生誕100年記念企画「福永武彦電子全集」

愛と死と孤独を描いた作家・福永武彦の全著作物をテーマ別に記したオリジナル個人全集です。

福永武彦 大バナー最終版

福永 武彦(ふくなが たけひこ)プロフィール

1918年福岡県生まれ。一高在学中から詩、俳句、小説等の発表を始める。1941年、東京帝国大学仏文科卒。1942年、中村真一郎、加藤周一らと文学同人「マチネ・ポエティク」を結成し、日本語での押韻定型詩の可能性を追求した。戦後、結核で療養生活を余儀なくされるが、戦場での体験や左翼運動を経験した第一次戦後派作家とは、また異質の文学活動を開始した。詩集『ある青春』、短篇集『塔』、長篇小説『風土』を発表。1954年『草の花』により、作家としての地位を確立。以降、学習院大学で教鞭をとりながら、『冥府』『廢市』『忘却の河』等の人間心理の深奥をさぐる多くの作品を刊行。1961年『ゴーギャンの世界』で毎日出版文化賞、1972年『死の島』で日本文学大賞を受賞。1979年永眠。

福永武彦電子全集とは――

■小説は作家自らの熱い想いがこもった初刊本と、最終改訂を行った決定版の両方を原則併載し、「書き換える作家」福永武彦文学の本質に根ざした電子全集
■初刊が旧字旧かな表記の小説は旧字表記で掲載し、新字新かな表記の決定版と併載
■学生時代の部誌に掲載された文章ほか、貴重な未単行本化作品も多数収録
■多彩な作品群をテーマ別に構成し、作品生成過程を中心とした詳細な解題を附す
■全巻に、署名本・識語本や原稿、未発表構想ノート、メモ等の貴重なお宝付録を掲載
■価格は、1巻本体2,500円+税
■全20巻 毎月第3金曜日配信
■対象端末/電子書籍専用端末、スマートフォン、タブレット端末、PC
■販売サイト/主要な電子書店

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最新刊

第20回配信20巻 日記と自筆物に見る福永武彦。(2020年6月19日配信)

【概要】
若き日の福永の苦悩の日々を綴った『戦後日記』『新生日記』に加え、晩年の画文集『玩草亭百花譜』と年譜等を収録した最終巻。“

【収録作品】

1 日記 
福永武彦戦後日記
福永武彦新生日記

2 玩草亭百花譜
『玩草亭百花譜』上
『玩草亭百花譜』中
『玩草亭百花譜』下      
     
3 未収録文、補遺         
ⅰ エッセイ、随筆、推薦文
ジイドに就いての手紙
文学通信 フランス
北東風
ホームズ頌
全集の終りに ―― 『堀辰雄全集』第7巻月報
神西清未発表詩について
信濃追分にて
緑の天国のために
訳者のあとがき ―― 『推理小説の歴史』
訳者序 ―― 『推理小説少史』
趣味的に愛用中
ゴーギャン『タヒチからの手紙』
講談社版『浮世絵 歌麿Ⅰ』
不安の象徴
内容豊富な小説家 ―― 結城昌治『甘い季節』
疑問からの出発 ―― 辻邦生『小説への序章』
眼の愉しみ ―― 「大系世界の美術」内容見本
寿岳文章訳「神曲」推薦文
矢内原伊作『若き日の日記』推薦文
趣味の人 ―― 寺井俊一『歌集 幻翔』
無題:信濃追分本陣旅館 しおり
岡鹿之助の空間

ⅱ 解説文
フォークナー、フォークナー!
『野性の棕櫚』と二重の現実
解説 ―― 『室生犀星詩集』
解説 ―― 『現代日本文学館21 佐藤春夫・室生犀星』
解説解説 ―― 『幼年時代・晩夏』

ⅲ 対談・座談
世界文學主流の中に日本文學の位置を探る  
文壇作家「探偵小説」を語る 
EQM「第一回コンテスト銓衡座談会」 
EQM「第二回コンテスト銓衡座談会」 
戦後文学の批判と確認 中村真一郎 ―― その仕事と人間
母と子・肉親愛の成長
西洋文学との出会い
現代小説と現代詩
川端康成 人と文学
文学と遊びと

4 福永武彦を自筆で観る、読む。
自筆色紙  
自筆草稿「眼の愉しみ」 
自筆草稿「無題」 
1964年秋、金沢・能登旅日記

【附録 特別資料(20)】  

Ⅰ 福永武彦(三十代半ば)と愛用のベレー帽
Ⅱ 自筆書庫図
Ⅲ 印税支払い通知(1948年)
Ⅳ 萩原朔太郎「記念のつどい」での講演要旨
Ⅴ 福永武彦年譜(三坂 剛作成)

配信スケジュール

第1回配信1巻 【「草の花」体験、福永武彦の出発】(2018年10月19日配信

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【概要】
福永の出世作『草の花』を中心に、初めて単行本化された短篇集『塔』、学生時代に書かれた書簡等の貴重な初期作品を多数収録。

【収録作品】
1 草の花
かにかくに(旧字版) 
かにかくに(新字版)  
慰霊歌     
草の花(初刊版)  
「草の花」遠望
草の花(決定版)   
 
2 関連文
病者の心  
詩篇「戸田の春」  
詩篇「ひそかなるひとへの思ひ」  
弓術部部員宛福永書簡(旧字版)  
弓術部部員宛福永書簡(新字版)  
「平野和夫君を偲びて」より俳句三句

3 小品四種
晩春記(初刊版)
晩春記(決定版)
旅への誘い初刊版)
旅への誘い(決定版)
鴉のいる風景(ロマネスク版)
鴉のいる風景(初刊版)
鴉のいる風景(決定版)
夕焼雲(初刊版)
夕焼雲(決定版)

4 『塔』
塔(初刊版)   
塔(決定版)  
雨(初刊版)   
雨(決定版)   
めたもるふぉおず(初刊版)   
めたもるふぉおず(決定版) 
初刊本『塔』巻末のノオト  

【附録】
Ⅰ「開成會會報」第六号、第七号
Ⅱ 第一高等学校弓術部「反求會々報」第十七号
Ⅲ 矢内原伊作宛の献呈署名本二種
Ⅳ 矢内原伊作宛はがき

第2回配信2巻 【『小説風土』、ロマンの創造】(2018年11月16日配信)

