米澤穂信

『黒牢城』米澤穂信/著▷「2022年本屋大賞」ノミネート作を担当編集者が全力PR
 日本の歴史上最も有名な事件であろう〈本能寺の変〉が起きる四年前、明智光秀よりも先に、織田信長に反旗を翻した戦国武将がいました。中国地方の毛利征伐を進めんとしていた織田家中屈指の勇将でありながら、突如として謀叛を起こした男の名は、荒木村重。安土城や京の都から織田軍が中国方面へと攻め込む際、重要な中継点となる摂津国伊丹の
米澤穂信さん
英雄と英雄が戦う話よりも、当時の世界で必死に生き抜いた人の姿が好きでした なんと、米澤穂信さんが歴史小説を上梓。これまでにも中世ヨーロッパを舞台にした『折れた竜骨』などを発表してきたとはいえ、新作『黒牢城』は荒木村重と黒田官兵衛という、戦国時代に実在した人物が登場する。しかし読めば、これは実に米澤さんらしい本格ミステリ
本と鍵の季節
 本書の第一話に当たる「913」は、もともと作家七名が参加したアンソロジー『いつか、君へ Boys』(二〇一二年六月刊)のために執筆されたものだった。「少年たちが登場する青春小説」というアンソロジーの