HKT48田島芽瑠の「読メル幸せ」第5回

HKT48の田島芽瑠の読メル幸せ

第5回


あっという間に9月になりました?

9月はじゃんけん大会やお笑いライブなど
HKT48が参加するイベントも多いので
ワクワクです!

そして、9月30日で私がHKT48に入って
丸6年となります。

もう、小学生と同じ年数在籍しているのだと思うとなんだか不思議に思います。

6年も続けてこられているのは、皆さんの応援があるからこそです。
本当にいつも支えてくださりありがとうございます。

今日は、私が6年間アイドルを続けてきた中で一番印象深かった本を紹介したいと思います。

 

朝井リョウさん『武道館』です。
 

朝井リョウ 武道館

アイドルがテーマの本は初めてだったので
どんな風に描かれているのだろう? と読み始めたのですが…

え? これ、アイドルの方が書いてるんじゃないよね? って
何度も作者を確認しちゃうくらい、リアルで鮮明で驚きました。

アイドルの気持ちも、アイドルを追いかけるファンの方の気持ちもしっかり描かれていて
心理描写が上手すぎて、何でこんなにわかるの? って感じました。

教科書でも、参考書でもない。
それ以上にアイドルの内側を知ることができる。

武道館を目指して進んで行くアイドルグループのお話。

HKT48が初めて単独でコンサートをしたのも、武道館でした。
そういう部分も含め、感情移入しやすくてどんどん引き込まれました。
 

朝井リョウ 武道館

朝井リョウさんの、場面の展開の仕方も凄く好き。

とくに、『武道館』のp110〜p111の
「また、チャイムが鳴る。」の部分が好き。

ここで場面変わります! とわかりやすいわけではなく、スっと自然と変わる感じ。
心地よいってこういうことかって思いました。

卒業、握手会、コンサート、グラビア、レッスン、後輩
アイドルをしていく中で全て当てはまる出来事ばかり……

これってアイドルあるあるなんだなって初めて実感しました。

どのアイドルも通ってる道で、目指してる場所があって
アイドルが好きなんだなって。

どうしてアイドルなんだろう?
なにが好きかわからなくなって悩む所も
描かれていて、共感しました。

傍から見たら、輝かしい世界でも
その裏には色んな葛藤や挫折もあって
決して楽ではないお仕事。

悩んだり、苦しい思いをするからこそ
ステージで輝けるのだと思います。

「両立しない欲望を叶えてしまうっていう点で
女性アイドルは、日常に現れた異物なんだと思ってる」

異物…かぁ。
なんだか、その言葉がぴったりな気がする。
 

朝井リョウ 武道館

アイドルは、普通とは違う。

世間から見ると、受け入れてくれない人が多い。
小さな事で揚げ足を取られ、叩かれたり
そういうのは日常茶飯事だ。

距離が近い分、しょうがない事だ。

だけど、受け入れてくれたり認めてくれてる方は根強い。
ファンの方は最後までファンでいてくれる。

会いに行けるアイドルで、タレントさんよりも距離が近くて、すぐ側で存在を確認できる。
そこがアイドルの良さなんだ。

【正しい選択なんてこの世にない。
たぶん、正しかった選択、しか、ないんだよ】

ストンと入り込んできた言葉。
 

朝井リョウ 武道館

誰かの思う、正しい姿にならなきゃいけない。
いつからか、そう考えるようになった。
理想のアイドル像。
そこになれなくて悩んだり、落ち込んだりする。
いつでも、正しく生きなきゃって
こうすべきだ、こうすべきだって苦しめてた自分を
そうじゃないのかもしれないと
教えてくれた作品。

アイドルになって、出会えて良かったと一番に言える作品です。

この本はアイドルに関わる全ての方に読んでほしいと思いました。

良い本の旅を。田島芽瑠でした。
 

朝井リョウ 武道館

 

 
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◎編集者コラム◎『あのコの、トリコ。』豊田美加  原作/白石ユキ  脚本/浅野妙子
「知識の継承」に参加したい人へ『図説古代文字入門』