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【概要】
福永自ら処女作と呼ぶ長篇『小説風土』を初出版から決定版まで4種収録。対照によって筆者苦心の手入れ痕が確認できる。

【収録作品】

1 小説風土
小説風土 (初出版) 
・第一部 第一章、第二章
・第一部 第三章
・第一部 第四章
・第二部 一日(1)~一日(3)の過去
・第二部 一日(4)~一日(7)の過去
・第二部 一日(8)~一日(12)の過去

小説風土(省略版)
・第一部
・第三部

小説風土(完全版)
・第一部
・第二部
・第三部

小説風土(決定版)
・第一部
・第二部
・第三部

2 関連文 
「風土」初版予告
「風土」完全版予告
(随筆)夢のように

【附録】
Ⅰ『小説風土』本文主要異同表
Ⅱ 自筆「風土構想ノート」より、第一ページ
Ⅲ 自筆「風土構想ノート」より、「1947」年のページ
Ⅳ「自筆手帖1948(1948-1951)」より、「小説風土」関連メモの翻刻文と画像二種
Ⅴ 『小説風土 完全版』寄贈名簿 

第3回配信3巻【先鋭な実験『夜の三部作』、そして『愛の試み』】(2018年12月21日配信

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【概要】
“暗黒意識”を主題にした『夜の三部作』、愛と孤独の様相を正面から描いたエッセイ『愛の試み』。福永文学の精髄に迫る。

【収録作品】
1 『冥府』、『夜の三部作』
冥府 (初刊版) 
冥府 (決定版)
水中花(初刊版)
水中花(決定版)
時計(初刊版)
時計(決定版)
遠方のパトス(初刊版)
遠方のパトス(決定版)
河(初刊版)
河(決定版)
夜の時間(初刊版)
夜の時間(決定版)
深淵(初刊版)
深淵(決定版)
「夜の三部作」初版序文

2 『愛の試み』
愛の試み(初刊版)
愛の試み(決定版)
愛の試み 愛の終り(初刊版)
愛の終り(新字版)
見知らぬ町(新字版)
『愛の試み 愛の終り』特製三十部本付記
新版『愛の試み 愛の終り』序

【附録】

Ⅰ「冥府」「深淵」「夜の時間」「遠方のパトス」本文主要異同表
Ⅱ 福永武彦自筆の「冥府」表紙下絵二種
Ⅲ「夜の時間」広告
Ⅳ「夜の時間」自筆草稿
Ⅴ「冥府」初刊本扉に記された自筆俳句(未発表)
Ⅵ「河」創作ノート 
Ⅶ 東京療養所入所時の自筆メモ二種
Ⅷ ラジオドラマ「ある愛の終り」台本
Ⅸ 福永が療養所で読んだマルカム・カウリー編のヘミングウェイとフォークナーの著書
Ⅹ 「自筆手帖1948(1948-1951)」より「夜の時間」に繋がるメモの翻刻と画像二種

第4回配信4巻【実験の継続『心の中を流れる河』『世界の終り』、そして『夢の輪』】(2019年1月18日配信)

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【概要】
詩篇のような味わいをもつ短篇集『心の中を流れる河』『世界の終り』と、短篇作品「心の中を流れる河」を換骨奪胎し、別の作品として発展展開した未完の長篇『夢の輪』を収録。

【収録作品】
1 心の中を流れる河 
夢みる少年の晝と夜(初刊版)
夢みる少年の昼と夜(決定版)
夢みる少年の晝と夜(限定版)
「夢みる少年の晝と夜」限定版ノオト
秋の嘆き(初刊版)
秋の嘆き(決定版)
風 景(初刊版)
風 景(決定版)
幻 影(初刊版)
幻 影(決定版)
死神の馭者(初刊版)
死神の馭者(決定版)
一時間の航海(初刊版)
一時間の航海(決定版)
鏡の中の少女(初出版)
鏡の中の少女(初刊版)
鏡の中の少女(決定版)
心の中を流れる河(初刊版)
心の中を流れる河 (決定版)
新版『心の中を流れる河』より「再版後記」

2 世界の終り 
夜の寂しい顔(初刊版)
夜の寂しい顔(決定版)
未来都市(初刊版)
未来都市(決定版)
鬼(初刊版)
鬼(決定版)
死 後(初刊版)
死 後(決定版)
影の部分(初刊版)
影の部分(決定版)
世界の終り(初刊版)
世界の終り(決定版)
新版『世界の終り』より「再版後記」

3 夢の輪
夢の輪 序章
夢の輪 (初出版)

【附録】
Ⅰ 「夢みる少年の昼と夜」「鏡の中の少女」「心の中を流れる河」「死後」本文主要異同表
Ⅱ 「自筆手帖1948(1948-1951年)」より「夢みる少年の昼と夜」の創作ノオト画像と翻刻
Ⅲ 一九五四年七月、「夢みる少年の昼と夜」執筆時に取られた創作メモカードの表裏。表の画像と翻刻、裏の画像
Ⅳ 「一時間の航海」創作ノート画像と翻刻
Ⅴ 「心の中を流れる河」創作ノート画像
Ⅵ 「未来都市」創作ノート画像
Ⅶ 「世界の終り」自筆草稿冒頭画像
Ⅷ 長篇『夢の輪』創作ノート画像と翻刻
Ⅸ 長篇『夢と現実』創作ノート(一九五一年七月筆)画像

第5回配信5巻【実験の展開、『廢市』、そして『告別』。】(2019年2月15日配信)

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【概要】
青年のひと夏を描き、後に映画化された「廢市」、ある大学教授の内的独白と死を描いた「告別」を中心に、怪獣映画「モスラ」の原作(中村真一郎、堀田善衛と共作)も収録。

【収録作品】

1 廃市と関連文
廢市(初刊版)
廢市(決定版)
沼(初刊版)
沼(決定版)
飛ぶ男(初刊版)
飛ぶ男(決定版)
樹(初刊版)
樹(決定版)
風花(初刊版)
風花(決定版)
退屈な少年(初刊版)
退屈な少年(決定版)
後記『廢市』        
筑後柳河―作者の言葉

2 告別
告別(初刊版)
告別(決定版)
形見分け(初刊版)
形見分け(決定版)
私の小説作法 
わが小説      
新版後記

3 新潮社版全集未収録文
高原奇聞
発光妖精とモスラ(中村真一郎・堀田善衞共作) 
 〔上〕草原に小美人の美しい歌声  中村真一郎
 〔中〕四人の小妖精見世物となる  福永武彦
 〔下〕モスラついに東京湾に入る  堀田善衛
もう一度行きたい所
時の雫

