川村元気
週末、貴方がフラリと書店に寄ったとします。お気に入りの漫画の新刊チェックも兼ねて訪れる馴染みの書店。「お? 雑誌の表紙だけでも季節感出るものなんだね」店内レイアウトや初々しいレジスタッフの入れ替わりにも、季節の移り変わりを感じてほっこりするのでしょう。そんな時、店頭に積みあがったこの本『星を掬う』が目に留まります。
新作のテーマは記憶
「今回の本の感想を送ってくれる人が、それぞれ自分の人生についても書いてくるんです。僕にとって良い小説って、物語に没入させるものというより、何か記憶を引きずり出されて自分の人生を照
「一番尊敬している作家は、藤子・F・不二雄です」
インタビューは、この言葉ではじまった。
「F先生の作品は、いつもSF(すこし・不思議)で、古典落語のようにウイットとユーモアに満ちていま