アヤとあや

特別インタビュー ◇ 渡辺優さん『アヤとあや』
 2015年に『ラメルノエリキサ』で小説すばる新人賞を受賞して以来、意欲的に作品を発表している渡辺優さん。新作『アヤとあや』は、はじめて思春期以前の少女を主人公にした長編だ。誇り高く生きる11歳の少女に訪れた自我の揺らぎを描く本作は、これまででいちばん悩み、改稿を重ねた小説だったという。
渡辺 優『アヤとあや』
仮病で休んだ平日の午後 最初は、幼い子供を主人公に、ほのぼのとしてささやかな冒険物語のようなものが書けたらと思っていました。身体の小ささと相対して周りを取り巻くすべてが大きく見えたあの頃。家や教室や校庭、細い緑道や公園が人生のすべてだったあの頃。あの頃の瑞々しく繊細な視線で、世界のあれこれを描けたらと思ったのです。