【附録】

Ⅰ「廃市」「飛ぶ男」「樹」「風花」「告別」の本文主要異同表
Ⅱ「飛ぶ男」創作ノート画像
Ⅲ「樹」創作ノート画像
Ⅳ「風花」創作ノート画像
Ⅴ「退屈な少年」創作ノート画像
Ⅵ 初刊本『廢市』に記された短歌
Ⅶ 初刊本『告別』に記された短歌
Ⅷ 雑誌「少年」附録、漫画「大怪獣モスラ」表紙
Ⅸ 映画「モスラ」新聞広告 
Ⅹ 雑誌「中学時代一年生」附録、「大怪獣モスラ」表紙
Ⅺ ラジオドラマ「時の雫」(1964年10月)放送台本表紙

第6回配信6巻【『ボードレールの世界』、わが同類。】(2019年3月15日配信)

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【概要】
詩人・福永武彦が、自己の作詩体験に裏打ちされた“憂愁の詩人”ボードレール詩篇の
分析と翻訳、解説、小伝等を収録。

【収録作品】

1 ボードレールの世界
初刊本『ボオドレエルの世界』より
序文
ボオドレエルの世界

ボオドレエル年表

『ボードレールの世界』より

ボードレール詩鑑賞三篇
「先の世」注釈
ボードレール
ボードレール小伝
『悪の華』初版
『パリの憂愁』解説的ノート
フランス象徴主義についての簡単なノート
象徴主義
ボードレールその人・その詩
ボードレール全集のこと
ボードレール全集刊行の言葉
全集の完結に当って
ボードレール的人生
リルケとボードレール
一行のボードレール
サルトル『ボードレール』
佐藤正彰『ボードレール』
現代の眼
『ボードレールの世界』
ボードレール・わが同類
校訂についての覚書き(豊崎光一筆)

『世界詩人全集3』より
ボードレール(解説)

『世界名詩集大成3 フランスⅡ』より
シャルル・ボードレール
『悪の華』(初版・再版以降)
『パリの憂愁』

2 訳『ボードレール』
訳『ボードレール』
訳『ボードレール』第2刷のあとがき
訳『ボードレール』第3刷のあとがき

3 悪の華/パリの憂愁
福永武彦編集人文書院版『ボードレール全集』第一巻より
緒言                      
詩人としてのボードレール
ボードレール年譜
訳初版「悪の華」        *平凡社版『ボードレール 悪の華』より
訳再版「悪の華」
訳「新・悪の華」
訳「詩草稿」(断片)
訳「エピローグ草稿」(断片)
訳「パリの憂愁」(小散文詩)   *岩波文庫版『パリの憂愁』改訂版より
解題と注   

4 マラルメ
『世界名詩集14 マラルメ・詩集 ヴェルレーヌ・叡智』より
訳「挨拶」/「窓」/「花々」/「春」/「海の微風」/「エロディアド」/「牧神の午後」の七篇                 
『詩集』
マラルメ小伝

『世界名詩集大成3 フランスⅡ』より
ステファヌ・マラルメ
『詩集』

【附録】
Ⅰ 初刊本『ボオドレエルの世界』短歌入り署名本
Ⅱ 翻訳『ボードレール』献呈先名簿
Ⅲ ボードレール“L’ INVITATION AU VOYAGE”(「旅への誘ひ」)翻訳過程のメモ
Ⅳ 東京療養所内雑誌「群青 4」掲載の翻訳、ボードレール「忘却の河」
Ⅴ 福永武彦旧蔵の鈴木信太郎著『「ステファヌ・マラルメ詩集」考』上・下巻
Ⅵ 『ステファヌ・マラルメ詩集考』完結通知葉書
Ⅶ 初刊本『冥府』に記された、マラルメ「エロディアド」断章より

第7回配信7巻【戦前の文業(散文)、大河小説『獨身者』。】(2019年4月19日配信

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【概要】
中学、高校時代の時代の校友会雑誌に寄稿した小文、未完作『獨身者』等、戦前に書かれた“青春の軌跡”をたどる1巻。

【収録作品】
1 中学時代まで 
(童謡)
ネコトイヌ                                      
(小文)
友に                                        
(翻訳)
幻の歌                                    
(小文)
感動実話
(記事)
弁論部々報
(翻訳)
アーサー王とその騎士
(作文)
百草園遠足記      

2 一高時代に「校友会雑誌」他に発表した散文作品
(小説)
ひととせ(旧字版)–水城哲男 名にて
ひととせ(新字版)–水城哲男 名にて
眼の反逆(旧字版)–水城哲男 名にて
眼の反逆(新字版)–水城哲男 名にて
絶望心理(旧字版)–水上愁己 名にて
絶望心理(新字版)–水上愁己 名にて
(評論)
詩性の敗北 ミモザ館
ニュアンスの問題―フランス映画に於ける―
挽歌、デュヴィヴィエ- –水城哲男 名にて
(小説)
黄昏行(旧字版)
黄昏行(新字版)
(記事)
南軍(理科)
(小説)
「鬼啾」(旧字版)
「鬼啾」(新字版)
(編集後記)
「校友会雑誌」の編輯後記 第355号~第358号

3『獨身者』
獨身者(初刊版)
獨身者(決定版)

4 映画評論(1937年-1940年)
(評論)
悲劇の喪失
意欲の平行
消耗児シュヴァリエ
仏蘭西映画の一年
文藝映画/月下の若武者/海の若人
時代映画に望む/脱出の記録/ステラ・ダラス
遺産と公式/★★(「南風」評)/北海の子
とらんぷ譚/頬白先生―明るい人間像/★★(「はたらく一家」評)/忘れがたみ/マルコ
ポーロの冒険
八木保太郎/看板裏/★★(「早春」評)/俺が法律だ!/海と青年
 —北原行也 名にて(以下同)
内田吐夢に関する断想/曉に帰る 
ウィリアム・ワイラーの態度/樋口一葉と道化の町/青春問答 
大人の演技・その他/美しき青春/採輯しなりお 美しき青春 
大劇場進出/眞人間/地中海/生活の悦び/猫橋 
ナポリのそよ風
欧州映画俳優の印象/俳優を語る 小杉勇/俳優を語る 水町庸子/演技と印象
/文学座を見る/不思議なヴィクトル氏 
四監督を囲む座談会/軌跡と性格・その一 
欧州映画・一九三九年/三つの足ぶみ/コンドル 
「大仏開眼」を見る 
感想/美しき争ひ/宮本武蔵 
冷たさについて/文学座・五月座・藝術小劇場/フロウ氏の犯罪/忘却の沙漠へ
新協劇団・青年劇場/幻の馬車
東童・文学座・新築地/明日来りなば
新劇の明日 
構成の断層について/諷刺と抒情/藝術小劇場と文学座/風の又三郎/大平原 
影像雑記(福永武彦 名にて)/新劇への期待/ノートルダムの傴僂男 
—「影像雑記」のみ福永武彦 名にて

