レッドゾーン

『タングル』真山 仁ブックガイド_
シンガポールを舞台に、光量子コンピューター開発をめぐる暗闘を描いた最新刊『タングル』の刊行を記念し、真山仁作品の魅力と軌跡を書評家・末國善己が解説する。 真山仁には、地熱発電を題材にした『マグマ』、日本のロケット開発の問題点に切り込んだ『売国』など、日本経済を復活させる成長産業に着目した作品がある。光量子コンピューター
「推してけ! 推してけ!」第23回 ◆『レッドゾーン』(夏川草介・著)
評者=池上 彰(ジャーナリスト) あのとき何が起きていたのか コロナに脅える病院の医師たちの奮闘 これは医療の世界を目指す人、必読の書だ。新型コロナウイルス対応のワクチン接種が進み、新型コロナがどういうものか理解と研究が進んだ現在では、恐怖心を抱く人も少なくなったが、いまから二年前の二月は、そうではなかった。当時、医療
夏川草介『レッドゾーン』
人は人を支えることができる 昨年、私はコロナ診療をとりあげた一冊の小説を上梓した。第三波を題材とした『臨床の砦』という名のそれは、圧倒的な不安や苛立ちの中で、ともすればコロナ診療から逃げ出したくなる自分を、なんとか踏みとどまらせ、精神の安定を保つための、いわば強壮剤であった。ゆえに完成した作品は、悲鳴のような様相を帯び