廃遊園地の殺人

今月のイチオシ本【ミステリー小説】
 捨て置かれ、ただ時とともに朽ちていく建造物──廃墟。それは建物の遺骸と捉えることもできるが、遺跡や動物のはく製を見て覚えるものとはまた異なる情感をもたらし、なぜか妙に心を惹きつける。この得もいわれぬ退廃的な魅力の正体とは何なのか。斜線堂有紀『廃遊園地の殺人』は、その答えの一端を垣間見せてくれる長編本格ミステリだ。