5 翻訳 
『北緯六十度の戀』
年若き友の思ひ出に
ホアン・ミロについて
カルマ(業)/日本とイタリア
ダンテ
『民俗學概説』序

【附録―特別資料(7) 九州日報、福永自筆家系図、獨身者創作ノートほか】

Ⅰ 福永末次郎より武彦宛書簡封筒と文面(1961年1月16日)
Ⅱ「九州日報」一九二四年年二月二日夕刊掲載文。右上、「子供くらぶ」欄
Ⅲ 母トヨ死去の新聞への告知。「九州日報」一九二五年四月十五日朝刊
Ⅳ 福永自筆家系図(一九七〇年四月一〇日記)
Ⅴ『獨身者』創作ノートより、第七章、第十一章、第十八章
Ⅵ 限定版『獨身者』の装幀者、岡鹿之助宛識語署名画像
Ⅶ 雑誌「映画評論」表紙と目次(部分)
Ⅷ『ピランデルロ短篇選集』訳山口淸

第8回配信9巻【『完全犯罪』、推理小説の領域。】(2019年5月17日配信

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【概要】
福永のもう一つの顔“探偵小説作家・加田伶太郎”名で書かれた作品を中心に、推理小説、エッセイ、翻訳作品等を纏めた1巻。

【収録作品】

1 加田伶太郎作品集
Ⅰ 『完全犯罪』
完全犯罪 序
完全犯罪(初刊版) 
完全犯罪(決定版) 
幽霊事件(初刊版)
幽霊事件(決定版)
温室事件(初刊版) 
温室事件(決定版) 
失踪事件(初刊版) 
失踪事件(決定版) 
電話事件(初刊版)  
電話事件(決定版)  
「跋」江戸川乱歩 

 Ⅱ 『加田伶太郎全集』
加田伶太郎全集 序
眠りの誘惑 (初刊版)
眠りの誘惑(決定版)
湖畔事件(初刊版)
湖畔事件(決定版)
赤い靴(初刊版)
赤い靴(決定版)
女か西瓜か(初刊版)
女か西瓜か」(決定版)
サンタクロースの贈物(初刊版)
サンタクロースの贈物(決定版)
地球を遠く離れて(初刊版)
地球を遠く離れて(決定版)
素人探偵誕生記(初刊版)
素人探偵誕生記(決定版)
作者を探す三人の登場人物
2 深夜の散歩 
『深夜の散歩』(中村真一郎、丸谷才一共著)――第1~18回。福永武彦執筆分
探偵小説の愉しみ
探偵小説と批評
推理小説とSF
『深夜の散歩』の頃

3 関連文     
隠れんぼ
文学クイズ 出題者のことば
最近の推理小説
スパイ
銓衡委員のことば
99の傑作探偵小説、100番目の傑作は?
日本の傑作探偵小説9篇
松本清張氏の推理小説について―作・品・解・説―
トンネル 
第三回EQMM短篇コンテスト選後評
クセジュ文庫の効用
デュレンマット『嫌疑』
第四回EQMM短篇コンテスト選後評
ポーについての一問一答
解説『昭和国民文学全集13 江戸川乱歩集』

4 翻訳  
訳『矢の家』

【附録 特別資料(9)】  
Ⅰ『完全犯罪』夷齋先生(石川淳)宛ペン歌署名入り

Ⅱ『加田伶太郎全集』白井健三郎宛ペン識語署名入り
Ⅲ「湖畔事件」創作ノート
Ⅳ「サンタクロースの贈り物」創作ノート
Ⅴ 文学クイズ解答。「週刊新潮」一九五六年八月二十七日号
Ⅵ エラリイクイーンズミステリマガジン」一九五六年七月創刊号表紙
Ⅶ「エラリイクイーンズミステリマガジン」第二十八号。「EQMM短篇探偵小説第一回日本コンテスト」応募要領と「銓衡委員のことば」
Ⅷ「別冊クイーンマガジン」一九五九年秋季創刊号表紙――「女か西瓜か」掲載
Ⅸ 加田伶太郎草稿「ポーについての一問一答」冒頭

第9回配信10巻【『ゴーギャンの世界』、彼方の美を追い求めて。】(2019年6月21日配信

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【概要】
若き日に大原美術館で出会ったゴーギャン作「かぐわしい大地」に圧倒され追い続けた「ゴーギャンの謎」。各藝術評論は藝術家・福永の「作品」でもある。

【収録作品】

1 ゴーギャンの世界
ゴーギャンの世界
ゴーギャン年表/主要繪畫作品表
文獻目錄
後記
作品解説 ゴッホ/ゴーガン
私の一点   

2『藝術の慰め』
藝術の慰め
後記

3『意中の画家たち』
意中の画家たち

4『彼方の美』
彼方の美

5 書評・藝術評論
書評 平凡社版『世界名画全集』
私の内なる音楽
美と所有

6インタヴュー
芸術と生活の背反  『ゴーギャンの世界』の福永武彦氏
ゴーギャンに憑かれて  毎日出版文化賞の福永武彦氏

【附録 特別資料(10)】  
Ⅰ 自筆創作ノートより「ゴッホとゴーギャンに関する補足的主題」冒頭画像
Ⅱ 自筆草稿「私の一点」冒頭画像
Ⅲ 福永自筆、ヘンリー・ミラー絵画のラフな模写
Ⅳ 自筆「藝術の慰め」創作ノートより、ムンク
Ⅴ 福永武彦自筆、岡鹿之助宛はがき
Ⅵ 福永武彦自筆手帖、1979年1月
Ⅶ 川上澄生装幀本
Ⅷ『ゴーギャンの世界』刊行時、友人、知人に配布された三〇部限定の小冊子
Ⅸ『ゴーギャンの世界』歌・献呈毛筆署名入り第五刷
Ⅹ 新装版『藝術の慰め』 見返し(遊び)に書かれた漢詩

