みんなのレビュー >>>『ダンデライオン』

【ネタバレあり】とあるレビューには、ストーリーの詳細に触れている部分がございます。
 まだ小説をお読みになっていない方は、その点、どうかご留意ください。
 


makiさん ★★★★★

プルーフ本の表紙に書いてある通り、正にミリ単位で計算された完璧すぎる作品でした。
中田先生は以前から大ファンですが、このダンデライオンも他の誰にも書けない、唯一無二の作品だと思いました。
読みやすい文章でありながら、緻密に計算されたストーリー展開に何度も鳥肌が立ちました。
少し複雑なタイムリープのお話ですが、不思議と読みにくさや難しくて理解できないところなどもなかったです。
作中に実際に起こった出来事や過去の物などが出てきますが、懐かしかったり不思議な気持ちになりました。
よりリアリティーも感じました。
とても面白く、完成された素晴らしい作品だと思います。
少しずつ読むつもりが、時間を忘れて一気に読み進めてしまいました。
もし読むのを迷っているなら、後悔させないから是非読んでと伝えたいです。


さくごさん ★★★★★

青春SFと聞いて同著者『地球に磔にされた男』のようなオーバーテクノロジーありありのがっつりSFだとおもっていたんですが、読んでみたところすこしふしぎ感のある古典SF様式だったのでちょっと肩透かしを食らいました。が、
【1999年】──世界が終わると信じられた年。そして20年後【2019年】──平成が終わったあとの年。
 この舞台設定だけで心が躍ってしまったので、自分はちょろいなあとおもいます。
『Calling you』『しあわせは子猫のかたち』『暗いところで待ち合わせ』など、「ふたりの関係」を描いた作品で右に出るもののない作者が新たに書いた、時間に縛られた男の子と、肉親の死に縛られた女の子が、解放にむかう物語。
 短編と同じ濃度で長編の「関係性」をぶちこまれたファンは、潔く頭を垂れて介錯を待つしかない。
 高校生のときに読みたかったと思うと同時に、ある程度育ったいま味わえることの贅沢を噛みしめて。


由霞さん ★★★★★

一見、よくあるタイムリープ小説かと思いきや、なにかが違った。
早く続きが読みたくて、読むことを止められないドキドキ感と、
どうなるかわからず、ページをめくることが怖くなる恐怖感。
なぜ、(別名義ではなく)中田永一なのか…? と最後まで疑問だったが、最後の最後に、あっ、中田永一だ。と思わされた。


めいむさん ★★★★★

【ネタバレあり】
ただのタイムリープ小説ではなかった! 後半40ページで次々回収されていく伏線と、犯人との乱闘シーンのリアルな描写はさすが中田永一と感じた。タイムリープ小説は過去にも読んだことがあったが、どれも読了後に疑問に思う点が多かった。しかし、この本では疑問点はなく、スッキリと読むことができた。また後半にいくにつれての伏線回収がきれいで、一気に読みたくなるストーリーだった。タイムリープして目的を果たすだけでなく、「観測済み」以降のストーリーもハラハラドキドキだった。読み終えた直後ですが、今すぐにでももう一度読み直したい気分です。


keisukeさん ★★★★

【ネタバレあり】
とても優しいミステリー。タイムトラベルだけどミステリーだと思う。疑問に思ってた事がちゃんと返ってくる心地よさ。乙◯でなく中田永一だからここまで優しいのかな(笑)ただ一点気になったのは、そもそもの最初はどこ? 誰? どうして小春を助けられたのか。


森野抱夢さん ★★★★★

ただのタイムリープ物語と思ってた。なのに切なくて苦しくて、先を知りたくないとまで思ってしまった。それでも読むことを止められなかった。
そして今生きている自分は果たして「正解」の道を歩んでいるのだろうかと考えた。

過去に戻ってやり直したいとか、未来に行って自分がどうしているのか知りたいとか、そういう気持ちは誰しもが抱いたことがあるのかもしれない。
この物語からは、後悔や、未来が変わってしまうかもしれない恐怖、そして二人の優しい心が感じれた。
殺人事件を解決するためのタイムリープかもしれない。しかしこのタイムリープは、幸せになるための試練なのかもしれない。

今年、平成が終わる前にこの物語を読めたことが嬉しい。たとえ何十年とこの作品が世の中の人々に読まれ続けても、今この瞬間に読めた私は幸せ者である。

1999年と、2019年。時を越える一人の大人と、少年の物語は切なくて苦しくて、そして温かい。


さきさん ★★★★★

時を超えるなんて非現実的な世界で、もしそんなことがあったら自分はどうしようか、やり残してきたこと、選ばなかった未来、そんなことはたくさんある。
しかも主人公は体を、時を交換しているため、タイムパラドックスが起きないために、またそれと同じく運命に抗うために奔走している。
最後のページ。そんな非現実的な世界だからこそ、印象深い現実的なこと。私たちは誰だってそのことをできる。どうか最後まで読んで目を閉じてほしい。


