HKT48田島芽瑠の「読メル幸せ」第18回

HKT48の田島芽瑠の読メル幸せ

第18回


10月になりました?

最近、部屋に戻ると電気がついてることがあります。
電気を点けっぱなしにすることはないし、お母さんかな? と思って入ると大抵そこには弟がいます。私の本棚を漁って、座り読みしてるのです。3冊くらい手に取ったあと「お姉ちゃん、これ借りるね」と持ち去っていきます。
弟が小さい頃は本に全く興味がなくて、「お姉ちゃんはこんなにすきなのにねぇ」なんて言われてたのに! やはり、兄弟は似るのでしょうか?
私は弟と似てるところが少ないと思うんですよね。
というのも、弟は私から借りた本は必ず本棚に戻すし、人見知りだし、ゲーム上手だし、物を無くしたり、落としたりしないから切符とか大事なものも預けられる。ね、真反対でしょう?

あ、でも字は汚いし絵も苦手だからやっぱり兄弟は似てるのかもしれません。

今日はデビュー作『君の膵臓を食べたい』を読んだ時から、大ファンの住野よるさんの作品から一冊紹介したいと思います!

読メル幸せ

主人公の喩え話にクスッとしながらも、幸せとは何かを考えさせられる。『また、同じ夢をみていた』
こんな関係いいな、こんな青春送りたかったな…なんて思ってしまう。思いやりに溢れた温かい作品。『「か「」く「」し「」ご「」と「』
題名に色んな意味や思いが込められていたり、登場人物たちが皆愛おしかったり、会話が独特で面白かったり、甘酸っぱくて爽やかな風が流れるような作品達。
住野よるさんの作品は好きなものばかりです。

その中で今回紹介させていただくのは、『よるのばけもの』です。

読メル幸せ

先程までの3作とはまた少し雰囲気が違います。

夜になると化け物になる主人公の少年と夜だけ学校を楽しむいじめられてる少女のお話。
いじめを見て見ぬ振りをする側から描く物語は、何が正しいとか間違ってるとか空気が見えるようで妙なリアルさに胸が苦しくなりました。
どうして酷いことをされているのに、少女はあんなに人に優しくいられるのだろう。

読メル幸せ

 

空気をよむ。
昔からよく耳にする言葉です。
「ほんと空気よめないね」って言われるのが怖くて、人の顔色ばかり窺ってその人が求めているのは何かを考えるようになりました。
誰だって嫌われるのは怖い。主人公の少年も、クラスメイトの空気をよみながら嫌われないように日々を過ごしていきます。その中で、自分の気持ちと空気が矛盾していって、どうすればいいのかわからなくて自分との葛藤が始まります。私自身も自分とは、自分自身とは何か、深く考えさせられた作品でした。少年が成長していく中で、私も自分の中にあった靄が晴れていくような気持ちになって、息苦しさが少し和らいだ気がしました。最後の終わり方にはハッとさせられましたね。

住野よるさんの作品はどれも、あーこういうことだったのか! が多い気がします。
それだけ考えさせられる作品が多いです。
題名も色んな意味があって、読む前と読んだ後じゃ感じ方がまるで違います。あと、登場人物達に依存しちゃう! 物語が終わる時にとっても寂しくなるんです。それだけ、みんな個性的で愛おしい子達ばかりで会話を盗み聞きしているような感覚が好きなんです。会話がいつも面白くてクスッとしちゃう。

読メル幸せ

 

住野よるさんの作品、ぜひ読んでみてください!
きっと、青かった自分を思い出させてくれるでしょう。

よい、本の旅を。

 
「読メル幸せ」連載開始直前緊急Q&A!はこちら

「読メル幸せ」特別企画 田島芽瑠の一問一答!はこちら

▼HKT48オフィシャルサイト
http://www.hkt48.jp/

▼田島芽瑠さんのプロフィールはこちら
http://www.hkt48.jp/profile/37

【40代~の魅惑のスキル】いくつなっても魅力的でいたい……フランス的感性を身につけられる5つの本
【イベント情報】〈江國香織と読書会 『旅ドロップ』のはるかな世界へ── byみんなの読書会〉