東山彰良

著者の窓 第15回 ◈ 東山彰良『怪物』
 東山彰良さんの新作『怪物』(新潮社)は、日本・台湾・中国を舞台にした圧倒的スケールのエンターテインメント。出版社の女性社員との不倫関係に陥った、台湾出身の作家・柏山康平。彼の叔父で、台湾から大躍進政策時代の中国に飛行した王康平。二〇一六年と一九六二年、ふたつの物語は柏山の書いた小説『怪物』において重なり合います。愛と
東山彰良『怪物』
「愛と自由」の物語 台湾を舞台にした青春ミステリー『流』で二〇一五年に第一五三回直木賞を受賞した東山彰良が、まもなくデビュー二〇周年を迎える。最新長編『怪物』は、日本に暮らす小説家の現実が自作小説によってじわじわ侵食される様子を綴りながら、戦後アジアの歴史をも浮かび上がらせる。二〇年の蓄積があったからこそ飛び立つことが