ファンですさん ★★★★★

【ネタバレあり】
すごく面白かった。
主人公が変な名前だから何かあるのかと思ったらなるほどそういうことか! と納得。
序盤主人公が財布を持ち出しお母さんが免許証が無いから買い物行けない! と怒っていたシーンが犯人に主人公=目撃者の少年とわかられるシーンに繋がるのがおお! と感動した。あと、主人公が肩を壊してしまう事故は、未来は主人公の望んだ通りではないという演出かと思ったけど、犯人によるものだった、というのも感動した。
各々の行動に理由があってそれを知るのが面白くて読み終わったその日に二度読み。
話もコミカルなところがあって読みやすかった。特に叔父さんと主人公の株の損切りのところが何回読んでも笑える。
タイムリープがあるとわかってて、それを利用して犯人探しをするというストーリーも良かった。
パズルのピースが組み合わさっていく、という言葉があるけどまさにその通りだった。ピースが合わさっていく過程はなるほど! と納得しながら読め、また何度読んでも新たな発見があった。


アッシーさん ★★★★★

ほんまに面白かった。
色々と計算されていてどの要素が抜けていたり、違っていたら全く違う結果になっていた。無駄なことは何一つ無いんです。


カズノコさん ★★★★★

過去と未来の歯車が恐ろしいほど丁寧に組み合わされている。中田永一は読者ひとりひとりに、まるでタンポポの綿毛のように読後感を振り撒く。「くちびるに歌を」で感動を、「ダンデライオン」で胸が空くような切なさを。


ひろうさん ★★★★★

この物語は何度でも読み返して欲しい。何度でも鳥肌の立つ展開があり読んでいる自分が時空を超えるような感覚に陥る作品だと思います。主人公の決断に青春を感じる中田永一ワールド。


saosaoさん ★★★★★

なぜ僕は過去に戻る必要があったのか、なぜ未来を知る必要があったのか…
計算されつくされた衝撃のタイムリープ小説

中田永一さんの作品は初読みでしたが、もぅ…すごいとしか言えない。

後半はハラハラ、ドキドキ…
先が気になってページをめくる手がとまらなかった。

衝撃的な展開
緻密な過去と未来の連鎖
なぜ彼女を助けなければならないのか
ラストで明らかになった衝撃の事実…

圧巻のラストを見逃すな!!
読みべき一冊です!!


悠宇さん ★★★★★

とても面白かった。時間軸が変わるので何度も頭の中で小春が書いたであろう図を考えながら読んでいた。途中までの約束された日々と、空白の未来。蓮司の過去の行為が今に繋がった瞬間、欠けていたピースがはまったような気持ちよさを感じた。


ゆーさん ★★★★★

終始鳥肌。読み終わり一言、これはやばい。
物語に引き込まれどんどん読み進めてしまいます。が、同時にこんな面白い物語を一気に読んでしまうのがもったいない。終わらせるのが惜しいと思うほど素晴らしい作品でした!
他の方より先に読ませていただけるなんてとても光栄に思いますが、こんな稚拙な感想しかでてない自分がこんな機会をいただいてもいいのかと恐れ多く思います。しかし、あまり多くを言ってもネタバレになりそうなのでこのままでいいのかなとも思います。読めばわかる。それほどまでに緻密に計算された作品でした!
ありがとうございました!!


あしたもあすかさん ★★★★

【ネタバレあり】
タイムリープもの、昨今馴染み深くなった題材を
中田永一の久しぶりすぎる新作として出すという。流行りもの感あるこの題材にどう挑むのか。楽しみでこの企画に応募させていただきました。

いざ読み始めると、一気に読み進められました。

ある1日を子供の頃と交換することになる蓮司。
11歳の1日と31歳の1日を交換して向かう先は鎌倉。
彼女を助けるために。そして事件を解決するために。

様々な視点と行き来する時間軸が目まぐるしく変わるので読んでいて飽きない。視点が変わる事で難しいということもないです。
が、話は基本1日のことなので特に前半は一進一退で進まないので途中なかなかもどかしいですが、様々な視点から書かれたその日の出来事が徐々に繋がって、謎が紐解かれていくのにゾクゾクしました。

その1日があるがために、その人生に向かって集束していく用意された人生、決められた人生を歩んでいくもどかしさを感じたり、無情さや葛藤をしながらも、歩いていく人生を選んだ蓮司くんの心情を思うと少しせつなさや儚さも感じました。
ただタイムリープして事件解決するということ、だけではなくて、登場人物を大切に思って書かれていると感じました。

読みすすめていくうちに、観測済みでない未来がどうなるのか不安になっていきました。登場人物達と一緒に読んでる私も不安になってくるのです。
この人たち、観測されていない未来がきたら、一体どうなるんだろう。
そんな思いで一緒に読み進められました。

