『#真相をお話しします』結城真一郎/著▷「2023年本屋大賞」ノミネート作を担当編集者が全力PR

『#真相をお話しします』結城真一郎/著▷「2023年本屋大賞」ノミネート作を担当編集者が全力PR

総力戦の末に掴んだ初めてのブレイク


「伏線回収」と「どんでん返し」。
 今や小説のみならず、あらゆるエンタメを席巻する一大トレンドに、本作『#真相をお話しします』は、畏れも衒いもなく、真剣勝負を挑みました。

「マッチングアプリに勤しむ中年男」、「リモート飲み会に興じる若手会社員」、「ユーチューバーグループを結成した小学生4人組」などなど。5編の短編からなる本作では、いまどきな、でも、至ってごく「普通」の登場人物によるニュー・ノーマルな日常がつづられていきます。

 ……しかし。読み進めるにつれ、微かな違和感を抱くはずです。
「何かがおかしい」と。
 その違和感、すなわち数々の「伏線」に気づき、そしてその裏に隠された真意を見破れるか否かが、本作の大きな醍醐味。しかも、伏線回収の「その先」には、強烈などんでん返しまでもが待ち構えており、二度読み三度読みしたくなるような中毒性を兼ね備えています。

 著者の結城真一郎さんは平成30年に新潮ミステリー大賞を受賞し、作家デビュー。前作『救国ゲーム』では第22回本格ミステリ大賞にノミネートされるなど、すでに業界内では「注目の若手」として知られていました。

 そんな期待の新星の最新作であり、かつ、テーマは現代的でキャッチー、しかもクオリティも折り紙つき。なればこそ「こりゃ、なんとしてでもこの人を次世代のスターにせねば!」との思いから、本作の刊行に際してはプロモーションや営業部署にはじまり、装幀部や電子書籍の販売担当、コミックの編集部、それから海外出版室まで、社内の総力を結集。プロジェクト・チームが立ち上がり、ブックカバーのデザインから書店や読者へのアピール方法まで、各部署で意見やアイデアを出し合いながらつくりあげていきました。

 具体的な施策の一つひとつを挙げだすだけで紙幅が尽きてしまうのですが……例えば、収録作の一つ「#拡散希望」をWEB上に無料公開した際には、すぐさま韓国の出版社の編集者の目にとまり、なんと本の発売前に翻訳出版が決定しました。そして、発売後も数多くのメディアで取り上げていただき、もはや異常事態ともいえる大ブレイクを達成。なにより、書店員や読者のみなさまの応援、反響に励まされ続け、この度の本屋大賞ノミネートというこれ以上ない機会をいただくことができました。

 ……そして、とうとう小説という枠を越え、2月14日から「くらげバンチ」にてコミカライズ版の連載がスタート! 4月7日には第1巻を発売いたします!

 快進撃は、まだまだ続きます。

『#真相をお話しします』コラム画像
突如、「サイン本2000冊ノック」を命じられ、新潮社の窓のない一室に軟禁される結城さん

──新潮社 出版部 村上龍人


2023年本屋大賞ノミネート

#真相をお話しします

『#真相をお話しします』
著/結城真一郎
新潮社
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