第10回配信12巻【『忘却の河』『幼年』、童話。】(2019年7月19日配信

fukunaga12_0227【概要】
愛の挫折とその不在に悩み、孤独な魂を抱えて救いを希求する家族5人の葛藤を描いた
傑作『忘却の河』と『幼年』、童話作品を収録。

【収録作品】
1 忘却の河
忘却の河(初刊版)
忘却の河(決定版)
「忘却の河」創作ノオト

2 幼年
幼年(初刊版)       
「幼年」について  
幼年(決定版)  

3 童話
猫の太郎
おおくにぬしのぼうけん

4 翻訳
「玩具のモラル」ボードレール

【附録―本文主要異同表、特別資料(12)】

Ⅰ『忘却の河』本文主要異同表(初出→初刊版)
Ⅱ『幼年』本文主要異同表(初出→初刊版→新版→全小説版)
Ⅲ『忘却の河』ラジオ台本表紙画像
Ⅳ『忘却の河』創作ノート
Ⅴ『幼年』構想メモ。一九四八年の自筆手帳より画像と翻刻文
Ⅵ 『幼年 その他』識語献呈本
Ⅶ 青柳尋常小学校 第十六回卒業生、「六男一組」集合写真
Ⅷ 母、トヨ遺品の聖書
Ⅸ 福永末次郎自筆、雑司ヶ谷周辺略地図
Ⅹ 童話「猫の太郎」第七回掲載「ディズニーの国」終刊号表紙
Ⅺ 童話『おおくにぬしのぼうけん』中面頁より(一部)

第11回配信15巻『別れの歌』、随筆の家としてⅠ。(2019年8月16日配信

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【概要】
師・堀辰雄との交情を収録した初随筆集『別れの歌』と『遠くのこだま』『枕頭の書』
等の随筆に、対談集『小説の愉しみ』を収録。

【収録作品】
1 随筆集
第一随筆集『別れの歌』
第二随筆集『遠くのこだま』
第三随筆集『枕頭の書』

2 単行本未収録随筆
孤独の味
午年の作家の日記
絵そらごと
小説を信じたい
引越しやつれ
凝っては思案に能わず
無意志的
著作家の手紙(1961年7月)
著作家の手紙(1962年3月)
私の少年時代
作家が選んだノン文芸書
堀さんと軽井沢
まれに木の葉の飛ぶさへや

3 対談・鼎談
『小説の愉しみ 福永武彦対談集』
文学と私 (モノログ)
内的独白と時間構造 (対談)☓丸谷才一
しろうと探偵小説問答 (対談)☓中村真一郎
「加田怜太郎全集」を語る (鼎談)☓結城昌治、都筑道夫
自由と死の谷間で (対談)☓中村真一郎
文学的出発のころ (鼎談)☓中村真一郎、遠藤周作
文学的時間について (対談)白井健三郎
詩と小説と映画と (対談)☓長谷川泉
写生について (対談)☓岡鹿之助
福永の喋り方ーーあとがきに代えて 
対談・座談 初出一覧

   
【附録―特別資料(15)】
Ⅰ 福永武彦自筆書簡  
Ⅱ『別れの歌』献呈署名本
Ⅲ『枕頭の書』献呈署名本
Ⅳ 福永武彦編『日本文学全集24 室生犀星集』
Ⅴ 自筆草稿「文士の本懐」の全画像

第12回配信16巻『夢のように』、随筆の家としてⅡ。(2019年9月20日配信

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【概要】
雑誌連載「十二色のクレヨン」を収録した随筆集『夢のように』や『書物の心』、最後の随筆集となった『秋風日記』を収録。

【収録作品】
1 随筆集
第四随筆集『夢のように』
「十二色のクレヨン」追加文
第五随筆集『書物の心』
第六随筆集『秋風日記』

2 単行本未収録随筆
リトル・マガジン讃
信濃追分の便不便
寮歌ぎらい
バロック風現代音楽
書斎の憂鬱
結城君のこと
ニコチン過敏症
信濃追分の春は—- 
室生犀星の最後の一瞥
 

3 インタヴュー
病気のこと 仕事のこと

【附録 特別資料(16)】  
Ⅰ 一九六九年三月三日「朝日新聞 東京版」記事
Ⅱ『夢のように』献呈署名本
Ⅲ『書物の心』献呈署名本
Ⅳ『秋風日記』献呈署名本
Ⅴ『内田百閒全集』推薦文の自筆草稿
Ⅵ『秋風日記』校正刷り(再校)
Ⅶ 一九七五年、一九七六年の福永著書、刷数と発行部数
Ⅷ 自筆草稿「シベリウスの年譜」の全画像

第13回配信13巻【『風のかたみ』、古典文学の継承。】(2019年10月18日配信

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【概要】
『古事記』『今昔物語』等の現代語訳版に加え、王朝エンターテインメント小説『風のかたみ』を含む“古代ロマン”に満ちた一巻。

【収録作品】
1 風のかたみ           
風のかたみ(初刊版)
風のかたみ (決定版)
野 風 (旧字版)
野 風 (新字版)

2 古事記物語
古事記物語
妣の国

3 現代語訳『古事記』・『今昔物語』、その他         
訳「古事記」(全)
訳「日本書紀」(抄)
訳「風土記」(抄)
訳「琴歌譜」(抄)
訳「琴歌譜」(全)
訳「神楽歌」(抄)
訳「催馬楽」(抄)
訳「風俗歌」(抄)
歌謡略注
訳「今昔物語」
訳「文正草子」
訳「浦島太郎」
訳「福冨長者物語」

4 関連文   
私の近刊  現代語訳『古事記』
『古事記』訳者の言葉
私訳「今昔」縁起
古代人の詩的幻想
十戒と古事記
『今昔物語』の世界
訳者のことば 『古事記 風土記 日本霊異記 古代歌謡』
日本古典の現代語訳
1現代の『源氏物語』
2それについての多少の意見
私と古典「ずばり今昔物語」

