◎編集者コラム◎ 『浄瑠璃長屋春秋記 雪燈』藤原緋沙子

◎編集者コラム◎

『浄瑠璃長屋春秋記 雪燈』藤原緋沙子


『雪燈』カバー原画

 ついについについに、本レーベルの大黒柱にして、大人気シリーズ「浄瑠璃長屋春秋記」が、最終巻『雪燈(ゆきあかり)』の刊行を迎えてしまいました。

 物語の結末を知ることは、感動を得ることでもありますが、喪失を伴うものでもあります。なにしろ、もう続きが読めないのですから、哀しいことこの上ない。

 でも、読まないことには、じれったさが治まらないので、ぜひとも手に取っていただけたら嬉しい限りです。

 はてさて、その最終巻『雪燈』の見どころは? と聞かれたら、もはや語るまでもありません。

 ご存じの通り、「弟に家督を譲り、陸奥国平山藩から遠く江戸へ出、『よろず相談承り』で口を糊する浪人となってまで、妻・志野を探し続けた青柳新八郎の努力はついに報われるのか?」というところ。

 前巻『紅梅』で新八郎は、志野が一時期身を隠していた笠間藩まで出向きましたが、今巻では、その笠間藩随一の商家・辰巳屋の一人娘である千里から、新八郎宛に文が届きます。

 志野が介護をしていたという、お尋ね者の蘭学者・野田玄哲と縁が深い千里によれば、笠間藩を出た志野は、江戸の紙問屋・富田屋清右衛門の助けを借りて、船で旅立ったらしいのです。

 これは新八郎、居ても立っても居られません。なにしろ四年間も、最愛の妻を探し回っていたのですから。

 ところが、ところがです! ようやく志野に繋がる糸を手繰り寄せたと思ったのも、ほんの束の間のことでした。

 まさか、浄瑠璃長屋の隣人で、ほのかに新八郎に思いを寄せる八重が思わぬ窮地に立たされてしまうなんて!?

 え? 「一体どんな窮地なのか?」ですって? それは読んでのお楽しみ。焦りは禁物ということで。

 感涙必至の時代小説最終巻、ぜひ吸水性の高いハンカチをご用意くださいませ。

──『浄瑠璃長屋春秋記 雪燈』担当者より
 

◎編集者コラム◎ 『喪われた少女』著/ラグナル・ヨナソン 訳/吉田 薫
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