そして犯人と対決する時の描写のスリリングさと疾走感はさすが乙一…いや、中田さんでした。

また、映像化予定ですか? と思うほど脚本チックというか映像が浮かびました。

小春を思うとあんまりにも不憫ではあったけれども、
最後は暖かい気持ちで終われるところ、蓮司くんに惚れるわ。と思える終わり方は中田さんらしいなと思いました。
観測済み な時間から、観測されていない未来へと向かう彼らの人生もきっと素晴らしいんだろうな。と思える、そんな終わりでした。


今回プルーフ本を送っていただき、読めせていただきありがとうございました。とても有意義な時間をいただきました。


まりさん ★★★★

繋がる過去と未来。
未観測の未来はきっと幸せなものであると観測済み!


komiさん ★★★★★

【ネタバレあり】
どんな作品にも、その魅力を最大限に引き立てるシチュエーションがあると思う。稲川淳二を聴くなら、深夜の仄暗い自室が一番怖い。田舎の夕暮れに流れる「七つの子」はノスタルジーをかきたてるし、モナリザはやはりルーブルに飾られるべきである。マッドマックスなら爆音上演の映画館。タブレットで見ても、迫力は半減だ。
中田永一の7年ぶりの長編小説、『ダンデライオン』はどうか。あなたがこの小説を一番楽しめるのは、今、この瞬間だと思う。もうすぐ消えゆく「平成」という時代に思いを馳せながら、ページをめくる。すると『ダンデライオン』はあなたの心の中で力強く芽吹く。

本作はタイムリープものだが、少し毛色が変わっていて、同じ人物の意識が時代を超えて入れ替わる。2019年の大人の意識が、1999年の少年時代の子どもの意識と交換されるのだ。時をかける、意識の交換留学生。体は子ども/頭脳は大人という某少年探偵のような面白さと、体は大人/頭脳は子どもという不安定なドキドキ感にページをめくる手が早まる。
1999年から来た子どもの意識は、2019年までに起こった出来事を余すことなく知ってしまう。来なかった恐怖の大王、リーマンショック、そして震災。避けられない未来を目にしてしまった少年は驚き、絶望する。そして読者は少年の視点に寄り添う形で、平成を振り返ることになる。
一方で、2019年から来た大人の意識は、時間の層に埋もれてしまったある殺人事件の手がかりを探そうとする。彼の視点で感じるスマートフォンもドローンもない時代の空気は、ゆったりとしていてどこか懐かしい。
こういう捻りのある設定を扱わせたら、中田永一は天下一品の名手。ほつれた糸が撚り合わされるように2つの時代が徐々にリンクしていき、最後には美しいタペストリーが出現する。
もちろんそれだけでも十二分に凄いのだけれど、この物語を今この瞬間に読んだ読者はそれ以上のものを見ることになる。「平成という時代がもうすぐ終わってしまう」という一抹の寂しさと、「新しい時代が始まる」という不安を伴った期待感。それらが『ダンデライオン』に加える加速力、破壊力、コントラストを一人でも多くの読者に味わってほしい。もしも、私がタイムリープできたとしたら、『ダンデライオン』という小説は平成のうちに読んでおけ、と過去の自分にメモを残すと思う。

蛇足だけれど、『ダンデライオン』のプルーフ本の表紙には「昨今のタイムリープ小説に引導を渡す」という惹句が印刷されていた。「昨今のタイムリープ小説」が何を指すのかは分からないが、正直に言えば、『ダンデライオン』が渡すのは引導ではないと思う。この小説の読者はもっとタイムリープ小説を読みたいという気持ちになるはずだ。だから、『ダンデライオン』は引導ではなく、次のタイムリープ小説へのバトンを渡したことになると思う。
実際、私はこの小説を読んでから、『時をかける少女』を見返したし、厳密にはタイムリープものではないかもしれないが、中田永一氏の友人であるところの乙一氏『Calling You』を読み返した。どうもタイムリープ好きな心を煽るなにかを、この小説は秘めているらしい。

色々と書いたが、要するに良作だということだ。この小説で中田永一は直木賞を獲るといいと思う。


イヴりんさん ★★★★

大量のたんぽぽの綿毛が飛ぶ時にそれは起こる。11歳の蓮司と31歳の蓮司が入れ替わり、11歳の彼とは将来への不安や、ままならない想い、衝撃を共有し、31歳の彼とは自らの危険を顧みず小春を救うため一緒にハラハラ、ドキドキした。私は作者が作り出した時間の渦の中に否応なしに放り出され束の間の時間旅行主人公たちと一緒に楽しみました。


