夜が明ける
生活保護の受給者がバッシングを受け、過重労働ややりがい搾取などの弊害が噴出している今、貧困や格差は深刻な社会問題だ。フェミニズムが盛り上がる中で、〝強くあらねばならない〟という呪縛にとらわれた男性たちの多くも生きづらさを抱えている。弱者が弱者のままで、当然の権利として助けを求めながら生きるにはどうしたらいいのか──。
3年前、私は数ヶ月、会社を休ませてもらいました。家庭も仕事も子育てにも行き詰まり、自分自身を見失っていた私を見かねた周りの人々に休息をとることをすすめられ、私自身少しでも現状を変えられるならと休みましたが、いざ休んだら今度は自室からまるで出られなくなりました。『夜が明ける』で主人公の「俺」が陥った状況と同じで、恐ろし