)書評
『キリストの誕生』(遠藤周作)解説
どのように過ぎ越していくか――『神の住い――霊魂の城』(アビラの聖女テレサ)書評

(その他)
31回「対談時評」
32回「対談時評」
「対外時評」――内面性の諸問題 
37回「創作合評」
39回「創作合評」
52回「創作合評」
53回「創作合評」
54回「創作合評」


高橋和巳の七回忌
受賞の言葉(『ロンリー・ウーマン』女流文学賞)
夫、高橋和巳の10回忌
仲良し二人 愛より性 追求した彼女――大庭みな子さんを悼む
大庭みな子さんと私 (追悼・大庭みな子)




高橋たか子の「日記」 
第一部  二〇〇二年十一月二十二日~二〇〇四年九月三十日
第二部  一九九九年七月五日~十二月
パリ日記


終りの日々
二〇〇六年
二〇〇七年
二〇〇八年
二〇〇九年
二〇一〇年 

(解説)

「幸いなる、私の人生最後の日々」――高橋たか子の生涯
山内由紀人



(年譜)
髙橋たか子 年譜
鈴木晶・作成

(付録)高橋たか子 特別付録12
付録1(資料)
「終りの日々」生原稿

付録2(写真)
第45回毎日芸術賞授賞式にて

付録3(資料)
初刊本表紙

(解題)
第二十四巻 解題
山内由紀人

(あとがき)
あとがき
鈴木晶

 

初出:P+D MAGAZINE(2021/08/25)