【附録―特別資料(13)】
Ⅰ『風のかたみ』本文主要異同表(初出→初刊版)
Ⅱ『風のかたみ』献呈署名本二種
Ⅲ『風のかたみ』創作ノート
Ⅳ 映画『風のかたみ』台本
Ⅴ 未完の草稿「鷹狩の一夜」
Ⅵ「今昔物語」を素材とした作品創作ノート

第14回配信14巻【ロマンの展開『海市』、「後期六短篇」。】(2019年11月15日配信

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【概要】
過去現在を交錯させ愛の運命を描いた『海市』と、福永自身「小説くさい小説」と言わしめた後期を代表する短篇6篇等を収録。

【収録作品】
1 『海 市』
『海 市』(初刊版)
著者の言葉
『海 市』(決定版)
『海 市』作品の背景

2 後期六短篇
傳 説(初刊版)
傳 説(決定版)
邯 鄲(初刊版)
邯 鄲(決定版)
風 雪(初刊版)
風 雪(決定版)
あなたの最も好きな場所(初刊版)
あなたの最も好きな場所(決定版)
湖 上(初刊版)
湖 上(決定版)
大空の眼(初出版)
大空の眼(決定版)
『幼年 その他』後記

3 翻訳 
訳「家なき子」(マロ作  大久保輝臣共訳 )
『家なき子』の余白に

【附録 特別資料(14)】  
Ⅰ『海市』本文主要異同表(初刊版→全小説版)
Ⅱ 六短篇、本文主要異同表(全版対照)
Ⅲ『海市』短歌、詩篇入り本二種 
Ⅳ『海市』創作ノート
Ⅴ 連続テレビドラマ『海市』企画書
Ⅵ 自筆草稿『海市』「著者の言葉」
Ⅶ「邯鄲」創作ノート
Ⅷ「風雪」創作ノート
Ⅸ「湖上」創作ノート
Ⅹ 自筆草稿「大空の眼」冒頭

第15回配信17巻『内的獨白』、『異邦の薫り』、考証と校勘。(2019年12月20日配信)

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【概要】
師・堀辰雄の「父」を検証した『内的獨白』、愛書家として記した書物エッセイ集『異邦の薫り』『絵のある本』等を一同に収録。

【収録作品】
1 内的獨白
内的獨白

2 異邦の薫り
異邦の薫り
予告文「異邦の薫り」

3 編纂本
堀辰雄・福永武彦版『我思古人』
堀辰雄「菜穂子」創作ノオト及び覺書
  
4 絵のある本
絵のある本

【附録 特別資料(17)】  
Ⅰ 福永武彦自筆『内的獨白』装幀スケッチ
Ⅱ 篠田一士宛自筆はがき
Ⅲ『異邦の薫り』献呈署名本
Ⅳ『異邦の薫り』の巻末「索引」校正刷
Ⅴ『我思古人』関連資料「明清二代名人印譜」 
Ⅵ 『絵のある本』掲載検討書目(福永自筆手帖より)

第16回配信18巻『死の島』、ロマンの完結。(2020年1月17日配信

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【概要】
福永文学の集大成・長篇『死の島』と、その原型ともいえる短篇「カロンの艀」。晩年の作品「海からの聲」「山のちから」を収録。

【収録作品】

1 死の島
死の島(初出版)
死の島(決定版)
死の島(決定版)索引
「死の島」ノオト断片
カロンの艀(旧字版) 
カロンの艀(新字版) 

2『死の島』関連のインタヴュー、予告文
『死の島』を書いた福永武彦氏
訪問『死の島』で日本文学大賞を受けた福永武彦氏
「死の島」予告(一)
「死の島」予告(二)
作者の言葉
日本文学大賞受賞の言葉

3 『死の島』以降
海からの聲(初出版)
海からの聲(初刊版)    
遺稿「 山のちから」
未定稿「山のちから」     
著者の言葉
『福永武彦全小説』より「序」
小説論のための小さな見取図

4 対談        
「死の島」と福永文学                     篠田一士
「小説の発想と定着」                     菅野昭正

【附録 特別資料(18)】  
Ⅰ 『死の島』「本文主要異同表」と「章題対照表」
Ⅱ 『死の島』歌入り献呈署名本
Ⅲ 福永武彦自筆草稿「梗概」
Ⅳ 『死の島』創作ノートより「終結部」
Ⅴ 『死の島』創作ノート、一九六一年十二月
Ⅵ 福永武彦自筆手帖、一九五二年より(『死の島』、「カロンの艀」)
Ⅶ 「山のちから」創作ノート

第17回配信19巻 詩人、福永武彦。(2020年2月28日配信

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【概要】
“詩人・福永武彦”による詩篇、短歌、俳句、漢詩の創作物に加え、ロオトレアモン、ボードレール、マラルメ等の訳詩等を一同に会した一巻。

【収録作品】

1 一高・帝大時代に各雑誌に発表された詩篇・俳句
俳句「白蟻」三句
忍冬の實
旅愁 朗吟調即興詩
火のまち
幻滅
その昔
湖上愁心
荒野に泣く
白き花の詩
桃源
旅人の宿
ある青春
詩法
火の島  ただひとりの少女に

2 戦後、各紙誌に発表された詩篇(1945-1966年)
晩い湖
眠る兒のための五つの歌 ―「ある青春」のエピロオグ―」
詩人の死
聖夜曲
或る青春
火の島 ただひとりの少女に
聖夜曲
心の風景
ある青春
冬の王
物語
誕生/星/冥府/宿命/薔薇/饗宴/詩法  ―-ソネット集-―夜 として
その一 母と子 「散文詩二題」より
その二 果物の味 「散文詩二題」より
死と轉生Ⅰ
死と轉生Ⅱ
死と轉生Ⅲ
死と轉生Ⅳ
死と轉生Ⅰ~Ⅳ  (改稿篇)
仮面
高みからの眺め
北風のしるべする病院

3 福永武彦詩集/短歌
自筆詩稿:福永武彦自筆ノオト
ある青春
初刊本『マチネ・ポエティク詩集』
初刊本『福永武彦詩集』
「詩作品目録」と「詩集書目」
小型版『福永武彦詩集』
後書き
枡型決定版『福永武彦詩集』
初出「櫟の木に寄せて」
限定版『櫟の木に寄せて』
普及版の「追記」 
限定版『夢百首 雜百首』
普及版の「追記」