理海さん ★★★★★

【ネタバレあり】
中田永一名義のストーリーは"青春もの"というイメージがついていましたが、ミステリーと銘打っているだけあって、今までとは違う彼の一面を見たようなきがしました。
時系列がしっかり区分されていて、尚且つ様々な人物から見た視点を描くことで、1人1人の心情が見え隠れし、感情移入がしやすかったです。
そして現実世界で起こった災害や出来事がふんだんに盛り込まれ、実際にその場にいるかのような錯覚にもおちいりました。
本当に彼は非日常的でありえない出来事を日常的な出来事と錯覚させてしまう天才だと思います。
1人1人のモノローグの中で、誰もが違う誰かを思いやり、憎むべきはずの犯人でさえどこか切なさを感じさせる…残虐な事件も、もし起こらなかったら未来ががらりと変わっていたかも…と読み終わるとすべての出来事が1本の線で繋がっているというのも本当に凄いと思いました。
主人公が自分の決められた未来のレールを歩いていくという葛藤と、その未来を少しずつ認めていく心情の変化が自然に描かれていました。自分だったら…と自分に置き換えてしまい、続きが気になって一気に読んでしまいました。
レビューを書いていたらまた読みたくなったので、何度目かの読み返しをしたいと思います(笑)
レビューというものを初めて書いたので、これでいいのかは分かりませんが、また1つ素敵な作品に触れることの出来る機会をいただき、本当にありがとうございました。


灯里さん ★★★

【ネタバレあり】
申し訳ないのですが、なぜこれが「中田永一」の作品なんだろうかと、少し悩んでしまいました。
まさか常に人を殺めていないと耳鳴りがする怪物とか、出てくるとはあまり予想していなかったので。
しかしやっぱり考え直してそういえば中田永一ってこうだった、と思えた点もいくつか。
まず簡潔で平易、違和感や抵抗感なく読める文体はさすがです。(2つの時間軸があることとは別に)視点の切り替え、人称の移り変わりがあることは若干ストレスでもあったし、個人的にはちょっとずるい手法であるとも思うけれど、ミスリードにしてやられていて文句は言えません。
それから主題の「タイムリープ」のようなSF表現。加えて「現代」「現実世界」を舞台とすること、それも中田永一作品の特徴だったなと。タイムリープする、といってもそれは自然発生的な事象であって、予定された、予期しているその"機"に便乗(?)するだけだと、それがはじめにわかったときはあらすじでの前情報からの予想を裏切られたようで、衝撃でした。それでも衝撃的でありながらも受け入れやすい、……実際には受け入れ難いけれども受け入れる他なくなった主人公に対して科学的に説明されるという流れ、読者がその心情をすんなりとともにできる感覚もこの作者の作品にある特徴だと思っています。文系脳の私は別の意味で受け入れ難さもありましたが。そしてこの物語の設定、精神(頭の中身)のみが過去に戻れるとしたとき、まず意見として挙がりそうな"やるべきこと"を果たしているのは、うまいなと思いました。(ロト6や311のことです)
またその設定において、過去の自分を欺けないこととしてこんなことがあるのかと感銘を受け、そしてあまりに残酷だと思ってしまって、だいぶ感情を揺さぶられたのが「主人公がプロ野球選手になれなかった」と気づいてしまったシーンでした。
しかしながら「タイムリープ」において歴史を改編できるか?など議論を呼びそうな点は、正直結論や正解などはない"思想"のようなものであると思っていて、この作品がタイムリープ作品として優れているとか思うのであればそれは読み手の思想と表現が合致していたということだと思います。「観測済みの未来へ収束させるためにはたらく力が存在していて、記録や記憶が消えてしまう」などがあり得ない点は、私が納得できたポイントです。
なんだか要らない意見を述べてしまってすみません。表紙に書かれていた「青春」や「切なさ」があくまでおまけとしても、エンターテイメント性の高いSFサスペンスとでも言えばいいのか、楽しめたことは確かです。
最後に、私は青春時代のすべてを「乙一」という作家の作品に注いで生き延びた人間なので、これは意図的なオマージュのようなものではないのかもしれませんが、「ノートに書かれた未来予知」「一度手から滑り落ちて、時を超えて決定打となる武器」などはついモチーフのようにとらえてしまって、勝手に楽しんでしまいました。


梨沙さん ★★★★

【ネタバレあり】
過去と未来が行ったり来たりする作品はいろいろとありますが、こちらの作品はわかりやすいタイプのものでした。 ただこの作品を福島の被災者が読んだら、どんな風に感じるだろうと疑問に思いました。 本当に誰かが未来に行って、予知してくれていれば、家族を友人を恋人を子供を守ることが出来たのにと、涙の出る作品、そしえ少しだけ癒えてきた傷をまた傷めるのではないかと心配になりました。 幸い私は福岡で東北の地震には関わっていません。その私が気になってしまうくらいなのに、大丈夫かなと思いました。 内容については、少しずつ真相に近づく感じが心地よかったです。 下野と書いて「かばた」とよませていたのにも理由があったんだ、と気がついた時はやられたと思いました。なかなか読んでいても、最初だけ読み仮名が書いてあるだけなので、何度も前のページに戻りました。なんでこんなめんどくさい名前にしたんだ……って思ってしまったので。 中田永一先生独特の女性の表現が私は気に入りました。


どらごん。さん ★★★★

現在と過去… 2つの時間軸の中で戸惑い翻弄されながら事件の真相に迫る主人公。 物語の疾走感にあっという間に引き込まれました!


