米澤穂信

本と鍵の季節
 本書の第一話に当たる「913」は、もともと作家七名が参加したアンソロジー『いつか、君へ Boys』(二〇一二年六月刊)のために執筆されたものだった。「少年たちが登場する青春小説」というアンソロジーの
米澤穂信
 おみやげを楽しみにねと笑って出かけた夫が、白木の箱に入れられて、こんなに軽く、小さくなって帰ってくるなんて──。  ご主人ですと渡された箱はあまりに軽くて、悲しいよりもいっそ情けないような気がした。