この本を盗む者は

『この本を盗む者は』深緑野分/著▷「2021年本屋大賞」ノミネート作を担当編集者が全力PR
 中世のヨーロッパで写本がとんでもなく高価だった頃、書物には呪いがかけられていたという。本を盗んだ者、借りて返さない者には容赦なく災いが降りかかることが願われた。この本を盗む者は──。本の街として知られる読長町(よむながまち)の御倉館(みくらかん)は、書物の蒐集家が建てた巨大な書庫だ。以前は公共図書館のように住民が自由