ことらっちさん ★★★★

【ネタバレあり】
鶏が先か卵が先か、という問いが読んでいる間中ずっと、頭の中をグルグルグルグル・・・。主人公の珍しい名字が覚えられなくて苦戦したけど、それにもそれなりの理由があったのね。交通事故に遭う日付を聞いていたのに、結局なぜか事故に遭ってしまう、その理由がわかったときに、涙が出た。最後に二人が出した結論に、胸があたたかくなった。 途中、思いの外バイオレンスな描写があって、顔をしかめる事になったのは想定外だった。


百瀬さん ★★★★★

真心の愛、別離、神の信託。 ダンデライオンの花言葉は少年の未来でありそして同時に彼の過去である「あの一日」の全てを物語っている。 命を懸け、時をかけ、たった一人の少女の未来を守るため、観測された時間と観測されていない未来を生きる少年の戦いに胸が震えた。


紺色さん ★★★★★

7年ぶりの中田永一先生の長編ということで、期待を膨らませながら読み始めました! 過去のある事件の犯人を探るために31歳と11歳の主人公が入れ替わる青春ミステリーで、計算された時間軸の中、誰が犯人なのかひやひやしながら読みました。 未来の自分が残してくれたノートを見て、あらかじめ敷かれた人生のレールを渡っていたそれまでの主人公が、その先の未来を自分で進んでいこうとする姿は読んでいて鳥肌が立ちました。 さすが中田永一先生! という作品でした。とても面白かったです!


いぬころさん ★★★★

タイムリープ小説のため様々な時系列で物語が進むが、読者を混乱させることがなくわかりやすい。

未来が確定していても未確定でも複雑な感情を抱き続ける登場人物の心情がうまく描かれている。実際の時代が反映されていることもあって物語に入り込むことができた。

ラストは比較的あっさりしている。もう少し余韻や重たさがあってもよかった気がするが、さわやかでいい話だった。


つばきさん ★★★★★

【ネタバレあり】
中田永一さんならではの愛おしさと切なさを織り交ぜたミステリー小説でした。

31歳の僕が11歳の頃の体にタイムスリップしてしまい、同じく11歳の僕は31歳の体にタイムスリップしてしまいます。このタイムスリップには大きな大きな目的があります。

過去の11歳の時にしかできない事を必死にやり遂げようと奔走する31歳の僕。いきなり31歳になってしまい不安と戸惑いの中で、絶対に知りたくなかった未来を知ってしまう11歳の僕。

そして31歳の僕は1つ嘘をつきます。その嘘によって11歳の僕は深い絶望に追いやられます。

何のために過去の自分に嘘をつくのか? その嘘が何をもたらすのか? 

切なさと愛おしさが入り混じる中田永一さんワールドが全開です!


みそさん ★★★★

ひとつひとつのアイテムが時空を超えて絡み合っていく
人の気持ちも全ては最後の一瞬に繋がっていて
一言一句見逃せない物語
そして少年期の文面からは、ひらがなを多用することで、幼さを感じされる
タイムリープという非日常的な物語で、読み始めは難解な様な気がしますが1度ではなく何回でも読み込める小説だと感じた
中田永一さんの才能にまた驚きを感じました


masamiさん ★★★★★

【ネタバレあり】
まず、表紙の「その日、31歳の僕は、11歳になった。彼女を救いに行くために。」の1文にグッと惹き付けられました。時間を超えて何かが起こる期待を込めてページを捲ります。

小刻みな時間も語り手の視線も入れ替わるが、どう繋がるのだろう?という疑問の解決編のように次の章が展開されるので違和感無く、テンポよく読み進められました。寧ろ、先が気になってどんどん進まずには居られないような。

ただ時間を超えるSF的な話かと捉えていたら、殺人事件からさらに不穏な空気になり、思いがけない犯人の登場と事実の暴露から細かな謎が収束していくラストは、目が離せなく「上手い!」と唸らされました。

エピローグで、主人公の2人が定められた未来を受け入れるのではなく、自由を得た上で受け入れる未来は、同じものであって全く違う晴れやかなものになったことで素敵なハッピーエンドになったと思いました。


かっちゃんさん ★★★★★

11歳と31歳のある1日の意識が入れかわることで、ある事件が動き出していく…。
時間を忘れてイッキ読みしました!
主人公の蓮司は今の幸せ、未来の幸せを考えられる人生の選択をしていく姿に、私もそんな人になりたいと思いました。
また、本当に緻密に計算されているお話で、過去での言動が一つひとつ未来に繋がっていて、読み進めていくごとに無数の針の穴に糸がスッと通っていくような気持ちになります。
まさに青春ミステリーがぴったりの作品でした。
最後の最後まで目が離せない展開です!
素敵な作品を読ませていただきありがとうございました。


うっちさん ★★★★★

タイムリープ小説は今までも他に数あるけど、さすが乙一だな! とう視点でした。
観測済みのわかってること、未観測のこと…これからどんな結末がまってるのかとてもワクワクした。
十一歳の蓮司が決められたと感じてしまった未来。でも成長していくなかで それを「選択していく」終盤は胸が締め付けられた。
切なくも幸せな未来がまっていると信じられる、希望のある物語でした。