4 戦中・戦後、単行本と各誌に発表された訳詩 
ロオトレアモン「マルドロオルの歌」より
年老いた大海の章/えるまふろぢつとの章/峻厳な数學の章/神秘な二人の兄弟の章
赤い洋燈の章
ジョルジュ・ユニェ「ホアン・ミロ」
マラルメ「エロディアド」
ボオドレエル「夕べの諧調」
ボオドレエル「先の世」 
ボオドレエル「憂愁と放浪」 
ボオドレエル 詩抄十篇
 お前にこれらの詩篇を捧げる―/憂愁/反轉/深淵より叫びぬ/いつもこのままに/異邦の薫/髪/旅への誘ひ/戀人達の死/靜思
ボオドレエル 詩抄
 照應/人と海/哀れな孤獨の魂よ—-
マラルメ「窓」
ボオドレエル「忘却の河」
ヌーヴォー「愛の愛」、「最後のマドリガル」
ラフォルグ「かなわぬ夢」「けなげな秋」
ノワイユ夫人「後の想ひ」
ボードレール「”悪の華”抄」「”パリの憂愁”抄」
ランボー「醉ひどれ船」
ボードレール「憂愁と放浪」 
ファルグ『詩篇』
マラルメ「挨拶」「窓」「花々」「春」「海の微風」「エロディアド」「牧神の午後」
ランボー「ジャンヌ・マリイの手」「しらみを探す女たち」
ヌーヴォー『ヴァランチーヌ』より
接吻/、恋人/最後のマドリガル
アポリネール「ミラボー橋」
ジャム「やがて雪が—-」 
ポオ「ヘレンに」「眠る女」「レノア」「不安の谷」「夢の国」「鴉」「ユーラリイ―唄」「ウラルーム―譚詩」「ヘレンに」「アナベル・リイ」
 
5 訳詩集
初刊訳詩集『象牙集』
新版訳詩集『象牙集』

【附録 特別資料(19)】
Ⅰ 普及本『ある靑春』扉の自筆詩篇
Ⅱ 特装本『ある靑春』、辰野隆宛献呈署名
Ⅲ 詩集『ある靑春』の献呈先名簿
Ⅳ 初刊本『福永武彦詩集』扉に毛筆で記された自筆短歌
Ⅴ 普及本『櫟の木に寄せて』、堀多恵子宛献呈署名
Ⅵ  自筆俳句
Ⅶ 普及本『夢百首・雜百首』扉に記された短歌と献呈署名
Ⅷ 「夢百首」自筆草稿より
Ⅸ 東京療養所内雑誌「群青」第四号(1951年1月)
Ⅹ  新版『象牙集』扉、串田孫一宛毛筆献呈署名箋

第18回配信11巻  近・現代日本文学評論。(2020年3月20日配信

fukunaga11_0828【概要】
日本の近現代文学について、作家の目線から「文学作品」として生み出された評論文の数々。「群像」での創作合評も興味深い。

【収録作品】
1 福永武彦作品批評B
『福永武彦作品批評B』

有明詩の問題
ある小説家の反省
現代小説に於ける詩的なもの
文壇沈滯について
小説の方法について
ある微妙なもの
小説についての二三の斷片
私にとっての音樂
建築としての小説
気の弱い文藝批評
サイデンステッカー氏へ
註文の多い文藝批評
今月の問題作五選(Ⅰ~Ⅲ)
文藝時評(Ⅰ~Ⅲ)
『ある靑春』ノオト  
「マチネポエチック作品集」解説
矢内原伊作『若き日のための思索』ノオト
梅崎春生『砂時計』解説
室生犀星『あにいもうと』『女の図』解説
『川端康成・福永武彦集』解説
石川淳『紫苑物語』解説
安藤元雄『秋の鎮魂』序
『神西清詩集』ノオト
普及版『堀辰雄全集』刊行の言葉
結城昌治『ひげのある男たち』序
『室生犀星集』解説
『堀辰雄集』解説
川端康成『高原』解説
川端康成『伊豆の踊子』解説
『萩原朔太郎詩集』解説
『堀辰雄詩集』解説
『室生犀星詩集』解説

2 意中の文士たち 上・下
『意中の文士たち』上巻

鷗外、その野心
鷗外、その挫折
鷗外集解説
漱石三部作について
芥川龍之介小論
荷風の「花火」の一節について
「夜」の藝術家と「昼」の藝術家
梶井基次郎、その主題と位置
中島敦、その世界の見取図
川端康成集解説
末世の人
 初出一覧

『意中の文士たち』下巻

堀辰雄の作品
堀辰雄と外国文学の多少の関係について
堀辰雄の作品「荷風抄」
萩原朔太郎の肖像
室生犀星小伝
室生犀星の詩集
 初出一覧
正誤表

3 人物評、解説
作家の描く風土
堀辰雄の手紙
石川さんの魅力
中村眞一郎
人物案内 加藤周一
信濃追分
一城の主たちへ
アンケート「測量船」
作家と作品 堀辰雄集解説
高橋元吉について
神西清
堀辰雄
『堀辰雄全集』編輯雑記
青春の餘燼

4 鼎談(創作合評)
創作合評98~100回 ☓荒正人、加藤周一
創作合評128~130回 ☓中村真一郎、加藤周一
創作合評194~196回 ☓河盛好蔵、青柳瑞穂
創作合評218~220回 ☓山本健吉、本多秋五
創作合評251~253回 ☓木下順次、遠藤周作
創作合評269~271回 ☓平野謙、三浦朱門

5 書評
中村光夫『小説の読み方』/桑原武夫『世界文学入門』
吉田健一『東西文学論』
「漂着物」を推す
北條民雄「いのちの初夜」

6 内容見本
真の意味での娯楽に徹した作家
『堀辰雄全集』編輯にあたって
生命の力
杢太郎の最後の夢

7 群像新人文学賞寸評
寸評(1973.年)
寸感(1974年)
寸評(1975年)
寸評(1976年)
寸評(1977年)

【附録 特別資料(11)】  

Ⅰ 福永武彦自筆手帖1965年より、『福永武彥作品』の企
Ⅱ 教課用特別本『福永武彥作品 批評B』、源高根宛献呈識語
Ⅲ 著者家蔵本『福永武彥作品 批評B』、中村真一郎宛献呈署名本
Ⅳ 初刊本『意中の文士たち』上、献呈署名本
Ⅴ 普及版『堀辰雄全集』(新潮社)構成案
Ⅵ 福永武彦自筆「末世の人」構想原稿
Ⅶ 福永武彦自筆手帖より「杢太郎詩選」一覧

