朝比奈あすか

作家を作った言葉〔第11回〕朝比奈あすか
 16年前、新人賞授賞式の後に歓談の時間があり、選考委員の藤野千夜さんとお話しする機会をいただいた。大ファンの私はどぎまぎし、「せっかく選んでいただいたのに、すぐ消えるかもしれません」と、場違いな自虐をした。すると藤野さんは優しく微笑み、「作家は、自分で消えない限り、作家なんです。本が出ようが出まいが、書き続けていれば
朝比奈あすか『ななみの海』
いい大人になりたい 『憂鬱なハスビーン』で第四九回群像新人文学賞を受賞しデビューした朝比奈あすかは、大人たちの「憂鬱」をなまなましく活写する作風で知られてきた。近年は現代社会をサバイブする子どもたちの「葛藤」を描く物語が増えている。最新作『ななみの海』も子どもが主人公の物語だが……まぎれもなく大人たちの物語だった。