ゆりさん ★★★★★

「観測済み」の出来事を追っていく中で感じた、主人公と小春のお互いへの想い。いつの間にか当たり前になってしまったことを思い出させてくれました。今日から改めて大事な人と向き合っていきたいと思います。


まナツさん ★★★★

【ネタバレあり】
まるで観測済みの未来に向けて収束するかのように緻密に計算されたミステリー要素に、タイムトラベルが織りなす優しさと切なさが絡んだ世界観に魅了された。 2人の視点が紛れもない1人の人物のものに集約されていくような語り口も素晴らしい。
本来は生まれてから死ぬまで一方通行の一本道である人生、それが分断され、並べ替えられただけで未来はとてつもなく窮屈な存在に変わる。
予め定められた道筋をたどってきた主人公が「未観測の」未来に向かってようやく進み出すクライマックスは、不安定でふらつくような、でも解き放たれたような清々しいエネルギーに溢れていた。
私たちの未来は観測不能だ。でも同時に、こうありたいと強く願った「観測済みの」未来に向かって進むことこそが今を生きるということでもある。ラストシーンでそんなことを考えた。


千羽鶴折子さん ★★★★

どれくらいの人が"変えたくない"人生を過ごせているでしょうか?

読み終えて、タンポポの花言葉を調べました。

『神のお告げ』
『思わせぶり』
『愛の信託』
『別離』
『真心の愛』

計算か、偶然か。


福田吉田さん ★★★★

【ネタバレあり】
「こうなることは、観測済みだったの」

 作中で幾度となく目にする『観測済み』という言葉。それはつまり運命が決定しているということだ。
 いわゆる『タイムリープもの』や『過去改編もの』と称される、すでに決定している歴史を変えようと試行錯誤する物語は数多く存在する。しかし本作の主題はそこにはない。A地点からB地点、すでに決定している歴史を変更しようとするのではなく、さらにその先の時間軸、『未観測』の時間軸である目的を達成するために本作の登場人物たちは奔走する。

 少年野球クラブでピッチャーをつとめる下野蓮司は、試合中にバッターの打ったボールを頭に受けて気絶してしまう。病院で目を覚ました蓮司は大人の姿になっており、恋人と名乗る西園寺小春から、31歳の自分と意識が入れ替わったことを告げられる。20年の時を越えて未来に来てしまった蓮司に、小春は過去に起きた強盗事件の話をする。
 一方、11歳の自分と入れ替わった31歳の蓮司は、過去の光景に懐かしさを感じながらも、ある目的のために、当時まだ8歳の少女だった小春の住む家へと急ぐ。

 蓮司の視点を中心に、1999年と2019年、ふたつの時代を交互に描き出す形で本作は進められていく。20年後の未来に飛ばされ混乱する蓮司と、観測済みの時間の中で目的を達成しようと行動する蓮司。やがて二人の意識が元の体に戻ったとき、物語は未観測の領域へと突入する──。


 最後に余談にはなるが、本作には、中田永一氏の友人である作家・乙一氏のあるシリーズを彷彿とさせる要素が織り混ぜられている。また、同じく友人であるとされる山白朝子氏の短編を思い起こされるようなエピソードも見受けられる。
 もちろん本作は独立したひとつの物語であり、乙一氏・山白氏の作品を知らない人でも楽しめるものになっているのだが、マニアックな中田永一ファンなら思わずニヤリとしてしまうかもしれない。


kuetaichiさん ★★★★★

【ネタバレあり】
ZOOからはまり、乙一さんの作品全てを読む大ファンです。あ、別人でしたね。
今回の作品は自分がちょうど来年20年後の蓮司と同い年になるため、とても感情移入して読んでしまいました。
20年前こんなんだったっけという懐かしさと共に来年の今頃は平成終わってるのかという一抹のさみしさも・・・
よくあるタイムリープものと違って面白いのが、いつ元の時間軸に戻るか分かっていること。
限られた時間の中で、しかも「観測済み」なことは変えられないと分かった上で自分に何ができるのか、
蓮司と小春の複雑な想いが巧妙に描かれていて胸がしめつけられました。
読者も迫りくる時間がわかっている上で結果は変えられるのか、観測済みの時間が終わったその後はどうなるのか、結果が分かっているのにページをめくる手が止まらないという不思議な感覚を味わいました。
読解力が無く時間軸があちこち移動する小説は苦手なのですが、この作品は巧妙に描かれているので、
混乱せず読めます。
時間が迫ってくるに向けてスルスルと観測済みのことが起きていく様子は緊迫した砂時計を見ているようでした。
一番泣きそうになったのは、蓮司が小春に交通事故に遭う日にちを一年遅く伝えたことです。
読んでる間ずっとなぜ交通事故に遭ってしまったんだろうと疑問に思っていたのですが、まさかそういうことだったとは・・・
こういうところがこの作者の大好きなところなんです!!
違う未来が訪れて自分と出会うことはなくなってしまうかもしれないということが分かってても、
正しい年月日を伝える小春の覚悟も泣けたのに更に追い打ちをかけてくるとは。
自分だったらこの場合どうするだろう、自分の夢を自分で壊すという発想に心を抉られました。

