『方舟』夕木春央/著▷「2023年本屋大賞」ノミネート作を担当編集者が全力PR
切実な動機があるからこそ
@kodansha_novels 「絞首商会の後継人」で第60回メフィスト賞を受賞した、夕木春央、待望の最新作!#講談社ブックス #小説 #方舟 #ミステリー小説 ♬ オリジナル楽曲 – 講談社 文芸第三出版部 – 講談社文芸
2019年に第60回メフィスト賞でデビューし、これまで大正時代のミステリーを書かれてきた夕木春央さん。今回は、初めて現代ものの執筆をご依頼しました。具体的にどのようなお話を書いていただくか夕木さんとお打ち合わせをした際、「あたためていたアイディアがある」とその内容をうかがい、なんて恐ろしいことを考えるのか──と愕然としたことを今でも覚えています。
最も難航したといっても過言ではないのは、タイトル決めでした。脱稿した作品を読ませていただき、あらためてこれは夕木さんの代表作になるに違いない、という確信があったからこそ、作品の大切な顔となるタイトルはどうしたらいいのか、と頭を悩ませました。夕木さんと何度も話し合いいくつもの候補を挙げた後、潔く『方舟』と決めました。
そうして完成した『方舟』は、多くの方々に話題にしていただきました。閉じ込められた地下建築から脱出するためには、誰か1人が犠牲にならなくてはならない。そんな最中、建築内に水が流入し始め、さらには殺人が起こる──。メインコピーにも据えさせていただいた「9人のうち、死んでもいいのは、救われるのは誰か?」という作品全体に通底する倫理的な問い、究極のデスゲーム展開、そして誰も予想できないラストの衝撃。
SNS等で、読了して下さった方々の「ネタバレされる前に早く読んで!」という声が溢れているのを、本当に嬉しく拝見しています。
おかげさまで、「週刊文春ミステリーベスト10」「MRC大賞2022」第1位の他、多くのランクインを果たすことができました。そして、本屋大賞にノミネートしていただけるとは……! 『方舟』がたくさんの方々の力で遠くまで漕ぎ進み、新たな読者の元へ届いているのが本当にありがたく、そして心から嬉しく思っております。
夕木さんは、ミステリーには探偵が「謎を解かねばならない」と思うための切実な動機が大切だとおっしゃいます。夕木さんが描く作品にはどれもその理念があるからこそ、私たちはこんなにも惹き込まれてしまうのかもしれません。
(『方舟』刊行時にご執筆いただいた夕木さんのエッセイもぜひお読みください。)
まだ読まれていない方はぜひ『方舟』にご乗船を!
そして夕木さん、今後も続々新刊を刊行予定です。今年4月には大正ミステリー『時計泥棒と悪人たち』、そして8月には現代ものの『十戒』を皆様にお届けできるように絶賛準備中です。私たちは夕木さんに、次はどんな感情を味わわせてもらえるのか、楽しみでなりません!
──講談社 文芸第三出版部 關 晴奈
2023年本屋大賞ノミネート
『方舟』
著/夕木春央
講談社
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