『赤と青とエスキース』青山美智子/著▷「2022年本屋大賞」ノミネート作を担当編集者が全力PR
プロットを読んだだけで泣きました
『赤と青とエスキース』のプロットを青山美智子さんからいただいたとき、私はそこが喫茶店だったにもかかわらず、思わず泣いてしまいました。
なんの涙だったのか今となっては謎ですが、それは感動によるものだけではなかったと思います。
「なんだ、この話は……」という衝撃を、最初に受けました。私も大好きな青山さんのデビュー作『木曜日にはココアを』や、昨年本屋大賞にノミネートされた『お探し物は図書室まで』に通底する「温かさ」は決して失われてはいない。けれど、まったく新しい青山さんの原稿がこれからこの世に誕生する――一瞬でその確信と、それを担当できるという強烈な喜びがわいてきました。
そして次に感じたのは、畏れです。こんな素晴らしい物語に見合う仕事を私はやり切れるのだろうかと、今まで感じたことのない大きなプレッシャーが襲ってきました。
「どうしよう。私、失敗できない……」と、泣きながら弱音を吐く私を、青山さんは励ましてくださいました。なんて編集者だと思います。青山さん、ごめんなさい。
ともかく、プロットを読んだだけで大きく心を揺さぶられた『赤と青とエスキース』という作品ですが、原稿をいただいた時の感動はそれ以上のものがありました。
そこには、赤と青の二色に彩られた壮大な「愛」が詰まっていました。最後まで原稿を読み終わった後は、ものすごい勢いで鳥肌が立ったことを覚えています。
ネタバレを避けたくて詳しい内容をご紹介できないのが悔しくてなりません。でも皆さんにも、なんの前情報もなく、この物語に隠された鮮やかな仕掛けを味わっていただきたいのです。
絶対の自信をもって送り出した『赤と青とエスキース』の帯には、「著者新境地にして勝負作!」というコピーをつけさせていただきました。
この文言を見て青山さんは、「これは誰かとの勝負ではなく、自分との勝負ということだと思っている」と仰います。それは、私にとっても同じです。
寄せていただいた書店員様や読者様の温かいご感想を読むと、あの喫茶店で感じた私の確信は本物だったのだと、嬉しくて胸がいっぱいになります。
『赤と青とエスキース』は、今まで歩んできた人生のすべてを丸ごと愛していいのだと信じさせてくれる物語です。この感動を、一人でも多くの方にお届けできたら、とても嬉しく思います。
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──PHP研究所 文化事業部文藝課 北村淳子
2022年本屋大賞ノミネート
『赤と青とエスキース』
著/青山美智子
PHP研究所
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