長々と書いてしまいましたがやっぱりこの方の作品が大好きです、貴重な機会をいただきありがとうございました。
迫りくる2019年に向けて文章としてはとても読みやすいと思うので多くの人に読んでもらいたいし、
今も過ぎ去ってゆくこの一分一秒には全て意味があって、大切な時間なんだと思える傑作だと思います。


まのあくんさん ★★★★★

この本を読み終わった瞬間、心の内から溢れ出てくるエネルギーを感じた。過去の自分と未来の自分が入れ替り、その入れ替わった1日を体験したことで未来の様々な"観測済み"の事実と出くわす。これはタイムリープの話であるが、今の自分に出来る選択を常に問われる現在の話でもあるのだ。私達はいつだって目の前の物事に対して微力を尽くしていくしかない、そのどこまでも地続きな事実に向かい合える勇気をもらった。最後の1ページを見たとき、ダンデライオンというタイトルの意味を深く考えた。読んだ人にとって象徴的に浮かび上がる感情は読んだ人の数だけある。私は未来への「希望」が浮かび上がった。自分が歩むこの先の道をより良いものにしていける力が私達にはある。そう力強く本書は語りかけてきた。


まめこさん ★★★★★

洗練された文章。ぐいぐい胸に迫るストーリー展開。寄り添うように心に響き続ける余韻。
いっきに引き込まれる、中田永一ワールド全開作品!
今自分が生きているこの時間を大切にしたい、と改めて思いました。


佐藤さん ★★

【ネタバレあり】
デビュー当時から作者のファンです。
その当時から伏線の巧みさは賞賛されていましたが、私は作者の一番の魅力はその人物描写にあると感じていました。中田先生の作品の登場人物は、特別勇敢であったり、立派な人物と言う事はなく、寧ろ少し日陰にいるような人ばかりなのですが、それでも(だからこそ、といえるのかもしれませんが)とびきり暖かくて、「すごい人(=人格者)が出ているわけじゃないのにたまらなく優しくて臆病で、だからこそ愛しい」と感じていました。恋はしないだろうけれど、どこかで幸せに暮してほしいと願うような人達の物語です。
今回の小説はミステリーです。それも、タイムリープというSF設定も込められた、少しトリッキーな小説です。氏の小説には、ミステリー要素の強いものも(別名義も含めて)沢山あったのですが、今回の本は少し違和感を感じました。それは、きっといつも感じていた登場人物への愛情を感じる事無く、話が完結してしまったからなのだと思います。ページが足りなかったのでしょうか。それとも、書く期間が足りなかったのでしょうか。冗長的にのばすより、と余計な要素がそぎ落とされてしまったのでしょうか。
あっという間に物語の濁流に呑み込まれて、トントン拍子に話が進んで、気付いたらいつの間にか物語が終わってしまう。それは、小説に飲み込まれたといっても良いのかもしれませんが、普段から氏の作品が好きでたまらない物からしたらどうしても「流れ作業」感を感じてしまいました。
さながら、予め決められているシナリオという名のベルトコンベアに、ただのせられているような。
今日というレビューの締め切り当日まで、ずっと悩んでいたのはこのためでもありました。どうしてもすきな作家の作品だからこそ、いち早く読みたい。そのレビューを書きたい。その思いで到着を待ちわびていたのに、実際読んで見たらどうにも私の伝えたかった良さがこの本の中には見つからず、どう書けば良いのか、困ってしまったのです。伝えたい気持ちは山ほどあります。ずっと長年のファンだったけれど、改めてその気持ちを伝えようと思った事はなかったため、ずっと温めていた愛情をぶつけるなら今しか無い。今が、一番のタイミングだ。そう思い、応募を決めました。
もちろん、普通の小説としてどうしようもなかった、とんでもなく不快な読後感だったという訳ではありません。読む人間の年齢を選ばず、小さな子でもはらはらドキドキさせるストーリー。胸くそ悪い終り方ではなく、きちんと幸せな人が幸せになれる物語。
中田先生の作品を初めて読む、本が苦手な小学生がいたらきっと私も本書を薦めると思います。それでも、やはりファンとしてはどうしても物足りなさが強いのです。タイムリープに入る前にもっと登場人物に愛着を感じさせてほしかった。ああ、この状況ならこう行動するのもやむなしだ、なんでこの人がこんなに傷つかなければならないのだ、と歯噛みする場面が見たかった。運命を恨み、よし、いまだ積年の恨みをぶつけろやっつけろ! と、登場人物を一緒になって応援したかった。

