多和田葉子

 日本語を学習し、職を得て来日する米国人青年の京都での暮らしを描く。第二回京都文学賞を満場一致で受賞した中篇は、日本語を母語としない著者によって書かれた。  この物語に用いられているのが「きみ」という二人称であることを、この本をはじめてひらくだれもが冒頭で理解し、同時にこの人称に、物語をつらぬく芯のようなものがあると直