第19回配信8巻 外国文学評論、翻訳。(2020年4月24日配信

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【概要】
敗戦直後の日本文学へ警鐘を鳴らす評論集として大きな反響を呼んだ『1946 文學的考察』等、外国文学への評論を纏めた一巻。

【収録作品】
1 評論/研究
(評論)
1946文學的考察
文學の交流
ダンテの「地獄」と僕たちの地獄
二つの現實
二人の復員兵
作家と行動
ジャン・ポオル・サルトルとジョン・ドス・パソス
オイヂプスの運命
人間の發見
『1946文學的考察』再版の序
実存主義文学
『福永武彦作品批評A』より
現代フランス小説
純粋詩の系譜 マラルメとヴァレリイ
アヴァンギャルドの精神
フォークナー覚え書
ロオトレアモン「マルドロオルの歌」
アンドレ・ジイドの平衡秤
ドス・パソスの時間
七つの恋愛小説
ケッセルの冒険
一九五五年椋鳥通信
ヘミングウェイと象徴
ロマンの愉しみ
「嫉妬」について
RMGの青春小説
先見の明
ファークナーと私
(研究)
ジュリアン・グリーン研究
グリーンランド案内

2 講義
『二十世紀小説論』
講義草案
解題 (豊崎光一)

3 翻訳
(翻訳)
早春           作・ヴァレリー・ラルボー
悪魔のソナタ      作・ジェラール・ド・ネルヴァル
アンドレ・ジイド     作・ロジェ・マルタン・デュガール

4 序跋、紹介文
トロワイア『蜘蛛」--小作家論のⅠ--
『蜘蛛』の「アンリ・トロワイヤとその作品」と「翻訳について」
作家の顔 JULIEN GREEN
『幻を追ふ人』(ジュリアン・グリーン)の「訳者あとがき」
『運命(モイラ)』(ジュリアン・グリーン)の「訳者あとがき」
マルタン・デュ・ガール「ジイド論」のまえがき
『賭はなされた』(サルトル)の「あとがき」(福永部分)
(映画評)「罪と罰」
(推薦文)サンテグジュペリの生涯
「ダルタニャン物語」あとがき

5 書評    (単行本・全集未収録文)
サンソム著『肉体』/ケッセル著『恋路』
四冊の訳詩集
フランソワーズ・サガン著『ある微笑』
アンドレ・ドーテル/新庄嘉章・稲田三吉訳『遙かなる旅路』
平井啓之著『ランボオからサルトルへ』

6 フランス文學辞典 より
ルヰ・アラゴン
アンリ・バルビュス
パスキエ家年代記
ドリュ・ラ・ロシェル
ジョセフ・ケッセル
ジュリヤン・グリーン
ロートレアモン伯

7 内容見本より   (単行本・全集未収録文)
未来を志向する実験的な作品
新作待望

【附録 特別資料(8)】  
Ⅰ 初刊本『1946文學的考察』、長谷川泉宛加藤周一自筆署名
Ⅱ 福永武彦自筆ノート「世界文学の主流」
Ⅲ 初刊500部本『福永武彦作品 批評A』扉の福永武彦自筆詩
Ⅳ 教課用200部本『福永武彦作品 批評A』、源高根宛識語署名
Ⅴ 福永武彦自筆草稿「椋鳥通信 小引」全文
Ⅵ 福永武彦自筆絵(1959年「文藝手帳」)

第20回配信20巻 日記と自筆物に見る福永武彦。(2020年6月19日配信

【概要】
若き日の福永の苦悩の日々を綴った『戦後日記』『新生日記』に加え、晩年の画文集『玩草亭百花譜』と年譜等を収録した最終巻。“

【収録作品】

1 日記 
福永武彦戦後日記
福永武彦新生日記

2 玩草亭百花譜
『玩草亭百花譜』上
『玩草亭百花譜』中
『玩草亭百花譜』下      
     
3 未収録文、補遺         
ⅰ エッセイ、随筆、推薦文
ジイドに就いての手紙
文学通信 フランス
北東風
ホームズ頌
全集の終りに ―― 『堀辰雄全集』第7巻月報
神西清未発表詩について
信濃追分にて
緑の天国のために
訳者のあとがき ―― 『推理小説の歴史』
訳者序 ―― 『推理小説少史』
趣味的に愛用中
ゴーギャン『タヒチからの手紙』
講談社版『浮世絵 歌麿Ⅰ』
不安の象徴
内容豊富な小説家 ―― 結城昌治『甘い季節』
疑問からの出発 ―― 辻邦生『小説への序章』
眼の愉しみ ―― 「大系世界の美術」内容見本
寿岳文章訳「神曲」推薦文
矢内原伊作『若き日の日記』推薦文
趣味の人 ―― 寺井俊一『歌集 幻翔』
無題:信濃追分本陣旅館 しおり
岡鹿之助の空間

ⅱ 解説文
フォークナー、フォークナー!
『野性の棕櫚』と二重の現実
解説 ―― 『室生犀星詩集』
解説 ―― 『現代日本文学館21 佐藤春夫・室生犀星』
解説解説 ―― 『幼年時代・晩夏』

ⅲ 対談・座談
世界文學主流の中に日本文學の位置を探る  
文壇作家「探偵小説」を語る 
EQM「第一回コンテスト銓衡座談会」 
EQM「第二回コンテスト銓衡座談会」 
戦後文学の批判と確認 中村真一郎 ―― その仕事と人間
母と子・肉親愛の成長
西洋文学との出会い
現代小説と現代詩
川端康成 人と文学
文学と遊びと

4 福永武彦を自筆で観る、読む。
自筆色紙  
自筆草稿「眼の愉しみ」 
自筆草稿「無題」 
1964年秋、金沢・能登旅日記

【附録 特別資料(20)】  

Ⅰ 福永武彦(三十代半ば)と愛用のベレー帽
Ⅱ 自筆書庫図
Ⅲ 印税支払い通知(1948年)
Ⅳ 萩原朔太郎「記念のつどい」での講演要旨
Ⅴ 福永武彦年譜(三坂 剛作成)

初出:P+D MAGAZINE(2018/10/17)