奥田亜希子

週末は書店へ行こう! 目利き書店員のブックガイド 今回の目利きさん 丸善 お茶の水店 沢田史郎さん
 結婚して7年になる辻原誠太、志織の夫婦は、子供がないまま気付けば既に34歳。二人の不妊治療の様子から、物語の幕は上がる。《私もそっちに入りたかったな》およそ8割の夫婦は医学に頼ることなく自然に赤ちゃんを授かる、というデータを目にして、志織は思わずそうこぼす。そんな彼女に共感して目頭を熱くする読者は少なくないだろう。
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 主人公の愛衣は、嘘や隠し事を〝匂い〟で感じ取ってしまう特異体質……だなんて、生きていくのがさぞ辛かろうな。相思相愛の恋人やツーカーの仲の親友でも、時には本音を言えない事はあるだろう。しかし彼女には、それが〝匂って〟しまうのだ。