登場人物は、「己の怪我を恐れず、将来結婚する予定の女性を助ける為なら、弱っている女性を目の前にしたら飛び込んでいってしまう」ような『勇敢』な少年で、その兄は素晴らしい人物で、本当の犯人はとんでもなく醜い卑劣漢。それは、中田先生の作品ではなかったなら、私も「そんなものだろう」と思ったかもしれません。それでも、この作者の作品であれば、どうかそんなテンプレートにハマった説明で登場人物を表現してほしくなかったです。
勝手な妄想ですが、作者が結婚してしまって子供も生まれて、そうして作者の中の前提が変わってしまったのかもしれない。弱き者を助け、強い者を挫き、悪とは醜くあるものだ。確かにそれは「自身の子供に将来読んで欲しい」物語としては正解です。

それでも私はこの本を読みながらずっと、作者を見なければ誰が書いたのかさえもわからないような本では悔しいなあ、と考えていました。
最後ですが「映画」が話のキーワードとして出てくる辺りは、中田先生の作品っぽいなあと思いました。逆に言えば、それだけが辛うじて中田先生だなあ、と思った所です。一般的な小説という意味合いで言えば、☆2以上の作品なのかもしれませんが、大好きな先生の作品としては、やはりどうしてもキャラクターを好きになる前に生きる死ぬの大乱闘、急なアクション表現を繰り広げられて置いてけぼりにされるばかりだったので☆2を付けさせて下さい。


こやにんさん ★★★★★

この本には、エンターテイメントの全てが詰まっています。あなたの本棚を彩る一冊になりますように。


一ノ瀬さん ★★★★★

【ネタバレあり】
タイムリープ小説をはじめて読んだので、最初は入れ替わる視点になかなか慣れなかった。しかし、この行動に何の意味が? この出来事が何につながるのか? なんだろうと思っていたことが、読み進めていくと全てが未来につながっていく展開に引き込まれていった。
蓮司の小春への思いが変わっていく過程、大人になっていく心の描写が特に好きだった。最初に出会った少年の頃は何も思っていなかった、むしろ未来を知ってしまった残念さが隠し切れない状態であったのに、大人になり再会し、小春のために事故に遭う日をあえて嘘の日付で教える蓮司の気持ちが切なくて心が苦しくなった。
観測がされていなかった未来に辿り着き、得た答えが幸せな結果をもたらすものでなくても、これからの観測されていない未来の物語をこれからも二人で紡いでいってほしいと感じた。
タイムリープと青春とミステリーが上手く溶けあった素敵な作品だった。


みけさん ★★★

【ネタバレあり】
この物語はタイムリープ小説です。
主人公は予め物語のほとんどの部分を体験していて、読者は様々な登場人物の目線を交えながら主人公の記憶を追体験していくという構成です。
その掴みとして、冒頭で主人公がお世話になったお医者さんに診察料を支払う場面があります。
この場面がとても魅力的。
設定とストーリーを上手く混ぜた表現になっていて、はじめこの箇所を読んだとき、「なんだかよく分からないけれど、これから面白いことがお起こりそうだ!」という気持ちになりました。

作中において未来を知っている主人公はイレギュラーな存在です。
これから起こることを知っている、というのはある種のチート。
実際、主人公は未来を知っているからこそとれる有利な行動をいくつかとっています。
しかし、それも途中まで。
中盤で現実が未来に追いつき主人公がふつうの存在になってしまうのですが、その瞬間から、自分は文章全体から妙な息苦しさを感じるようになりました。
どうやら自分は無意識に、未来を知っている主人公が死ぬわけない、という安心感を得ていたようです。
表現や文章の書き方が変わったわけではないのに作品の空気が変わる、これは自分にとってとても不思議な体験でした。

物語の終盤、巧妙に隠されていた伏線が浮かび上がって繋がっていくとき、思わず呻き声を上げてしまいました。
普段こういうときは、なるほどそういうことだったのか!と心地良い驚きを得るものですが、今回は、なんてひどい話を思いつくんだ、という作者への苦情が多かったかもしれません。
それほど、物語に隠れていた主人公に対する悪意がひどかったのです。
最後の方はページを捲る作業が本当に億劫でした。
しかしエピローグでそんな憂鬱な気分も和らぎます。
登場する人物たちの言動がとても爽やかなので、主人公と一緒に自分の気持ちも救われました。

この物語は伏線がいくつも仕込まれていて、場面によって主観も変わります。
主人公と同じように未来を知った状態で読んでみるとどうなるのか、これから何回も試してみようと思います。


ほっしーさん ★★★★

これぞ中田永一、と言える一冊であったと思う。
過去と現在で視点が変りながら話が展開していき、それが真実にどう絡んでいくのか、先のわからない現在はどうなるのか、が気になりあっという間に引き込まれてすぐに読み終えてしまった。
読後の切なさと暖かさは流石であった。
強いて言うならば、すぐに読み終えてしまったせいでもあるが長編にしては少し物足りなさがあったので、星4に落ち着いた。


レビューのご投稿、ありがとうございました。


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